元教官・蓑田早人の蓑田塾
こんなに不安が無かったというのは初めて
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こんばんは。蓑田です。
JRAでは現役4人目の女性騎手ということになる
今村聖奈騎手。
初日は5鞍に騎乗して8、4、3、10、6着という成績だったが、そこまで課題の残る内容ではなかったように見えた。最終レースはちょっと焦ってしまった感じだったけどね。
学校生活の頃の印象だと、今まで私が携わってきた女の子の中では一番シッカリしていたね。こんなに不安が無かったというのは初めてだった。
やっぱり、菜七子や去年の永島、古川は騎手とやっていけるかどうか、心配になる部分というのがどうしてもあった。それと比べると、心配することなくデビューを迎えられるというだけで凄いよ。
今週映像で見た追い切りの騎乗では以前よりも膝の位置が悪くなっているのが気になったけど、それでもトレセンでは騎乗フォームや調教の上手さを褒められているようだね。
性格的にもトレセンで臆せずやっていけそうだし、女性騎手で一番と言えるような成績を目指して頑張ってもらいたいね。
あとは実際の競馬に行ってどこまで対応できるか。初日の競馬を見る限り、そこも大きな心配は必要ないだろうけど、しっかり実際のレースの流れに慣れながら、まずは1つ勝って緊張を解いてもらいたい。
日曜日も5鞍に騎乗。初勝利があるとしたら
2Rの
ヒラボクロマネか
8Rの
サウンドプリズムだろう。
ヒラボクロマネは所属する寺島良厩舎の馬。前走2着の後は、このタイミングで乗せるために厩舎からオーナーに頼み込んでここまで待ってもらったそうだ。
サウンドプリズムは前走が終わった時点で次は今村を乗せると決まっていたらしく、今回に向けて松山と武英智調教師と一緒にパトロールビデオを見ながら色々と勉強していたらしい。
どちらの馬も、せっかく4キロ減なのだから、まずはスタートを決めて前に行くこと。最初は馬群を捌くとかペースを読むとか難しいことを考えるより、減量を活かして新人らしい積極性を見せたいところだね。
日曜の騎乗一覧と評価
レース | 条件 | 馬名 | 評価 |
阪神1R | ダ1400m | ワイルドベティ | C |
阪神2R | ダ2000m | ヒラボクロマネ | A |
阪神5R | 芝2200m | エンドウノハナ | C |
阪神8R | ダ1200m | サウンドプリズム | A |
阪神12R | ダ1200m | オンリーワンスター | B |
今週から新たに10人の騎手がデビューするが、さっそく角田大河騎手がやってくれたね。
デビュー初騎乗となった阪神1Rをメイショウソウゲツで勝利。昨年の阪神1Rでは小沢大仁騎手がメイショウホタルビで初騎乗初勝利を達成したので、勝負服も含めてそのことを思い出したが、大河はさらに凄かった。
続く2Rもメイショウトールで勝って、なんとデビューから2連勝。これは福永祐一騎手のデビュー以来、26年ぶりの快挙だそうだ。
やはり、基本的には関西の方が新人を大事にする下地があるし、こうやって最初から勝負になる馬を回してくれる。メイショウさんも理解があるんだろうね。
そして、大河の場合は父が元騎手の角田晃一調教師で、所属が石橋守厩舎。初勝利を挙げたメイショウソウゲツは本田優厩舎の馬で、メイショウトールが所属の石橋守厩舎。日曜日は角田晃一師が騎手の晩年に所属していた松永昌博厩舎の馬にも乗る。
つまり、デビュー週に良い馬を用意してくれた先生は騎手時代から栗東所属で繋がりがあった人たち。角田晃一や石橋守から新人騎手のためだからと頼まれたら、それに応えるのが栗東の風土なんだろう。兄の角田大和も最初はかなり良い馬に乗せてもらっていたが、初日からこの活躍を見せられたら火が付きそうだ。
今年デビューの38期生は角田大河の他、今村聖奈、大久保友雅、川端海翼、鷲頭虎太、佐々木大輔、土田真翔、西塚洸二、水沼元輝の9人。水沼は37期生として入学して、1年卒業が遅れたんだが…。
あとは異例の形でJRA入りを果たした小牧加矢太。私は教官時代に彼を面接していて、結果的には体格の問題で合格させられなかったのだが、こうやって改めて騎手になる道を切り開いたのは本当に素晴らしいことだと思う。障害専門ということでデビューは少し先になりそうだが、個人的には彼にもとても注目しているよ。
せっかくなので、しばらくは38期生について私の知っていることや印象を話していきたいと思う。もう直接指導した世代ではないが、生徒の頃から関わっている子たちではあるからね。
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