秋競馬も2週目、今週は秋華賞トライアル・ローズステークスと、菊花賞トライアルの第一弾セントライト記念が行われる。早くも秋競馬は佳境に向かっている。

日曜中京では、秋華賞戦線の王道であるローズステークス。紫苑ステークスが重賞に格上げされて以降は有力馬が分散はしているものの、ジェンティルドンナ他、牝馬三冠馬3頭をはじめ、春の実績馬の多くがここから始動している様に、秋華賞へ向けての重要なステップレースに変わりはない。

二冠馬デアリングタクトは出走していないが、オークスではデアリングタクトに続く2番人気に推されたデゼルや、この世代のGI戦線で常に上位を賑わせているクラヴァシュドール、重賞勝ち馬のリアアメリア、アブレイズ、ウーマンズハートなど、今年もまずまずのメンバーが揃っている。

ただ、収得賞金に余裕のある馬は、本番へ向けての始動戦であることは間違いない。

よって、ここで勝負という馬は、やはり賞金の少ない組だろう。

まだ1勝クラスを勝ったばかりだが、セウラサーリには注目してみたい。

この馬、半兄にサダムパテック、半姉にジュールポレールという、兄にも姉にもGI馬がいる、しかも両頭とも同じ西園厩舎の管理馬という縁の血統馬。

そして、同じ系統という事で、デビュー前から調教をつける助手も同じ人が跨っている。

実は、サダムパテックの時も、ジュールポレールの時もデビュー前からかなり高い評価をしていた。

逆に、同じ系統でも、高く評価していない馬は出世してこなかった。

ちょうど今週サラブレッドオークションにも出ていたトレミエールに関しては…ご想像にお任せするとして、その跨った感触のジャッジは正確。それもそのはず、この助手は、松永幹夫現調教師、横山典弘騎手らと同期の元騎手である。

その助手が、このセウラサーリのデビュー前は「サダムパテック級の馬」という高評価をしていた。

ゆえに、デビュー時から陣営の期待も高かった。

しかし、初勝利を上げるにはデビューから5カ月後の3戦を要し、2勝目を上げるにも数戦を要した。ただその前走が、これまでに見せていない鋭い決め手を披露し3馬身差の完勝。どうやら父オルフェーヴルということで、池添騎手との手が合ったのだろう。

それもあってか、今回も前走同様に引き続き池添騎手が手綱を取ることになった。

今週の調教が、水曜の予定が軽い爪のアクシデントで木曜にズレ込んだが、これは走る馬特有のことで、蹄鉄を打ち換えて事なきは得た。

とにかく、跨った助手の評価が高い事もあり、厩舎としてもGIを意識している素質馬。

ここで権利を取れば。早くもそのGI出走が叶い、GI制覇の可能性も出走するからには出てくるというモノ。

兄は姉同様、GI制覇は古馬になってからかも知れないが、その高い素質でどんな走りを魅せるか、注目したい。

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