元教官・蓑田早人の蓑田塾
スプリンターズSは3強!?
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こんばんは。蓑田です。
スプリンターズSでシュネルマイスターに騎乗する
横山武史騎手。
シュネルマイスターはルメールが主戦を務めてきた馬だが、これまでもルメールが乗れないタイミングでは武史が手綱を取ってきた。
昔は同じ厩舎に所属している騎手たちの中で、開催場所やそれぞれの都合に応じて同じ馬に順繰りに乗り替わったりしていたけど、シュネルマイスターのルメールと武史の乗り替わりも形がハッキリしている。
武史は先週の競馬で年間100勝に到達し、通算400勝も同時に達成。今のところ自己最高の全国リーディング2位に付けていて、もうトップジョッキーと呼んで異論は出ないだろう。
気にしているファンが多いのは「今年は重賞勝利が少ない」という点かもしれないけど、私が見る限りでは重賞やG1の時だけ乗り方が変わっていたりミスしたりということは無い。
むしろ、G1を5勝もした去年が上手くいきすぎていただけで、本来は重賞もG1も、どの騎手も必死に勝とうとするんだから一人だけがポンポン勝てる訳じゃないんだよ。
そんなタイミングでオールカマーのジェラルディーナを勝たせたし、武史が重賞を勝てないからと秋競馬の騎乗馬の質が落ちているということもない。厩舎やオーナーはあまり気にしていないと思うよ。
それにしても、今年は川田と武史でリーディング争い。私の直接の教え子たちがリーディング上位の多くを占めるようになり、本当に時代が変わってきたと感じるね。
それでも私からすると川田も武史も藤岡康太も望来も、自分の生徒という気分が抜けないというか、未だにレースを見ていると心配になってしまうんだよ。実際のところ、もう私が心配するようなことはないんだけどね(笑)
さて、スプリンターズSは武史が乗るシュネルマイスターに加えて、メイケイエールとナムラクレア。人気3頭ではあるけど、この3頭はどれも他とは能力が違うしそれぞれ調教もかなり良く見えた。勝ち馬はこの3頭のどれかだろう。
ナランフレグやテイエムスパーダが一角崩しの2~3着候補。ウインマーベルは松山が乗っているから応援したいけど、やや調教が微妙だった。大穴なら絶好調の丹内が乗るメイショウミモザかな。
スプリンターズS以外でも武史は良い馬に乗っている。今年の立場と、凱旋門賞で川田、ルメールらがいないことを考えれば当然だけどね。
12Rの
メイショウヒューマは能力上位の関西馬。スプリンターズSの後なので、結果に応じてどうするか考えてみようかな。
日曜の騎乗一覧と評価
レース | 条件 | 馬名 | 評価 |
中山1R | ダ1200m | サトミノココロ | B |
中山2R | 芝1600m | フラミニア | B |
中山4R | ダ1800m | インヴァリアンス | B |
中山10R | 芝1800m | ゴーゴーユタカ | A |
中山11R | 芝1200m | シュネルマイスター | A |
中山12R | ダ1200m | メイショウヒューマ | A |
先週のオールカマーは応援していた伊藤工真騎手とロバートソンキーが強敵相手に2着。冷静に内から抜け出してきたし、人馬ともに良い競馬をしたと思うよ。
デアリングタクトやテーオーロイヤルなどは案外だったけど、ペースも遅かったし外を回る形が堪えたのかもしれないね。
とはいえ、実績上位馬は叩き台と割り切ればいいし、本当に賞金、結果が欲しかったジェラルディーナやロバートソンキーが上位にきたのはこの時期のG2らしいところかもしれない。
ロバートソンキーに話を戻すと、やや他力本願なタイプではあるが、今回は坂を上がってからの伸びが特に目を引いた。中山だけでなく阪神や東京でも良さが出そうだし、伊藤工真とともに重賞勝利という瞬間もそう遠くはないかもしれないね。
さて、今週は秋のG1開幕ということで中山でスプリンターズS、さらにその後の夜には凱旋門賞も行われる。
凱旋門賞は10戦無敗バーイードの走りを楽しみにしていたが、回避という形に。それはそれで残念だが、日本馬にチャンスが出てきたことは確かだと思うよ。
日本馬4頭に順位を付けるならタイトルホルダー、ドウデュース、ディープボンド、ステイフーリッシュの順番だけど、話しておきたいことが多いのはドウデュースについて。
今年の3歳世代のダービー馬だけに、能力的にはドウデュースに一番チャンスがあると思っていたんだ。ただ、気になるのは当日の馬場状態と、前走ニエル賞の負け方なんだ。
ニエル賞は叩き台という雰囲気であまり仕上がりも良くなさそうだったし、使った効果でしっかり本番の凱旋門賞に向けて態勢が整っていればいいんだが…。
気になったのはレース後のコメント。手前を換えなかったという話については、武豊ともあろう騎手がそんなミスをするのかと不思議に思ったね。何かを試そうとして敢えて右手前のままにしたのか、それとも手前を換えるのも苦しがるくらい馬場が合っていなかったのか。
中間の調教のレポートなんかでは手前を換えることについても話していたようだけど、元々手前を換えるなんてことは、騎手が指示してあげれば普通にできること。とにかく、本番の凱旋門賞でニエル賞の負けをどう活かしてくるかに注目しているよ。
タイトルホルダーは実力さえ出し切れば。ひとつ心配なのは、ハナを切る形になった時に初めてのロンシャンで物見したりしないかという点。ヨーロッパの他の馬にテレビ馬みたいな大逃げ馬がいて、その馬を前に見ながらの2番手なら集中しやすいけど、おそらく向こうにはそういうタイプの馬はいなさそうだからね。
ディープボンドも去年は参考外だし、ポテンシャル的には一発があっていい。ステイフーリッシュだってルメールがスプリンターズSを諦めて乗りに行ってるんだからノーチャンスではないと思うよ。
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