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元教官・蓑田早人の蓑田塾

私が騎手のMVPを選ぶなら…

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こんばんは。蓑田です。

今年の競馬も残りわずか。野球界では水曜日にMVPや新人王の表彰があったが、私が今年の騎手のMVPを選ぶとしたら、ダントツで横山武史騎手だね。

勝利数などの数字ではルメール、川田といったところには及ばないが、今年は本当に武史にとって飛躍の1年になったし、成績以上に今年の競馬界で目立っていた。それはファンの皆さんも実感しているところだと思う。

去年までは勝ち星こそ伸ばしていたけど重賞は1勝だけだったが、今年だけでG1を3勝。有馬記念にはエフフォーリアがいるし、その後のホープフルSでは怪我をしてしまった福永騎手の代打でキラーアビリティに乗るようだね。

今年はシュネルマイスターやタイトルホルダーなど、“○○騎手が乗れないなら武史にしよう”という形で有力馬が回ってくる場面も多かったように思う。これは関係者に一流の騎手として認められている証だよ。慢心しなければ、来年以降も成績が落ち込むことはないだろう。

今や関東では一番信頼されている騎手。大きい舞台での活躍だけでなく、毎週勝つ、毎日勝つというのを当たり前のように続けているのも大きいよ。

今年は勝率も13％台。私が教官として生徒にいつも話してきたのが「勝率10％、連対率20％、3着率30％、そこを超えるようになればトップジョッキーだから、それを目指せ」というもの。ルメールや、今年の川田は別格として、武史も十分よく頑張っている。

ルメールや川田はダメな馬には最初から乗らないから率は上がるけど、武史はまだまだ若手だし、選り好みせずに沢山乗るのも大切なことだからね。

今年に入っての成長というと、ソツが無くなったこと。まだ少し荒い面はあってたまに怖いけど、騎手としての自信が付いたことでレースを自分のモノにできているよね。

やっぱり皐月賞を勝ったことも大きかったんじゃないかな。G1を勝つという経験は本当に大きいし、その前と後ではガラっと変わってくるものだよ。

その前に、2019年のダービーに乗ったことも今の成長に繋がっている。G1に初めて乗る、G1を初めて勝つという経験は大きいけど、ダービーだけはG1の中でも別格。私もそうだったけど、ダービーに乗った後では、他のレースに対する緊張が全然無くなったね。ダービーを経験すれば、有馬記念も天皇賞も全然だよ。

来年も武史なら大丈夫だと思うけど、考え過ぎないようにだけ。さらに注目されるようになると思うけど、立場が変わっても今までと同じようにやって欲しい。考え過ぎるのがスランプに繋がるので、自然体のままでレースに臨み続けること。

土曜日の競馬で99勝を挙げて、自身初の年間100勝にもリーチが掛かった。日曜日はG1裏の中山で多くの有力馬に乗っているので、ここでの100勝到達はほぼ確実だろう。

日曜最初の騎乗となる2Rのオクトニオンで100勝を決める可能性も十分。この馬は朝日杯FSに乗りに行く戸崎騎手からの乗り替わりだが、こういう馬が回ってきて、それでしっかり結果を出していることが今年の勝利数に繋がっている。

前走は馬込みを気にする面を出して人気を裏切ってしまったようだけど、今週の追い切りに乗って癖は確認しているようだ。そういう馬なので外枠も良さそうだね。

日曜の騎乗一覧と評価

レース	条件	馬名	評価
中山2R	ダ1800m	オクトニオン	A
中山3R	芝1800m	アレグロモデラート	A
中山5R	芝1600m	スコール	B
中山6R	ダ1200m	スコラーリ	A
中山7R	芝1600m	タッカーシルバー	B
中山8R	ダ1800m	フローズンカクテル	A
中山10R	ダ1800m	エマージングロール	A
中山11R	芝1800m	アドマイヤハダル	A

おまけで朝日杯も個人的な狙いを少し。ジオグリフ、セリフォスは順当に走ると思うけど、穴っぽいところで気になるのがアルナシーム。東スポ杯はハミ受けがおかしかったからね。ああいう負け方をした馬はしっかり対策を取れば巻き返してくると思うんだ。

馬体重も輸送があってプラス20キロだったからね。当日のパドックや馬体重はチェックしておくべきだけど、前走は度外視して穴に狙ってみたい。

実は、朝日杯は私が初めて勝った重賞。だから、毎年朝日杯FSにはちょっとした思い入れがあるんだよ。騎手になって2年目くらいの時で、オンワードガイで勝ったんだ。いい経験になったよ。当時は朝日杯3歳Sという名前で、G1格付けも無かったんだけどね。


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