元競馬学校教官・蓑田早人の蓑田塾

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新たな面を引き出す穴ジョッキーに注目!

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こんばんは。蓑田です。

先週の阪神ジュベナイルフィリーズでシンリョクカを2着に持ってきた木幡初也騎手。これが2回目のG1で、もちろん連対したのは初めてだったようだ。

木幡家と言えば、父の木幡初広騎手と、息子の初也、巧也、育也の3兄弟がいずれも騎手というのは競馬ファンなら誰しも知るところだろう。

巧也については以前にもこのコラムで触れたことがあるが、私の教え子のうち、美浦でデビューした中では三浦皇成と木幡巧也の2人だけは必ず新人賞を取れると確信していた、それくらい学校にいた頃から技術があった。

しかし、初也は今年3勝。育也は所属していた藤沢和雄厩舎の解散もあったが、今年は1勝もできていない。巧也もデビュー当初のことを考えると満足な状況とは言えないね。

今週の日曜日は、初也はまた阪神にいる。といっても、今回はG1のためではなく6Rの新馬戦が目的のようだね。ユイノマチブセはシンリョクカと同じ竹内正洋厩舎の馬で、オーナーも同じ方。やれそうな雰囲気はある。

巧也は中山。G1裏ということで7鞍に乗っている。今の巧也は穴騎手なので、一見すると厳しそうな馬でも簡単には切れない。以前話したが、他の騎手からの乗り替わりで馬の新たな面を引き出すのが上手いので、そういう馬は注目しておきたい。

日曜の騎乗一覧と評価

レース条件馬名評価
中山1Rダ1200mタターガタB
中山2Rダ1800mオールアルミュールB
中山3R芝1800mネッロランパンテC
中山5R芝1600mケイアイインダラB
中山6Rダ1200mブリットランA
中山7R芝1600mステラバルセロナB
中山10Rダ1800mグラスデスティーノB


先週から来ているデヴィッド・イーガン騎手は土日で4勝を挙げ、私が注目していた阪神ジュベナイルフィリーズのアロマデローサでも13番人気4着と惜しいところまで走らせた。

そして、今週からはドイツリーディングのバウルジャン・ムルザバエフ騎手が新たに加わる。土曜日は中京で3鞍だけだったが、最初の2Rで9番人気のマインジャランを3着に持ってきた。

ジャパンカップの振り返りの際にも話したが、いつもズブくて反応が悪いヨーロッパの馬を動かしている向こうの騎手たちからすれば、日本の馬は格段に乗りやすいはずだ。外国人騎手が日本で結果を出しやすいことと、日本の騎手が海外で何10勝もすることがないことは、そこに理由があるんじゃないかな。

私も騎手だった時に少しだけヨーロッパに行っていた期間があるが、そこで調教、レースを含めて色々な馬に乗せてもらったけど、どの馬もスピードというよりパワーの馬なんだよね。

牡馬も牝馬も変わらずそういう感じで、私が現役だった頃ですら、日本とはずいぶん馬のタイプからして違うものだと感じたよ。いつもそういう馬に乗っているヨーロッパの騎手からすれば、日本の馬は極端に言えばF1みたいなものだよ。

さて、今週のG1朝日杯フューチュリティSはかなり難しいというのが正直なところ。これが断然の本命、と言えるような馬はいない。

上位に評価したいのはドルチェモア、オオバンブルマイ、レイベリングの3頭。オオバンブルマイは2戦2勝の重賞ウィナーの割に人気がないが、京王杯2歳Sは見た目以上に強い競馬をしていたと思うよ。

この3頭に続くのが、ダノンタッチダウン、ドンデンガエシ、オールパルフェの3頭。ここまでの6頭を中心にして、どういう馬券を組み立てるか、レース前まで考えることになりそうだ。


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蓑田早人・プロフィール

卓越した騎乗技術を武器に、騎手として北海道などローカル開催を中心に活躍。引退するまで、日本騎手クラブ副会長を務めるなど騎手の地位向上にも尽力。その後、競馬学校の専任教官へ就任(石橋脩騎手ら第19期生より指導を担当)。川田将雅騎手、松山弘平騎手をはじめ、吉田隼人騎手、三浦皇成騎手、藤田菜七子騎手など教え子が多くいる。

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