元教官・蓑田早人の蓑田塾
G1を狙えるようなお手馬に巡り会えれば…
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こんばんは。蓑田です。
先週の京都牝馬Sでやっと重賞を勝つことができた
岩田望来騎手。
今までも言ってきた通り、騎乗技術や乗っている馬のレベルからすれば、いつ勝っても当然というところだった。これで外野からの余計な声も収まるだろうし、余計な意識がなくなって今後はもっとポンポン勝っていけるんじゃないかな。
土曜日の阪神でもメインの仁川Sを含む4勝を挙げて、今年27勝でリーディング3位。今週はリーディング2位・30勝のルメールがサウジに行っていて不在なので、日曜の頑張り次第では川田に続くリーディング2位に浮上する可能性もある。
これでG1を狙えるようなお手馬に巡り会えれば、それこそ去年の横山武史のような大活躍が見られるかもしれないね。
阪急杯ではグレイイングリーンに騎乗。1400mでは底を見せていない面や、望来が重賞を勝ったばかりで注目されていることで上位人気になっているが、正直あまり調教の動きはパッとしなかった。応援はしたいけど、阪急杯は別の馬から考えようと思っている。
望来の父でもある岩田康誠騎手は1週前はクリノガウディーの追い切りに乗っていたが、今週はダイアトニックの追い切りに乗ってレースでもダイアトニックの方に騎乗する。これは気になるところだね。
望来の狙い目はメインの後、
12Rの
サトノムスタング。前走からコンビを組んでいる関東馬だが、長期休養明けのレースを使った上積みが大きそうだ。
あとは、既走馬相手のデビュー戦になる
3Rの
トランキリテも今の未勝利では全く力が違うんじゃないかと期待させる動きをしている。こちらは人気もなさそうなので、当日の雰囲気次第で楽しみ。
日曜の騎乗一覧と評価
レース | 条件 | 馬名 | 評価 |
阪神1R | ダ1200m | ユーコバローズ | B |
阪神2R | ダ1800m | ヒーセドシーセド | C |
阪神3R | ダ1400m | トランキリテ | A |
阪神5R | 芝2000m | シゲルツキミザケ | C |
阪神6R | ダ1400m | ロードグリュック | C |
阪神7R | 芝1800m | スズカローレル | C |
阪神8R | ダ1800m | ラボンダンス | B |
阪神9R | 芝3200m | ベスビアナイト | A |
阪神10R | 芝1200m | エテルナメンテ | B |
阪神11R | 芝1400m | グレイイングリーン | B |
阪神12R | ダ1400m | サトノムスタング | A |
今週は2月の最終週ということで、競馬界は引退の季節。今年は美浦で6人、栗東で1人の調教師が定年引退となる。
今年引退する先生たちの中で、特に印象に残っているのは藤沢和雄師と浅見秀一師だね。
藤沢師については、競馬界における功績はもはや私がここで語るまでもないが、騎手の育成ということについても熱心な人だった。
私が教官をしていた時期には塚田祥雄、杉原誠人、木幡育也と3人の騎手を藤沢厩舎に預けたが、これは藤沢師の方から教官だった私のところへ「良い子がいたら3年に一度くらいは面倒見るから声を掛けて下さい」と言ってくれたからなんだ。さすがに3年に一度のペースとはいかなかったけどね。
土曜日は杉原がメインレースでレッドクレオスに騎乗して人気薄ながら5着。そして日曜日は中山記念で木幡育也がレッドサイオンに、元所属の北村宏司がゴーフォザサミットに騎乗する。勝ち負けとは言わないが、師匠に心配させないように、最後に良い騎乗を見せてもらいたい。
浅見秀一師には、父の浅見国一元調教師と親交があった縁でよくお世話になったね。
浅見秀師も新人騎手の受け入れに積極的で、私の時には田中健と鮫島克駿の二人を預かってもらった。克駿は最後まで浅見秀一厩舎に所属して、去年は69勝と立派にひとり立ちできる成績を残してきている。日曜日は阪急杯のトゥラヴェスーラに乗るために主戦場にしていた小倉を離れて阪神へ。日曜は浅見厩舎の馬への騎乗はないが、こちらも最後に師匠に良いところを見せられるといいね。
ちなみに、私は周りに言わずに騎手を引退したので、この時期に引退の話でニュースになったり、ご祝儀と言われるような馬に乗ることもなかったんだが、唯一引退のことを知っていた根本康広調教師が、最後にこれに乗りなよと馬を用意してくれたんだ。2000年1月、サンライズSのワンダーガール。
このコラムでも丸山や菜七子の話をしたときに触れたことがあったと思うが、騎手出身だけあって、本当にそういう優しさに溢れる人ですよ。
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