元教官・蓑田早人の蓑田塾
若手が躍動した今年の騎手MVPは?
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こんばんは。蓑田です。
今年はこれで最後ということで、2022年の“騎手のMVP”を選んでみたい。たしか、去年もこのことを聞かれて、横山武史を選んだのだったかな。
今年はおそらく川田将雅騎手が自身初の全国リーディングを獲得。先ほども挙げたように若手騎手が次々とG1を勝ち、短期免許の外国人騎手も猛威を振るい、その一方で福永騎手の引退も決まった。騎手絡みで色々と面白いことが多かった1年だったね。
ただ、今年最も印象的だった騎手と言われたら、私に限らずほとんどの人が
今村聖奈騎手を挙げるだろうね。
3月にデビューし、土曜日の競馬が終わった時点で51勝。福永の1年目が53勝で、今はこの記録に並んで追い抜けるかが注目の的になっている。
新人で50勝以上を挙げたのは過去に加賀武見騎手、武豊騎手、福永祐一騎手、三浦皇成騎手の4人だけ。ここに女性騎手として肩を並べたというのは歴史的な出来事だと言っていいよ。
デビュー前から今まで見てきた女性騎手の中では一番だと思っていたけど、最初は20勝から25勝くらいすれば上々だと思っていたんだ。ここまで活躍するとは正直思わなかった。
最初の頃なんかは角田大河騎手の方が目立っていたけど、すぐにお株を奪われたというか、今村が主役になっていったよね。
今村の良かったところは、すぐにどんどん競馬の色々なことに順応していったところ。デビューしたての3月はレースで不安なところもあったけど、すぐに修正していけたからね。
減量の有利さだけに頼らず、差す競馬でも慌てずに競馬ができるところや、自分の騎乗馬のことをしっかり毎回研究しているように感じるのも凄いところだよ。
来年は今年以上の活躍を…といいたいところだが、最初からずっと順風満帆という騎手はいない。今村もこれから一時的に勝てなくなったり良い馬に巡り会えなかったリという時期がくるだろう。その時に考え過ぎず、自分で悪循環に陥らないようにするのが大切なんじゃないかな。
他には丸田の高松宮記念勝ちも感動したね。あいつは学校にいた頃から苦労していて、個人的にもずっと気を掛けてきたんだ。ようやくたどり着いたG1勝ち、宗像義忠先生にも感謝だね。
瑠星は朝日杯で2つ目のG1勝ちとなったし、今村、大河以外の新人では鷲頭虎太騎手も来年は伸びてきそうな雰囲気がある。岩田望来騎手も100勝に届いたし、とにかく今年は若手騎手が本当に躍動していた。来年も私から語れることが尽きないような1年になるといいな。
日曜の騎乗一覧と評価
レース | 条件 | 馬名 | 評価 |
阪神2R | ダ1400m | メイショウケンセイ | B |
阪神4R | ダ1800m | マサハヤウォルズ | B |
阪神6R | 芝1400m | テネット | B |
阪神7R | ダ1800m | ラニカイ | A |
阪神8R | ダ1200m | ダノンフューチャー | B |
先週の朝日杯FSは馬券としては堅い決着だったが、川田、瑠星、武史で教え子のワンツースリーだった。4着のキョウエイブリッサも川須が乗っていたがよく頑張っていたね。
そして、日曜日の阪神ではG1の前に、私も先週ここで取り上げた木幡初也騎手のユイノマチブセが新馬戦を圧勝した。シンリョクカと同じオーナー、厩舎の馬で、これが今年の4勝目だったが、来年に繋がる勝利になったんじゃないかな。
さて、今週はいよいよ有馬記念。人によって色々な楽しみ方があるレースだと思うが、私はどうみてもイクイノックスとタイトルホルダーが抜けているんじゃないかと感じているんだ。
その後もヴェラアズールとジェラルディーナ。やはり、今年のG1でしっかり結果を出してきた馬が上位だろう。紐穴はジャスティンパレスとボルドグフーシュの3歳勢に、ディープボンド、ウインマイティー。挙げるとキリがないのでここまでにしておこう。
そして、エフフォーリアは動きだけなら悪くないが、やはり迫力が足りないというか、どうしても良い頃のオーラを感じないな…と思ってしまった。言葉にするのは難しいんだが、グンと来るものがないというかね。
しかも、元々予定していた京都大賞典やジャパンカップといったレースにことごとく間に合わず有馬記念での復帰になってしまったらしいからね。半端な状態で使わず良くなるまで待ったという捉え方もできるが、やはり順調さを欠いて勝負になるほど甘いレースじゃないと思うよ。
それと、このコラムは今回が年内最後になるということなので、ホープフルSについても少しだけ。
今年は何といっても三浦皇成騎手のG1初勝利が掛かるガストリック。丸田、和生、荻野極、瑠星、石川と教え子たちのG1初勝利が続出した今年、最後を飾るのは皇成しかいないと期待しているよ。
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