元教官・蓑田早人の蓑田塾
“捕まえて乗れる”テクニックに注目
こんばんは。蓑田です。
先週は東京競馬場でNHKマイルカップが、そしてチャーチルダウンズ競馬場では日本馬2頭が挑戦したケンタッキーダービーが行われた。
まずはケンタッキーダービー。今年はご覧になった方も多いと思うが、本当に惜しい競馬だったね。
坂井瑠星騎手が騎乗したフォーエバーヤングは、スタートで出遅れてしまったし、3コーナーでもかなり厳しいところで揉まれてしまった。
それでいて4コーナーではあの手応えで、最後の直線でも本当にあと一歩というところだったからね。瑠星も、どこか一つでも自分がもっと上手くやれていれば、と悔しい気持ちがあるんじゃないかな。
先週話をさせてもらった木村和士騎手が騎乗したテーオーパスワードも5着まで追い上げてきていた。こちらもスタート、1コーナーで上手くいかず道中は厳しい形に見えたが、あそこまで伸びてきていたと分かったときには驚いたね。
今や、日本の血統の日本馬でも、本場アメリカのダート三冠で通用する時代になっている。瑠星はこれからもチーム矢作の主戦として多くの海外レースに挑戦していくだろうし、木村和士も「アメリカに遠征させるなら鞍上は彼で」と考える関係者がもっと増えていくかもしれないよ。
NHKマイルカップはジャンタルマンタルの強さが際立った一戦だった。今後はマイル路線に的を絞って古馬との戦いを始めることになるだろう。
直線での不利で有力馬が何頭か影響を受けたことは残念だが、アスコリピチェーノのルメール騎手は、勝つという結果を目指して賭けに出たのだろう。
ジャンタルマンタルが抜け出した後で外を通っても2着だったと思うが、それでは勝ちはないと思ったんだろうね。結果的にああなってしまっては、責めは受けないといけないが。
ジョッキーというのは馬券的な責任を最大限果たすべきか、公正で安全なレースを優先すべきか、瞬間瞬間で悩まされる仕事。今年は誰しもが痛感しているように、競馬は危険なスポーツでもあり、本当に難しいところだよ。
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日曜一番【石橋脩】
NHKマイルカップについてもう一つ。シュトラウスは一言、ガッカリな競馬だったね。
何のためのファルコンSだったのか、レース自体は見ての通りで、振り返る意味もないような結果に。
北村宏司騎手が続けて乗るのも良いんじゃないかと思っていたが、あれを見ると2戦目、また中間の追い切りにも乗っていたことで、却って恐怖感が増していただけなのかもしれない。
今後はシュトラウス自身の立て直しも必要だろうけど、もし私が決められるなら、強気に乗れて折り合い面に秀でているという点で、石橋脩騎手を乗せてみたいと思っている。
あまり世間的にはイメージがないかもしれないが、石橋脩は折り合いに苦労するシーンをほとんど思い出せないくらい、騎乗馬をコントロールするのが上手いんだよ。
石橋脩は見た目以上に腕っぷしも強いし、騎乗馬1頭1頭に合わせて手綱の長さなどをガラっと変えている。ここまでやっている騎手は他にいないんじゃないかな。その辺りも含めて、レースでは“捕まえて乗れる”タイプだね。
折り合いが上手いといっても、川田騎手やモレイラ騎手、ルメール騎手の上手さとはそれぞれ違うタイプで、シュトラウスのような馬には合うんじゃないかと思うんだ。
シュトラウスの苦労を見ていると、タイキブリザードを思い出す。あの馬も本当に難しい馬だったんだけど、岡部幸雄騎手が本当にガッチリと、上手く乗っていたんだ。
日曜日の石橋脩は新潟。メインのウヴァロヴァイトは注目だけど、他にも3Rのホーハイトなんかは石橋脩らしい積極性を見せてくれたら変わり身があるかもしれないね。
最後に、ヴィクトリアマイルは世間的には二強ムードでオッズもそうなっているが、私はナミュールの一強だと思っている。
日曜の騎乗一覧と評価
レース | 条件 | 馬名 | 評価 |
新潟3R | ダ1800m | ホーハイト | A |
新潟7R | 芝1000m | アオイアツヒメ | B |
新潟8R | ダ1200m | スピリチュアル | B |
新潟9R | 芝2000m | ブロンドケリー | C |
新潟10R | ダ1800m | サノノエスポ | B |
新潟11R | 芝1800m | ウヴァロヴァイト | A |
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