元教官・蓑田早人の蓑田塾
ヨーロッパ武者修行から戻り躍動の時!
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こんばんは。蓑田です。
今はなかなか気を揉むことが多いと思うが、
坂井瑠星騎手もヨーロッパでの武者修行から戻って2週目の騎乗。
土曜日は東京で騎乗し、5Rの新馬戦を11番人気のデリカテスで勝利。これが帰国して最初の勝利になった。
日曜日は乗鞍を求めてG1裏の新潟に行くようだ。今の瑠星ならローカルに回れば自然と良い馬が回ってくるね。
8Rの
インテンスフレイムは松山が主戦を務めて、3着7回の末に未勝利戦を突破させた馬。ただ、前走は再ブリンカーと距離延長が上手くいったのか、それまでの勝ち切れなさを払拭するような勝ちっぷりだった。
あの競馬ならローカルの1勝クラスでは即通用のはず。良いタイミングで手綱が回ってきたんじゃないかな。
日曜の騎乗一覧と評価
レース | 条件 | 馬名 | 評価 |
新潟2R | ダ1200m | ザンゲツ | B |
新潟3R | ダ1800m | メイショウホオズキ | A |
新潟6R | 芝1800m | ミエノハヤブサ | C |
新潟7R | ダ1200m | アテンフェアリー | C |
新潟8R | ダ1800m | インテンスフレイム | A |
新潟9R | 芝1000m | ピュリフィアン | A |
新潟10R | 芝1600m | ザスリーサーティ | B |
新潟11R | 芝2200m | マリアエレーナ | A |
新潟12R | ダ1800m | ヴィゴーレ | B |
話題としては先週の続きになるが、木曜日に古川奈穂騎手にもう一度電話をして少し話をしたんだ。
復帰した週よりは少しはマシになっていたけど、どうしても悪い癖が抜けていない。本人もパトロールなどを見て分かっているだろうけど、ずっと馬の頭が左右どっちかを向いていて、真っすぐ抑えられていない。
だから、ずっと右に引っ張ったり左に引っ張ったりで、全然追うことが出来ていない。それは下半身がしっかりしていなくて左右にブレてしまうから。騎手の間では馬を“引き付ける”というんだが、それが全く出来ていないんだ。
今は木馬に乗ったら太ももの前の方が疲れるだろ?と聞いたら、そうです、だと。それじゃダメで、本当は太ももの後ろ側が疲れるのが正しい姿勢なんだ。楽な姿勢で乗ろうとすると太ももの前の方に負担が掛かるが、ちゃんと乗ると太ももの後ろに負担が掛かる。
だいたい電話ではこんなことを話したよ。あと、馬群から離れたり、コーナーで外に行ったりするレースが目立っていたことについては、「色んなジョッキーに文句を言われるので気を遣って乗っていた」んだそうだ。正直、そんな状態ではレースに参加するのも厳しいな…。
せめてスタートを決めて前に行ければもう少し楽な気持ちで競馬ができそうだが、今はスタートのタイミングも良くない。これはなかなか電話で教えられることでもないが。原因の一つは下半身が不安定なせいで、スタートの時に膝で挟んで待っているから。あとは復帰戦での落馬も精神的に堪えているんだろう。となると、勘の問題じゃないのですぐには良くならないかもしれない。
奈穂の件は坂井瑠星にも電話をした。みんなから古川のことを言われて大変だと思うけど、と言ったら、「言われてます…。どうしたらいいですか…」と困った様子だった。
とにかく下半身をシッカリ戻さないとまともに乗れないんだから、お前から木馬に乗れって言ってやれ、無理やりにでも連れて行ってトレーニングさせろと、それだけは言っておいた。実際、古川に直接文句を言えない騎手が代わりに瑠星に文句をブツけてくるということもあったようだが…こういう時こそ、兄弟子として助けてやってほしい。
あとは根本康広先生からも電話があったんだ。藤田菜七子を託した厩舎だから、やっぱり今の奈穂が心配だったんだろう。「ちょっと乗せるのが早いよね」という話になったよ。
今週は土曜日に4鞍の騎乗があったが、やはりどれもまともにレースに参加できていなかった。新馬戦のカルドは馬群から離れた後方を進み、大きく外を回して直線だけの競馬になりながら6着。あれは普通の騎手が普通に乗っていたら勝ち負けになっていたかもしれない。
今週まではまだレースで乗せてもらえているが、こんな調子ではいつ依頼が来なくなっても文句は言えない。今はまとも競馬に乗れる体に早く戻すしかないが、本当は、トレーナーなり厩舎の人間なり、近くにいた人間が「まだレースに乗るには早い」とストップを掛けないといけなかったんだろう。
最初の2か月はレースでセンスの良さを見せていたことは確かだけに、これで躓いて終わってしまうのはあまりにも寂しい。瑠星や矢作厩舎など、周りの人間の助け、そしてもちろん本人の努力が一番だが、信頼を取り戻していって欲しい。
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