元教官・蓑田早人の蓑田塾
ブレイディヴェーグ&ボンドガールと並ぶ評価も!
こんばんは。蓑田です。
先週のシルクロードSを勝ったのはエイシンフェンサーと川又賢治騎手。横山武史騎手などと同期の9年目・33期生で、これが初の重賞勝利だった。
デビュー2年目の2018年には44勝を挙げたものの、徐々に成績が落ちてここ3年間は年間の勝利が1桁に。
そういう状況だっただけに、ずっとコンビを組んで重賞まで駆け上がってきたエイシンフェンサーでの勝利は格別だっただろうね。
競馬学校で教えていた時は、真面目だし、関係者にもかわいがってもらえそうな子という印象だった。実際に最初の2年間はしっかり結果が出ていたからね。
ただ、川又の場合は勝ち星が伸びた時に心持ちに変化があったのか、すぐにフリーになりたいと言い出して……結局2年目の5月に師匠の森秀行厩舎を離れてしまったんだ。
森先生のところには学校側から川又を任せたいと頼み込んだ経緯もあったし、森先生も大切にしてくれていたので、学校の立場としても、森先生の気持ちを考えても、当時は少しやるせないところはあったね。
もちろん、フリーになってさらに活躍騎手もいるが、川又に関しては現実の結果が示すように、もう少し焦らず森先生のところで経験を積んだ方が良かったのかもしれない。
困った時、流れが悪くなった時に頼れるところがないフリーという立場は厳しさもある。自立心、活躍したいという気持ちは大切だが、1年と少しでフリーという判断は早すぎた。
ただ、重賞勝利で名前が広まった今が復活のチャンス。エイシンフェンサーや、室町Sを勝ったイスラアネーロはともに吉村圭司厩舎の管理馬で、そういった関係性も大事にしてもらいたい。
元教官・蓑田が厳選!
日曜一番【横山武史】
もう一つの重賞、根岸Sはコスタノヴァと横山武史騎手が勝利。
こちらはスタート直後に落馬してしまい、その後もカラ馬で一生懸命走っていたタガノビューティーが影響を与えるレースになった。
だいたいの場合、カラ馬は外ラチの方に行って走るのを止めたり、馬群の後ろを付いていくだけだったりするものだけど、今回のタガノビューティーは上手にレースに参加していたね(笑)
私も現役の時にはカラ馬が影響してくるレースというのは経験があるが、横にいる分にはいいが、前にいられると怖かったね。
騎手が乗っていないと突然どういう動きをするか分からないだけに、現実問題として、レースの勝ち負けよりも安全を優先しなければならないという場面はあった。
こういうことは学校でも実際に教えることもできないし、生徒には「とにかくじっとしておくこと」としか言えなかったね。
今回はフリームファクシやロードフォンスなど上位人気馬も影響を受けていたし、直線は大外から内へと切れ込みながら馬群を差し切っていったからね。対応に苦慮した騎手もいただろう。
その中で、上手くやり過ごして捌いてきたのがコスタノヴァと横山武史騎手だった。4馬身という着差は、馬の力だけでなくカラ馬に対する対応力の差でもあったのかもしれないね。
その横山武史騎手は今週の東京新聞杯ではジオグリフに騎乗する。意外に人気がないようだけど、この馬はブレイディヴェーグ、ボンドガールと並んで上位評価を与えようと思っている。
皐月賞から勝てていないというイメージもあって最近は人気薄になることも多いが、常に差のない競馬はしているし、昨年の安田記念でも6着だったからね。このメンバーなら勝ち負けになっていい。
きさらぎ賞は吉村誠之助騎手の重賞初勝利が懸かるランスオブカオスを応援したいが、やはりキョウヘイとサトノシャイニングは強敵。あとはリンクスティップ、エリカアンディーヴも交えながら考えたいね。
日曜の騎乗一覧と評価
レース | 条件 | 馬名 | 評価 |
東京2R | ダ2100m | ラストレガシー | B |
東京4R | ダ1400m | マオノギミック | C |
東京6R | 芝1600m | クロウソング | A |
東京8R | ダ1300m | モンドプリューム | B |
東京9R | 芝2400m | アマキヒ | B |
東京11R | 芝1600m | ジオグリフ | A |
東京12R | ダ1600m | ノルドヴェスト | A |
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東京新聞杯・3つの好走ポイント
【1】前走3勝クラス組に要注意
3勝クラス [4-1-0-7] 連対率41.7% 複勝率41.7%
前走クラス別成績を見てみると、G1組の成績が目立つ一方で、3勝クラスからの昇級戦、格上挑戦組が健闘していることが分かります。
連対した5頭はいずれも、前年11月以降に出走していた馬で、要は『勢いのある馬』ということでしょうか。
【2】牝馬は自信アリの出走
牡馬・セン馬 [7-6-8-105] 連対率10.3% 複勝率16.7%
牝馬 [3-4-2-15] 連対率29.2% 複勝率37.5%
牡牝別成績を見ると、牝馬が好成績。中でも成績が良いのは前走G1組[3-2-1-3]。今年は該当馬がいませんが、前走エリザベス女王杯組が[2-1-1-1]と超高確率となっています。
マイルCS組も[1-0-0-0]、秋華賞組も[0-1-0-1]と高確率。
【3】ノーザンF×東京巧者
ノーザンファーム生産馬が[4-7-3-36]で、連対率22.0%、複勝率28.0%。出走頭数も多いですが、馬券対象馬の半数近くを占める結果となっています。
人気薄での好走例も多く、これらには東京コース実績が目立つという共通点がありました。
過去の傾向から好走馬の共通ポイント
データーが導き出した勝負買い目と隠れ穴馬とは?