馬券情報・最前線(栗東編)
関西の事情通が思惑の真相に迫る!
スプリンターズステークス
鞍上の事情は三者三様
いよいよ秋のGI戦線が開幕する。
スプリンターズステークス。
ひと昔前の1990年代は、年末有馬記念の前週に開催され年の瀬を知らせるG1だったが、2000年以降は秋の序盤に移設され、秋競馬ハイシーズンの開幕を告げるG1として浸透してきている。
今年は、スターホースがおらずG1馬も2頭のみとは言え、なかなか魅力ある馬が揃い見応えあるレースとなりそうだ。
そんな中で…
テイエムスパ-ダ
ヴェントヴォーチェ
ナムラクレア
の3頭は、鞍上の事情的に注目しておきたい。
まずは
テイエムスパーダの鞍上
国分恭介騎手。
3戦目から手綱を取りこの馬の主戦と言えるジョッキー。しかしCBC賞は斤量48キロでは乗る事ができず泣く泣く今村聖奈騎手に手綱を譲ったが、ここで見事に勝たれてしまった。
北九州記念では手が戻ったものの結果を出せなかった。
今回はG1の舞台とあって乗り替わっても不思議ないところだが、再び乗れることになった。
管理するのは元所属の五十嵐厩舎、来年定年を迎える師匠に恩返ししたい気持ちも大きいだろう。
その気持ちを汲んだ采配だったのかも知れない。
ハイペースに巻き込まれたくないからという事で、できれば被されずに控える競馬ができる外枠を希望していたが、結果は最内1枠1番、こうなったらやる事はひとつ、行くだけ行くと迷うことのない騎乗ができそうだ。
ヴェントヴォーチェに騎乗する
西村淳也騎手は、このレースのためにフランスから一時帰国し、月曜日には再びフランスに発つ予定。
実は、春雷ステークスで勝利し、函館スプリントステークスでも騎乗できることが決まった時は、秋のスプリンターズステークスへ向けて、この馬のために予定していたフランス遠征をやめよう、そういう話も持ち上がっていた。
ところが、函館スプリントステークスで結果が出せず次走で乗り替わりが決まってしまい、ならばと改めてフランスへの遠征決めた経緯がある。
しかしながら、前走手綱を取ったルメールが居ないこともあるとはいえ、再びオファーがあり、急遽この日だけピンポイントで帰国する事を決めた。
彼にとってみれば、一時は「この夏を懸ける」ほどに期待をしたものの、一回の敗戦で乗り替わり、哀愁のフランス遠征となってしまっていたが、疎遠になりつつあったヴェントヴォーチェに再び乗ることができて、しかもそのレースがG1の舞台、この上なく気合の入るシチュエーションだろう。
もう一人の
浜中騎手、騎乗するのは
ナムラクレア。
函館スプリントステークスでは、厳しい減量に耐えて騎乗し見事1着。主戦場の札幌から小倉まで遠征して挑んだ北九州記念では外枠スタートということもあってポジションもやや後ろ、直線では行き場を迷うようなところも見られたものの、本番を見据えて馬込を選択したと考えれば収穫のあったレース。それほどまでにこのレースに懸ける思いがある。
というのも、このナムラクレアの父ミッキーアイルの主戦でもあった浜中騎手、5連勝でG1・NHKマイルCを制したいい思い出はあるものの、あの他馬に迷惑を掛けたマイルチャンピオンシップのレースが、ミッキーアイルにとっても苦い思い出になってしまったのではないかと気にして、その後浜中騎手自身も迷ってしまった経緯がある。
ゆえに、ミッキーアイル産駒の馬でG1を勝つ事は、彼の中では特別な思いと言える。
三者三様に思いのあるここ、結果は如何に…!?
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