元教官・蓑田早人の蓑田塾
ブランクの影響なし!
※蓑田塾では、ユーザーからジョッキーに関する質問を募集いたします。
質問の宛先はコチラ!→ info@umasq.jp
たくさんの質問をお待ちしております!
こんばんは。蓑田です。
今週こそは復帰初勝利があるんじゃないかと応援したいのが
松岡正海騎手。
先週の競馬が終わった後に電話で連絡を取ったが、本人は「意外と大丈夫でした」「思ったよりも最初からしっかり乗れました」と前向きに話していたよ。実際、レースを見ていても乗り方に違和感は感じなかったし、スタートなどの勘も悪くなかったからね。
土曜日は2桁人気の馬2頭だけだったので結果はともかくとして、以前から聞いていたのが「2週目の福島で良い馬に乗せてもらえそうです」という話だった。
日曜日は4鞍だが、1Rが『サン』の加藤ステーブルのサンハンニバル、8Rと10Rが『ウイン』のウインリブルマンとウインマーベル、そして福島記念が『マイネル』のマイネルファンロン。サンツェッペリン、マイネルキッツ、ウインブライト。どれも松岡が自身の行動力で縁を作り、大きなレースで結果を出したオーナーだ。
先週の続きで少し昔話をすると、松岡は学校に入りたての頃から、とにかく負けず嫌いだった。私が教えてきた生徒の中でも一番の負けず嫌いだったんじゃないかな。
未経験で入ってきたので最初は試験でも毎回良い点数が取れなかったんだが、そのたびにどこが悪かったんだとか、なんでアイツより点数が悪いんだとか、後でしつこく聞いてきたりしてね。それで、最後には毎回「ジョッキーになったらアイツらには負けません」って言うんだよ。ある意味、騎手にとって一番大事な資質をその頃から持っていたね。
あとは、野球をやっていた影響で、騎手にとっては良くない形で腰が強くてね、もっと柔軟性が必要な動きのところで、なまじ体が強いので我慢できてガチガチした動きになったりしていたんだ。それで、乗り方の癖がどうしても抜けないので所属予定の前田禎調教師と親しかった坂井千明に頼んで、研修に行っている間に技術を叩きこんでもらったんだよ。
そしたら全体的に見違えるように上手くなったが、何でもかんでも坂井千明っぽくなってね。特に長手綱で乗るようになっていたのには困った。なぜなら学校の試験は長手綱で乗ると点数が貰えないからね。そのことを松岡に言うと、この乗り方が良いと言って譲らなかったのに、試験の時だけはちゃんと手綱を絞って乗っていたんだ。今思うと、その頃にはかなり技術が身に付いて器用になんでもできるようになっていたんだろうね。
ジョッキーになってからも他の騎手がやってこなかったようなことを色々と頑張っていたのが松岡だった。そこが天性の負けず嫌いで、他より抜きん出るために何をすべきかの努力を怠らなかったということだったんだろう。この辺りの話はまた機会があれば。やっぱり松岡のことは話そうと思うといくらでも出てくるね。
日曜日に騎乗する4頭はどれが初勝利となっても不思議ではないが、
1Rの
サンハンニバルで勝てたらその後はもっと楽な気持ちで乗れるだろう。札幌芝の新馬戦で4着から、休みを挟んで今回はダート戦。条件替わり、2戦目の上積み、秋デビュー組とのレベル差などを考えると、馬の力だけでアッサリという可能性もある。
日曜の騎乗一覧と評価
レース | 条件 | 馬名 | 評価 |
福島1R | ダ1700m | サンハンニバル | A |
福島8R | 芝2000m | ウインリブルマン | B |
福島10R | 芝1200m | ウインマーベル | B |
福島11R | 芝2000m | マイネルファンロン | B |
G1・3連勝が懸かる横山武史騎手はエリザベス女王杯でウインマリリンに騎乗する。手塚厩舎が包み隠さず発表している通り、この中間に肘の腫れや熱発があって調整が遅れたことは事実。追い切りの映像は見たが、できれば当日のパドックや返し馬までチェックした上で最終的なジャッジをしたいというのが正直なところだ。
やはりファンの間でも仕上がりへの不安が気になっているのか、前日オッズはアカイトリノムスメ、レイパパレから少し離れた3番人気となりそうだ。とはいえ、日経賞とオールカマーで牡馬を破った能力と長距離適性は一級品。今年絶好調の手塚厩舎がしっかりレースに間に合わせてくれば勝ち負けの可能性はある。
オールカマーは直線で前が壁になるシーンがあったが、そこで武史が全く慌てていなかったところに成長を感じた。ギリギリのタイミングで切り返したので抜け出して勝つことができたが、もっと下手な騎手だったらタイミングを計れず詰まって終わっていただろう。馬の力に助けられた勝利という見方もあるようだが、あれは今年の武史だから何とかできた勝利だと思っているよ。
来週のマイルCSはシュネルマイスター、再来週のジャパンカップはアリストテレスに乗るようだが、この2頭はどちらもルメールの騎乗馬が被って回ってきた馬。今や“ルメールが乗れないなら武史”という立場になっているのが、一流騎手として競馬界で実力を認められた証拠だね。
日曜日は福島記念も行われるが、注目しているのは北村宏司騎手が騎乗するコントラチェックと、松岡正海騎手が騎乗するマイネルファンロン。どちらも怪我からの復帰に合わせて縁のある厩舎やオーナーが用意してくれた感じがある。マイネルファンロンはウインマリリンと同じ手塚厩舎の管理馬だ。
日曜日の福島は重賞以外でも宏司と松岡が勝ち負けになりそうな馬に乗っている。宏司は7Rのダブルスナッチ、福島記念のコントラチェックと同じ藤沢和雄厩舎が用意してくれた8Rのカトゥルスフェリスで重賞の前に復帰初勝利となるだろうか。
オススメ!
エリザベス女王杯(G1)攻略パック・「データ・追い切り・キーパーソン」に焦点を絞り込み最終予想まで大公開!