金鯱賞(中京・芝2000m)は2017年にG1へと昇格した大阪杯の重要な前哨戦。メンバー唯一の牡馬混合G1の勝ち馬で、大阪杯連覇を狙うレイパパレにとっては、連敗を止めて仕切り直しとしたい一戦でしょう。

しかし、その道のりはまだまだ険しいかもしれません。

まず、この金鯱賞は1996年にG2へと格上げされましたが、牝馬の勝利はなく、牡馬の壁を超えることはできていません。

金鯱賞・牝馬の成績(馬券内のみ)
・2着
2021年 デアリングタクト
2019年 リスグラシュー

・3着
2016年 シュンドルボン

デアリングタクトは前年の3冠牝馬、リスグラシューもG1を3連勝する完全覚醒前とはいえ、エリザベス女王杯を勝ち、前走は香港ヴァーズで2着しています。

こうした実力の持ち主でも勝てない壁があるのです。これはエリザベス女王杯でワン・ツーだったアカイイトステラリアにとっても嫌なデータと言えるでしょう。

続いて、手綱をとる川田将雅騎手。このレースは過去10年で2勝。この勝利数だけを見ると好相性にも見えますが、6回の騎乗馬は全て3番人気以内で2着と3着はゼロ。

むしろ取りこぼしているともいえるデータ。昨年は2番人気のグローリーヴェイズに騎乗して4着でした。

そして、最も気になるのはデビューから無傷の6連勝で大阪杯を制して以降のレースぶりです。宝塚記念3着、オールカマー4着、エリザベス女王杯と香港カップがともに6着と4連敗。

エリザベス女王杯までの3戦は距離が少し長かったという見方もできますが、2000mの香港カップは直線でゴチャついたとはいえ、見せ場らしい見せ場がなく、完敗といえる内容でした。

最終追い切りは、パートナーを前に置いて抜け出す想定で、上々のタイムを出していますが、ややコントロールを欠いているようにも見えました。

コントレイル、グランアレグリアらを完封した大阪杯の圧勝から、ここも上位人気必至ですが、過信は禁物でしょう。
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