元教官・蓑田早人の蓑田塾
2022年も教え子たちの活躍を願って
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明けましておめでとうございます。蓑田です。
2年目を迎える37期生の中で、今年伸びてくるんじゃないかと特に注目しているのが
横山琉人騎手。
1年目は9勝で、活躍していた他の同期たちと比べると目立たなかったけど、技術的には全く見劣るところはないんだ。
最初のころに乗り馬に恵まれずアピールに失敗したのと、夏の北海道開催で軌道に乗りかけたところで怪我をしてしまったのが勿体なかったね。
それでも秋以降は徐々に美浦の関係者に認められて色々な厩舎の馬に乗るようになってきたし、2022年最初のレースで勝ったのも良いアピールになった。
仮に騎乗馬の量と質が同じなら小沢や角田、永野と同じくらい勝てる腕はあると思っているし、2年目の飛躍を期待したいところ。そのためにも、最初の1~2か月、次の新人がデビューするまでが一つの勝負かもしれないね。
日曜日は中山で6鞍。
3Rの
イカロスは武藤雅の怪我で回ってきた馬だが、ダート短距離の逃げ馬でいかにも3キロ減が効きそうなタイプ。これはモノにしておきたい。
月曜日は珍しく中京で乗っていて、これは
6Rの
エテルナメンテのための遠征。自分で未勝利を勝たせて、昇級戦の前走も3着。関西馬相手なので相手関係は難しいけど、しっかり自分の競馬をしてきてもらいたいね。
日曜の騎乗一覧と評価
レース | 条件 | 馬名 | 評価 |
中山1R | ダ1200m | ハクサンパール | B |
中山2R | ダ1800m | ノアペルーサ | C |
中山3R | ダ1200m | イカロス | A |
中山5R | 芝1600m | ノアチェリー | C |
中山10R | 芝1600m | ホウオウカトリーヌ | C |
中山12R | 芝1600m | エメラルスター | C |
昨年から始めさせてもらったこのコラムも、早いもので2年目を迎えることになりました。これもひとえに私の話を読んで下さっている皆様、支えてくれている方々のおかげ。2022年も引き続き、同じ調子でよろしくお願いします。
それにしても、2021年は競馬学校の教官だった私がこういうことを始めるにはちょうどいいタイミングだった。
というのも、新人の37期生が小沢大仁、永野猛蔵を筆頭にハイレベルな活躍を見せてくれたし、私の教え子としては最も活躍している川田将雅は勝率.285でルメールを上回り最高勝率騎手になり、日本人騎手初となるブリーダーズカップ勝利も果たすなど国内外で大活躍。
そして、何といっても横山武史だね。昨年のコラムでも「私が今年の騎手のMVPを選ぶとしたら、ダントツで横山武史騎手」と書かせてもらったが、その後で期待通り有馬記念を勝って、ホープフルSまで勝って、2021年最後のレースでJRA通算300勝も達成。勝利数だけならまだまだルメールや川田、福永が上だけど、2021年の競馬での存在感といったら武史が一番だったと思うよ。
武史のこととなると、有馬記念の前日の一件は私の立場からも少しは触れておかないといけないかな。あれは当然絶対にやってはいけないことだし、しっかり反省しないといけない。
ただ、騎手をしているとああいう出来事は巡ってくるものでもあってね。私も現役時代に同じようなことがあり、その時は着順が変わらなかったから大きな問題にはならなかったけど、一度そういう経験をした後は油断することが一切なくなった。だから武史も若いうちに一度失敗したことで、今後は絶対にああいうことはしなくなると思うよ。
そして、あの後で武豊など先輩の騎手たちが有馬記念の日の立ち振る舞いとかインタビューに関して武史に助言をしていたという話も聞いて、困っている若手騎手を上が支えてあげる土壌ができていることにも感心したよ。昔はもっとピリピリというか、ライバルを蹴落としたりという空気がないこともなかったというか…。これは間違いなく今の方が競馬界のためになるだろうね。
という訳で、あの騎乗はもちろんダメなことだけど、ある意味では今後のさらなる飛躍に向けて、良い財産になる失敗ということになるかもしれない。ヴァンガーズハートは次の中山でもう一度武史を乗せると聞いているけど、今度はしっかり勝たせてやらないとね。
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