元教官・蓑田早人の蓑田塾
G1勝利をキッカケに目立つ存在へ!
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こんばんは。蓑田です。
スプリンターズSを勝った荻野極騎手について、少しだけ話しておきたい。
極は騎乗技術については何の文句もなく、順調ならもっと毎年勝てる騎手になっていても不思議ではなかった。ただ、競馬以外の部分で上手くいかないところがあってね。
東京都出身で、当初は美浦からデビューする予定だったが、ある問題が起こってしまってね。このコラムでは結構色々なことを赤裸々に話してきたけど、極の件はどうしても詳しくは言えないんだ。それで察してもらいたい。
ただ、その問題に関しては、極は全く悪くない。そこは勘違いしないでもらいたいね。
とにかく、そういう経緯があって東京都出身ながら栗東でデビューすることになったんだ。その時に快く引き受けてくれた清水久詞調教師には本当に感謝しているよ。
デビュー後も最初は良い感じだったが、ちょっと残念だったのが、3年目すぐに極がフリーになりたいと言い出してしまったこと。本人は当時「甘えが出るから」と理由を説明していたが、今でも判断が早かったんじゃないかと、私も悔やむところがある。
結果的には、フリーになって100勝を超えて減量が無くなった辺りから、明らかに騎乗数も勝ち星も伸び悩んでしまったからね。もう少し清水久詞厩舎にいた方が、本人のためにもなったんじゃないかな。
ただ、今年はジャンダルムで重賞初勝利、G1初勝利を達成して、勝ち星もここ数年の減少傾向から盛り返しているようだ。せっかくG1を勝てたのだから、これをキッカケに目立つ存在になってもらいたい。
日曜日は阪神で4鞍。10Rの
コーラスケイトは今まで武豊やルメールが乗っていた馬で、こういう乗り替わりはモノにしたいところだね。
月曜日は京都大賞典の1鞍。
ディアマンミノルは去年の京都大賞典でも騎乗して4着だった。G1ジョッキーとなった今なら去年以上の結果もあるかもしれない。
日曜の騎乗一覧と評価
レース | 条件 | 馬名 | 評価 |
阪神1R | ダ1800m | ビッグボスマサムネ | B |
阪神5R | 芝1800m | オルタード | B |
阪神10R | ダ1800m | コーラスケイト | A |
阪神12R | ダ1200m | ペイシャリルキス | C |
先週のスプリンターズSは、結果そのものについては説明の難しいレースになってしまったね。
人気の各馬はあまりにも不甲斐なかったし、馬場の内目が有利で…といった論調も世間的にはあるようだけど、ここまで決定的にレースに影響が出るものか、簡単に結論を出すべきではないんじゃないかな。
ただ、そんな中で荻野極騎手が初めてのG1勝利となったのは嬉しいことだし、荻野極、松山、丸田で結果的には私の教え子によるワンツースリーとなった。
この結果を見て、ふと考えたことがある。今年の重賞は、今までになく私の教え子、つまり競馬学校19期生より下の世代だけで上位を独占するレースが多くなったような気がしていたんだ。
それで実際に週明けに自分で調べてみると、
2020年の重賞(平地のみ、以下同じ)は全129戦のうち、教え子によるワンツースリーが14回。
2021年の重賞は全130戦のうち、教え子によるワンツースリーが12回。
ところが、今年2022年は、95戦を消化した時点で、もう教え子によるワンツースリーが22回もあったんだ。
(中山金杯、小倉大賞典、オーシャンS、フラワーC、高松宮記念、アーリントンC、アンタレスS、福島牝馬S、マイラーズC、平安S、函館SS、CBC賞、ラジオNIKKEI賞、プロキオンS、中京記念、アイビスSD、関屋記念、北九州記念、小倉2歳S、新潟記念、オールカマー、スプリンターズS)
確かに、今年は川田と横山武史が東西のリーディング。岩田望来ら35期生が4年目のシーズンにして重賞でも当たり前に騎乗するようになったし、全体的に若手世代が伸びてきて、世代交代が進んでいる印象は持っていた。
教え子による重賞ワンツースリーが増えてきたというのは、世代交代が進んでいることの一つの象徴的な出来事なのかもしれないね。
ちなみに、22回の教え子ワンツースリーの中身を見てみると、短距離重賞で起こることが多かったようだ。G1で教え子ワンツースリーになったのは高松宮記念とスプリンターズSだけだし、サマースプリントシリーズでも4回教え子ワンツースリーがあった。
もしかすると、このことに早く気付いていたらスプリンターズSも教え子たちのボックス買いで大万馬券が簡単に獲れたのかもしれないね(笑)
これは私にしかできない馬券術だと思って、これからはさらに教え子たちを応援していこうかな(笑)
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