宝塚記念(阪神・芝2200m)は今年で63回目を迎える春のグランプリ。かつては牝馬が非常に苦戦していたレースで、1966年に第7回を勝ったエイトクラウン以降は2005年のスイープトウショウまで牝馬の勝ち馬がいませんでした。

ところが、近年はその傾向が一変。直近の10年で牝馬が4勝。特にここ3年はクロノジェネシスが連覇を達成するなど、3連勝を果たしています。

今年は3頭の牝馬がエントリーしますが、ここ注目したいのは3冠牝馬デアリングタクトではなく、関東の刺客・ウインマリリンです。

G1ではオークスの2着が最高ですが、3歳時にオークストライアルのフローラステークスを勝ち、古馬となってから牡馬相手に日経賞、オールカマーを勝利。G2を3勝している実力馬です。

また、重賞勝ちはいずれも2000m以上の距離でスタミナ面に不安はなし。とりわけ今回と同じ2200mのオールカマーを勝っているのは心強い材料で、スイープトウショウ以降、のべ5頭の牝馬が勝っていますが、いずれも2200mの重賞を勝った実績を持っていました。これは牝馬3冠を制したデアリングタクトにもない実績です。

2005年以降の宝塚記念を勝った牝馬
2021年
 クロノジェネシス(宝塚記念・京都記念)

2020年
 クロノジェネシス(京都記念)

2019年
 リスグラシュー(エリザベス女王杯)

2016年
 マリアライト(エリザベス女王杯)

2005年
 スイープトウショウ(エリザベス女王杯)

カッコ内は当該レース以前の2200m重賞勝利

状態面がひと息だったここ2走は大敗も、中間の気配からは復調がうかがえ、昨年は前記の重賞2勝の他にも天皇賞春で5着と健闘。底力は侮れないものを持っています。

先週開幕した阪神競馬は土曜日のメイン・米子ステークスをウインカーネリアンが勝ち、日曜日のマーメイドステークスはウインマイティーが勝つなど「ウイン」軍団に流れが来ているようにも見えます。非常に不気味な存在といえるでしょう!
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