うまスクエア

安田記念(東京・芝1600m)は先週の日本ダービーを9番人気ダノンデサイルで勝利。2021年の共同通信杯5着以来のコンビ復活となる、「横山典弘ステラヴェローチェ」の走りにご注目いただきたい。

近年は後述する裏事情により疎遠になっていたとはいえ、横山典騎手とステラヴェローチェ陣営の関係は複雑だ。

同馬が20年サウジアラビアRCを制した際、レース後に大野剛嗣オーナー(当時※故人)と須貝師、横山典騎手が喜びのあまり、当時コロナ禍による規定に抵触。事態を重く見たJRAは須貝厩舎に2馬房削減という厳罰処分を下した。

この件は昨秋に和解が成立。詳細は割愛するが1番人気で5着に敗れた共同通信杯の結果を受けて、次走の皐月賞では吉田隼騎手へ乗り替わりに。その後は現在にいたるまで関係が冷え切ってしまった経緯がある。

しかし、22年3月に大野剛嗣オーナーが50歳の若さで逝去。現在は実父の照旺オーナーに名義変更されたことで流れが変わったのか、今回のコンビ復活が実現した。

中間は以前のように横山典騎手が毎週のように騎乗して、調教で好時計を連発。追い切りを見届けた須貝師も「ノリに任せる」と、かつて蜜月の仲だったベテランに全権委任の構え。

紆余曲折があったものの、数々の名馬に騎乗した横山典騎手が「走る馬だね。将来が楽しみだよ」と手放しに絶賛していた逸材。誰よりも素質を評価する名手に導かれ、混戦模様の安田記念で風穴をあけてくれるに違いない。