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先週に取り上げた福島の女性騎手たちについて、印象的だったので取り上げてもらいたいとリクエストがあったのが、日曜福島12R。
このレースは
古川奈穂騎手のリーゼントミニーが11番人気で逃げ切り、2着にドイル騎手のストリンジェンド。4着は藤田菜七子騎手のサイレンスゴールドだったので、あと少しで女性騎手のワンツースリーになっていた。
驚いたのが勝った古川奈穂騎手の立ち回り。大外枠でスタートもそれほど速くなかったが、一番外から押していって、3コーナー手前で内の先行争いを全て交わして先頭に立った。
強引な形だったのは確かだし、内の馬たちもあのタイミングで外から一気に交わそうとしてくるとは思わず、譲るような格好になってしまったのだろう。
それでも結果的には先頭を奪い切ったことが奏功しての逃げ切り。それも人気薄の馬だったのだから、古川奈穂騎手の強みが活きるしてやったりの一戦だっただろうね。
ああいう競馬はダート1000mだったら有効だと思うが、小回りとはいえ1150mであの競馬が成立するのは驚いたよ。見ていても、まさか先頭まで行こうとするとは思わなかったし、あれは古川奈穂騎手ならではだよ。
今年はここまで23勝と成長し、秋の福島でも2週間で5勝、この土曜日も人気薄で逃げての2着があった古川奈穂騎手。
改めて見直してみると、23勝のうちほぼ11勝が逃げか4コーナー先頭の競馬。逆に、差し切り勝ちはほとんど無かった。秋の福島でも5勝のうち4勝が逃げ切り。12Rもそうだったように、前に行くのが自分の強みだということを意識して乗れているんだろう。
これだけ積極的に前へ前へと行く姿勢を見ていると、増沢末夫さんを思い出すね。あの人こそ、福島で逃げたら敵う者のいない、本当の名手だったんだ。
下の世代だと中舘英二騎手も同じようにローカル、特に福島で逃げる競馬をさせたら強かったね。
この2人はただ逃げているだけじゃなく、スタートの出し方や道中のリズムなど、普通の騎手が同じようにはできない不思議な逃げのセンスを持っていた。だから、増沢さんや中舘が逃げると、なぜか止まらないし、いつの間にか逃げ切られていたんだよ。
私も小回りの競馬場で乗る時に、増沢さんの真似をしようとやってみたことがあったが、やっぱり同じようにはいかなかったね。スタートの一歩目や、馬がスッと出ていく感じはどうしても同じようにはならなかった。
まさに、鞍上の力でスタートを出しているというのが増沢さんや中舘だった。
どうせなら、古川奈穂騎手にも徹底的に強みの逃げ戦法を鍛えて、他には真似のできないような武器にしてもらいたい。そうすればさらに活躍の場も増えてくるだろう。
以前には厳しいことを言ったこともあるけど、ここにきて自身の個性や強みが出てきた感じだ。日曜日も手の合いそうな馬がいるので期待しているよ。
日曜の騎乗一覧と評価
レース | 条件 | 馬名 | 評価 |
福島6R | 芝1200m | コスモララバイ | A |
福島7R | ダ1150m | ハクサンアイ | A |
福島8R | 芝2000m | ユイ | B |
今週のG1は秋のマイル王を決めるマイルチャンピオンシップ。
G1では目下ルメール騎手が菊花賞(ドゥレッツァ)、天皇賞(イクイノックス)、そして先週のエリザベス女王杯(ブレイディヴェーグ)と3連勝中だが、今回もシュネルマイスターは中心の1頭として評価しないといけないだろうね。
前走の毎日王冠は3着に負けているが、ゴール前のキレ味は目を引いた。追い出しがワンテンポかツーテンポ遅れた分はあったが、やはり能力は高い。
G1ではずっと惜敗が続いているので今回も勝つまでは…と考える人も多いと思うけど、負けて強しという競馬を続けているので、そろそろ実力通りの結果を出せる機会が巡ってくるかもしれない。それを絶好調のルメール騎手が導いてくれるんじゃないかな。
あとはやや順当になるけど、セリフォス、ソウルラッシュ、エルトンバローズ、ナミュールの順番。ここまでが連対圏内だろう。
エルトンバローズの西村淳也騎手は初G1が懸かっている。今年の活躍ぶりは目立っているし、応援したいね。
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