元教官・蓑田早人の蓑田塾
強い絆が重賞Vを呼ぶか!?
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こんばんは。蓑田です。
CBC賞を驚異的なレコードで制して
北九州記念に続戦してきた
テイエムスパーダ。
CBC賞では48キロという斤量もあって今村聖奈騎手が騎乗したが、今回は元々主戦だった
国分恭介騎手に戻る。
これは、元の形に戻ったと言えばそれまでだが、話題の今村を乗せて重賞初騎乗初勝利&日本レコードなんて偉業を達成してしまったら、次も乗せ続けようという話になって何の不思議もない。
そこをしっかり恭介に戻したというのは人情だね。オーナーの竹園さんもそういうところを大事にしてくれる人だし、恭介の師匠でもある五十嵐忠男調教師もそう。
思い返せば、恭介が初めて重賞を勝ったのが五十嵐厩舎のテイエムオーロラだった。その時からはもう10年以上経っているが、テイエム、五十嵐師、恭介という絆がしっかり保たれている。
国分恭介、国分優作が双子というのは誰でも知っていると思うが、この二人、性格は真逆と言っていいくらい違うんだよ。兄の優作はとにかく優しくて、弟の恭介は気が強くて負けず嫌い。
二人が競馬学校の試験を受けていた時、両親への面接の際に「もしも片方だけが合格するような形になったらどうしますか?」と質問してみたということがあってね。
その時、両親は「もし一人しか入れないなら優作を合格させてほしい。優作は一度落ちたら諦めてしまうけど、恭介は気が強い子だから落とされても何度でも挑戦するはず」と答えてくれてね。結果的には二人とも合格して一緒に学校に入ったんだけど、二人の性格の違いが分かるエピソードとして今でもよく覚えているよ。実際に学校に来てからもその通りの対照的な二人だったからね。
あとは、恭介はそういう性格もあって合わない人もいて…。実は、元々は五十嵐忠男厩舎ではないところに所属する予定だったのが、研修にいってしばらくして厩舎の方から「この子は預かれない」と言われてしまったんだ。
それから私も色んな厩舎をあたって、経緯を説明した上で、それでも預かってくれるところを探していたんだが、そこで受け入れてくれたのが五十嵐師だったんだよ。私当時のことはも感謝しているし、恭介はもっと恩義に感じているはずだよ。
恭介が五十嵐厩舎の馬で重賞を勝てばテイエムオーロラ以来。前走で勝たれてしまったというのもあるし、自分の手でも重賞を勝たせたいと相当な気合が入っているはずだ。
日曜の騎乗一覧と評価
レース | 条件 | 馬名 | 評価 |
小倉6R | ダ1000m | テイエムキバイモン | A |
小倉7R | 芝1200m | モズジャックポット | C |
小倉8R | ダ1700m | ヒロノクイーン | B |
小倉11R | 芝1200m | テイエムスパーダ | A |
先週の小倉記念で重賞初騎乗を果たした松本大輝騎手とピースオブエイト。
初めての重賞で5着なら立派と言われるかもしれないが、私の目からすると、ちょっと淡泊だったというか、勝ちにいく、勝負しにいくという姿勢が無かったように見えた。目立つミスもなかったけど、自分の力で勝たせてやろうという形にはならなかったね。
そうはいっても2年目で初めて重賞に乗って、しかも上位人気だった馬。今後に向けて良い経験になったんじゃないかな。そういえば、今村聖奈騎手も土曜日の新馬戦を圧勝してG1騎乗が可能な31勝目に到達していたな。
さて、今週は札幌記念。あまり気合を入れて馬券を買うようなレースではないかもしれないが、秋に向けては本当に楽しみなメンバーが揃った。
個人的には、展開のカギを握るのはジャックドールだと思っているんだよ。パンサラッサは絶対に速いペースで行くだろうから、ジャックドールと藤岡佑介騎手は2番手でいいだろう。
佑介の腕の見せ所はそこから。パンサラッサとどれくらいの差を保ってレースを進めていくか。理想は3~4馬身差の2番手で、自身も逃げているような格好で進めていくこと。ただ、ペースも考えないといけないし、パンサラッサをずっと放っておくのも危ない。
おそらくすぐ後ろにはソダシがいて、向こうも早めに仕掛けてくるはず。2番手のジャックドールと佑介は考えることが多くて難しい立場だけど、裏を返せば自分が上手くやればレースの主役になれるということ。今年の札幌記念はこの辺りに注目しながら見ていきたい。
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