元競馬学校教官・蓑田早人の蓑田塾

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固め打ち間違いなしのラインナップ!

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こんばんは。蓑田です。

先週注目の騎手として取り上げた坂井瑠星騎手はダービー裏の中京で期待通りに1日4勝の活躍を見せてくれた。来年は矢作厩舎の期待馬を任されてダービーに乗れるくらいになっているといいね。

今週も同じようなパターンで、安田記念に乗らずに裏の中京で多くの有力馬の依頼を受けている松山弘平騎手に注目したい。

今年は3月に落馬があって1か月ほど休んでいた期間があったが、復帰後は平安Sのテーオーケインズと葵Sのウインマーベルで重賞2勝。去年の130勝に届くかどうかは微妙だが、今年のうちに節目の通算1000勝を達成する可能性はありそうだ(現在931勝)。

松山については以前にも何度か話しているが、レースぶりに関しては冷静で、ソツ無く乗っていて、捌きが上手い、というのが良いところだよ。派手さはないが、しっかり馬の力を引き出せている。

ただ、落馬したレースは松山に限らず騎手としてやってはいけないミスだったね。阪神の芝外回りはあそこで内に突っ込みたくなるが、無理をするとああいう事故が起こるのは明らかだし、常に気を付けないといけないところ。

しかも、あのレースは一度内に行こうとしてためらったのに、結局もう一度内に行ったからね。馬はそこまで器用じゃないから、なおさらああいうことになってしまった。もし内で勝負を掛けるなら、もっと早く決断して真っすぐ内に走らせるべきだった。躊躇した時点で、もうあのレースは我慢しないといけなかった。

あの落馬の後は、他の人からも状況を聞いて、2、3日後にやっと電話ができたんだが、元気そうだった割に、記憶がまだボンヤリしているって言っていたよ。体はピンピンしていたが頭を打ったということで復帰まで時間が掛かってしまった。ただ、焦らず休んでいたおかげか、今のところ騎乗に影響の出るような後遺症などはなさそうで良かったよ。

日曜は中京で10鞍。先週の瑠星と同じように、G1裏なら固め打ち間違いなしという状況だ。

メインレースのチェーンオブラブは海外遠征で瑠星が乗っていた馬。先週のエントシャイデンと同じく海外帰りの一発がありそうだ。

馬券的には面白くないかもしれないが、9Rのボルドグフーシュは確実に勝たせないといけないレベルの馬。これは松田が中京にいるのに松山に乗り替わっている。

6Rのウインヴェルデは松山が若手の頃に活躍していたドリームバレンチノの弟らしいね。ドリームバレンチノも芝ダート両方で活躍した馬だし、この芝替わりと松山への乗り替わりが良い方に出れば。


日曜の騎乗一覧と評価

レース条件馬名評価
中京2Rダ1800mゴールドウィッチB
中京3Rダ1900mリリーアローA
中京5R芝1400mナゲットモンスターA
中京6R芝1600mウインヴェルデA
中京7Rダ1800mヘラルドバローズA
中京8Rダ1400mモズリッキーA
中京9R芝2200mボルドグフーシュA
中京10R芝2000mプライムフェイズA
中京11Rダ1200mチェーンオブラブA
中京12R芝1600mクァンタムレルムB


今年のダービーを獲ったのは武豊騎手とドウデュース。オークスに続いて、私が一番期待していた馬が勝ってくれた。

オークス、ダービーは2、3着も含めて自分でも出来すぎだと思っているが、やはりこういう大きなレースで良い見極めができると気持ちがいいね。

ドウデュースは今回のレースぶりを見ても、皐月賞が良い教訓になったんだろう。負けはしたが、あれだけ脚を使えることが分かったことで、ダービーではあの位置からでも落ち着いて乗ることができた。ジオグリフとダノンベルーガがすぐ前にいたのでレースもしやすかったはずだよ。

仮に弥生賞、皐月賞で好位から勝ちに行く競馬をしていたら、ダービーではイクイノックスやダノンベルーガの目標にされる競馬になって負けていたかもしれない。クラシック戦線で全てのレースを勝ち続けるのは難しいが、皐月賞を布石にしてダービーという頂点を獲った武豊は凄いよ。

イクイノックスは2着だったが、この世代で能力的に一番強いのはこっちだろうと感じたね。後々にはイクイノックスの方が凄い成績を残している可能性も十分にあるよ。

レースはドウデュースよりさらに後ろからだったが、枠順や他の有力馬の動きからすると、あの競馬をするしかなかったね。半端に位置を取りに行って1~2コーナーでロスをするのが一番まずかった。

アスクビクターモアはとにかく田辺が上手く乗ったし、展開も良かった。ダノンベルーガも現状の力は出し切っているんじゃないかな。イクイノックスと同じく秋以降に期待したい。

さて、今週は連続G1の区切りとなる安田記念。この春のG1はずっと混戦模様だけど、これが一番難しいレースじゃないか。

格は一番というシュネルマイスターはやはり状態面。これは当日の体重を見ないと結論が出せないが、太目が残っているようなら半端に紐に入れずに、バッサリ切ってしまってもいいと思っている。いずれにせよ、今回は勝つかボロ負けかというイメージだね。

代わってどの馬が本命というのも決めづらいところだが、一応イルーシヴパンサーが一番信頼できそうだ。田辺がしっかり競馬を教えてきたのが実っている。

ファインルージュも前走はあの不利があって2着だから侮れない。同じくヴィクトリアマイルで良いところがあったレシステンシア、立ち直っていれば能力は足りるダノンザキッド辺りもいい。

ナランフレグは追い込み一手の馬なので距離はあまり気にしなくていいと思っている。あとはマイル路線の馬との力関係と、展開が嵌まるかどうか。セリフォスは調教の動きだけなら今回のメンバーで一番だった。これも古馬相手のG1で能力的にどうかだけだろう。


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蓑田早人・プロフィール

卓越した騎乗技術を武器に、騎手として北海道などローカル開催を中心に活躍。引退するまで、日本騎手クラブ副会長を務めるなど騎手の地位向上にも尽力。その後、競馬学校の専任教官へ就任(石橋脩騎手ら第19期生より指導を担当)。川田将雅騎手、松山弘平騎手をはじめ、吉田隼人騎手、三浦皇成騎手、藤田菜七子騎手など教え子が多くいる。

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