元競馬学校教官・蓑田早人の蓑田塾

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心機一転!滞在でひと皮むけるか

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こんばんは。蓑田です。

今週から野中悠太郎騎手が栗東滞在を始めたそうだ。

聞くところによると、去年の夏に栗東の安田翔伍調教師にそういう話をもらったそうだね。

野中は実家が小倉競馬場の近くという面もある。これから小倉開催が終わるまでの2か月ほど、平日は栗東で関西馬の調教を付けて、週末は小倉で競馬に乗るという生活になるようだ。

美浦でなかなか結果が出ないままの騎手が、栗東を拠点にしてキッカケを掴むことは多い。国分優作騎手や長岡禎仁騎手のように所属を変えることもあれば、吉田隼人騎手や少し前の横山和生騎手、その父の横山典弘騎手のように美浦所属のままでも関西とのパイプを重視することもできる。

今回の野中は小倉開催に合わせた2か月弱の短期滞在だけど、この開催で勝ち星を挙げるだけでなく、多くの厩舎の調教を手伝ったりして関係を作っておけば、その後のローカル開催なんかでも騎乗馬を増やすことができる。しっかりアピールしてもらいたい。

野中は受験してきた時はほぼ乗馬は未経験で、正直最初は合格するとは思えなかったが、4日間の試験のうちにグングン伸びてきて競馬学校合格を勝ち取ったというタイプだったんだ。

実家が小倉なので関西所属になるのが普通だと当時はみんな漠然と思っていたので、既に丸山元気騎手がいた根本康広厩舎に行く話になった時は少し驚いたけどね。今思うと、成績はともかく根本厩舎に行ったこと自体は良かったと思うよ。

土曜小倉の2頭は結果が出なかったが、日曜日も同じく小倉で2頭に騎乗。10Rのホウオウジョルノは栗東滞在のキッカケとなった安田翔伍厩舎の馬で、最終追い切りにもしっかり乗っている。

前走こそ10着だが、今回は叩き2走目で小倉も得意という馬。厩舎が野中のために用意してくれたのかもしれないね。


日曜の騎乗一覧と評価

レース条件馬名評価
小倉9R芝1200mエテルナメンテB
小倉10R芝1800mホウオウジョルノA


今週は中京で今年最初のG2となる日経新春杯が行われる。

まずは伊藤工真騎手がずっと手綱を取っているロバートソンキーに注目したい。調教はしっかり動けていたように見えたし、オールカマー2着の後、このレースを狙って待っていただけあって体調は良さそうだ。

先週のフェアリーSでは昨年初めて重賞を勝った杉原誠人騎手がまたミルファームの馬で重賞を勝ったし、京成杯で嶋田純次騎手が騎乗するグラニットも逃げればチャンスはある。

伊藤工真は三浦皇成と同期なのでもう若手と呼んでいいか微妙なところだけど、昨年から続く、苦労人の若手、中堅騎手が重賞やG1を勝つ流れに続いてもらいたいね。

そして、日経新春杯でもう一つポイントになりそうなのがヴェルトライゼンデの59キロ。

今年から斤量に関するルールが変わり、昨年までなら58キロ評価というところが、全馬1キロ上乗せという形で59キロを背負うことになった。

このルールについて、全ての馬が増えているから平等と言えば平等だけど、馬への負担が増えることは間違いない。

これはあくまでも私が乗っていた頃に感じていたことだけど、まず、58キロまでなら馬への影響はそこまで大きくないが、58キロから59キロ、この1キロの違いは大きかった。59キロになると、急に斤量を苦にしていると感じることが多かったんだ。

そして、これは意外に思われるかもしれないが、牡馬の方が斤量が増えることには敏感なんだ。普通は小さい牝馬の方が斤量の影響が出そうに思うかもしれないが、私が乗ってきた経験ではそうだったんだよ。

斤量が増えた時に一番変わってくるのは、勝負どころで仕掛けた時の反応だね。分かりやすく言うと、加速力が鈍くなる。逆に、トップスピードに乗ってしまえば直線では斤量の重さはあまり感じないかな。これは先行馬の方が影響が大きいというか、レースが難しくなる感覚があったね。

一方で、騎手にとっては斤量が重くなるのが楽になるのは間違いない。斤量の基準が変われば、将来的には競馬学校を受験する時に求められる身長、体重の規定が緩和される可能性だってあるかもしれない。

私個人としては、教官をしていた頃から体重管理も騎手の大事な仕事というか、騎手という仕事への自覚の部分だと思っていたので、あまり甘やかすのはどうか…と賛成ではないんだけど、騎手にとっては得のあるルール変更であることは間違いないんだろうね。

ヴェルトライゼンデが59キロを背負ってどういう競馬をするか、また平場のレースでも多く目にするようになった58キロを背負う馬にどのような影響が出るか。まだルールが変わったばかりなので見守っていきたい。


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蓑田早人・プロフィール

卓越した騎乗技術を武器に、騎手として北海道などローカル開催を中心に活躍。引退するまで、日本騎手クラブ副会長を務めるなど騎手の地位向上にも尽力。その後、競馬学校の専任教官へ就任(石橋脩騎手ら第19期生より指導を担当)。川田将雅騎手、松山弘平騎手をはじめ、吉田隼人騎手、三浦皇成騎手、藤田菜七子騎手など教え子が多くいる。

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