馬券情報・最前線(栗東編)
関西の事情通が思惑の真相に迫る!
オールカマー
次走の騎乗へ一発勝負
トライアル戦線真っただ中、日曜日中山では、勝ち馬に秋の天皇賞の優先出走権が与えられる古馬の王道路線のステップレース、
オールカマーが行われる。
秋の天皇賞に限らず、ここからジャパンカップへ駒を進める馬や、エリザベス女王杯へ向かう牝馬なども多く注目の一戦に間違いない。
今年の出走馬の中で、ある意味で一番注目なのは…
無敗で牝馬3冠を制した
デアリングタクトの参戦だろう。
4歳春、香港遠征後に脚部不安を発症。移植手術を施すという大きなトラブルに見舞われ、復帰するのに1年以上の月日がかかった。
今春のヴィクトリアマイルで復帰したが、やはり当時はいい頃の動きではなく、ややピッチ走法の走りとなり、まだまだ本調子とは言えない状況だった。
一回使って、いくらか良くなってきていた宝塚記念、それでもまだまだ3冠を獲ったころの走りでは無かったが、好メンバー相手に3着したのはやはり能力の証。
今回は夏を越しての復帰戦、松山騎手曰く「体が起きて走れるようになり、柔らかみも出てきた」と、ピッチ走法だったところがトモを使って走るようになってきており、春よりいい状態で出られそうと感触を得ている。
そういう意味でも、ここでどこまでのレースを見せるのか、今後を占う意味で注目の一戦。
長期休養と言えば、
ヴェルトライゼンデの前走は1年4ヶ月ぶりのレース。
その鳴尾記念当時、このコーナーでも取り上げたが、屈腱炎を患い、昨年のAJCC以来となる1年4カ月振りの長期休養明け、中間の調整も様子を見ながらなため坂路で仕上げられていたが、ケイコで手綱を取っていた水口騎手が「長期休養明けとは思えない動きの良さ」と話していたことをお伝えした。
結果は見事に勝利。このレース間隔1年4ヶ月での勝利は、それまでの88年オールカマーを勝ったスズパレードの1年3ヶ月ぶりの記録を塗り替える、JRA平地重賞最長間隔記録となった。
元より、コントレイルが無敗で3冠を制した中、そのクラシック3冠全てに出走しダービーでは3着した実績馬、復活してくれば主役級になり得る一頭だ。
そのクラシック3冠では全て池添騎手が手綱を取ってきたが、前走は短期免許を取得して来日していたダミアン・レーンが手綱を取り勝利。
今回は池添騎手が神戸新聞杯のプラダリアに騎乗するため戸崎騎手に声が掛かったが、この秋は多くの外国人騎手が短期免許を取得し来日するため、このヴェルトライゼンデの次走に騎乗できるかは全くの未知。
ゆえに戸崎騎手としてはここ一発勝負の雰囲気。まして、この秋に来日する外国人騎手のほとんどがノーザンFと関連の強いオーナーが身元引受なだけに、これまでとは違い騎乗馬確保が激戦になってくる。
そういう面でも、結果を残してアピールしておきたいところだろう。
この他にも骨折で10ヶ月の休養明けのソーヴァリアントや、脚部不安で1年7ヶ月振りのバビット、2年5ケ月振りのクリスタルブラックと、まるで長期休養がテーマとなっているかのようなメンバー構成。
まさに、その名の通り「オールカマー」な今年、とにかくレースは必見と言えるだろう。注目の一戦になる。
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