元教官・蓑田早人の蓑田塾
周りにアピールするため大事なレース!
こんばんは。蓑田です。
先週の天皇賞・春では、28期生の菱田裕二騎手がテーオーロイヤルとともに、13年目にしてG1初勝利を成し遂げた。
そして、週が明けて5月1日には川須栄彦騎手がシャマルでかしわ記念を勝利。こちらは26期生で今年が15年目。
二人とも30歳を過ぎてもう若手とは言えない立場の中で、ようやく苦労が報われたね。どちらも長くコンビを組んできた、まさしくお手馬と呼んでいい馬での勝利だった。
今週からは東京競馬場での連続G1が始まり、まずはNHKマイルカップが行われるが、その前に今週はケンタッキーダービーも日本時間の日曜朝に行われ、日本馬が2頭参戦する。
フォーエバーヤングは今や日本馬の海外遠征では最もよく見るくらいの、矢作芳人厩舎と坂井瑠星騎手のタッグ。今までこのレースに挑戦した日本馬の中で最もチャンスがあるんじゃないかな。
そして、もう1頭のテーオーパスワードに騎乗するのが、カナダで大活躍している木村和士騎手だ。
彼のことは以前にもここで話したことがあるが、西村淳也騎手らと同じ34期生として競馬学校に入学していて、私が教えた世代に当たる。
結果的に競馬学校は卒業することも、JRAの騎手になることもできなかったんだが、技術的には私が教えてきた全ての生徒たちの中でも5本の指に入るレベルだったよ。
それはカナダでの現在の活躍ぶりが証明しているし、こうやって2年連続でケンタッキーダービーで日本馬で乗ることになるのだから、こういう騎手人生も良いのかもしれないと感じるね。
カナダでの騎手デビューを志した経緯として知る範囲だと、木村和士の家は北海道で育成牧場を営んでいて、そこで働いていた先輩の人間が競馬学校入りを断念した後に海外競馬を目指したことがあり、そういった道筋の可能性を知っていたそうだ。
また、木村和士には兄がいて、彼も競馬学校に合格している。入学の年だと、坂井瑠星らと同じ32期になるのかな。
先ほど木村和士を5本の指に入ると言ったが、兄はハッキリ言って、その5本の指よりも完全にワンランク上。天才だった。今でもどこかで騎手をやれていたらどれだけ活躍したのかと思うことがあるよ。
ちょっとこの場では語れないようなこともあり、途中で退学することになったが、私はその時に地方でも海外でも、どこかでその才能を活かせないかと提案した覚えがある。
実は、合格してからも大変で、毎年デビューする騎手たちの裏で、最後まで行けない生徒たち、多くの年をかけて卒業する生徒たちもいるのが競馬学校。あの場所が合わなくても、こうやって才能を発揮する場を見つけた木村和士の例は、関係者にとっても、ある意味で救いになるよ。
元教官・蓑田が厳選!
日曜一番【北村宏司】
NHKマイルカップは基本的にはアスコリピチェーノとジャンタルマンタルの争い。まとめて負かすとしたらゴンバデカーブースだろうけど、臨戦過程の分で安定感は劣るのかな。
とはいえ、粒ぞろいのメンバーにあっても勝ち馬はこの3頭のうちのどれかだろう。
2~3着の候補としてはボンドガール、アルセナール、ディスペランツァ、ノーブルロジャー、ダノンマッキンリーといったところだが、以前から注目している馬でもあり、今回は作戦面から注目しているのがシュトラウス。
朝日杯FS、ファルコンSの連敗で評価を落としているが、今回は北村宏司騎手の継続騎乗。追い切りにも毎週乗っているし、ファルコンSで捨て石のような乗り方をしたからには今回は成果を出さないといけない。
シュトラウスについては、とにかく騎手が先に諦めないこと。力づくでも乗りこなすしかない。枠順については、個人的には真ん中より外目の方が良いと思っていた。少なくともジャンタルマンタル、アスコリピチェーノよりは前で競馬をしないとダメだろう。
北村宏司騎手はアスコリピチェーノをルメール騎手に取られた格好でもあり、G1以外でも今まで乗っていたノーザン系の馬が乗り替わりになる場面が増えてくるかもしれない。
その意味でも、今回のNHKマイルカップでは意地を見せてもらいたいところ。G1前だと9Rのレッドロワなんかも、周りにアピールするため大事なレースかもしれないね。
日曜の騎乗一覧と評価
レース | 条件 | 馬名 | 評価 |
東京2R | ダ1400m | キタノアマポーラ | B |
東京4R | 芝1800m | セブンオーシャン | B |
東京9R | 芝1600m | レッドロワ | A |
東京10R | ダ1600m | カズプレスト | B |
東京11R | 芝1600m | シュトラウス | A |
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