元競馬学校教官・蓑田早人の蓑田塾

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自らの手で勝たせた馬と重賞Vを!

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こんばんは。蓑田です。

日曜日は新潟記念と小倉2歳Sが行われる。夏競馬最後の重賞ということになるね。

まずは小倉2歳S。個人的にはキャンシーエンゼルとドナヴィーナスの2頭を中心に考えているが、ドナヴィーナスに騎乗しているのが川島信二騎手

彼は17期生で、私が競馬学校の教官に就任した年の3年生だったんだ。なので、卒業には立ち会ったし、直接受け持つことはなかったけど何度かアドバイスはした覚えがあるよ。

素質は感じたし、この程度の成績に甘んじるとは思わなかったけど、すぐ下の世代が優秀で、なかなか流れに乗れなかったという面もあったのかな。

ドナヴィーナスはデビュー前から調教に乗り続け、自らの手で勝たせて重賞に進んできた1頭。川島はこれが1年半ぶりの重賞騎乗で、勝てば11年ぶりの重賞勝利だそうだ。持ち時計はトップだし、十分にチャンスはあると思うので頑張ってもらいたい。

新潟記念の方は北村宏司騎手とノッキングポイントが気になるところ。

先週の新潟2歳Sで5年ぶりの重賞勝利となった宏司だけど、あれは外枠が良かったんじゃないかと思うんだ。

というのも、怪我から戻ってきてしばらく結果が出なかった時期は、馬群の中での競馬に苦しんでいる印象があってね。頭では平気だと思っていても、体に恐怖が残ってしまっているんだろうね。それもあって、外を回ったり仕掛けが遅れたりと、消極的に映る競馬が多いという声は色々なところから出ていたようだ。

今年は成績も持ち直してきて、以前よりはしっかり乗れるようになったとは思うけど、ノッキングポイントの3番枠は前半に馬群でゴチャ付いた時にまだちょっと心配だ。

日曜の騎乗一覧と評価

レース条件馬名評価
小倉3Rダ1700mアーケイディアC
小倉11R芝1200mドナヴィーナスA


先週行われたWASJは、初出場ということもあり注目していた岩田望来騎手が優勝だったね。

2位のレイチェル・キング騎手は、結果だけでなく騎乗ぶりからも上手いと思ったよ。最後も騎乗馬の故障がなければ優勝していたかもしれない。

4位に入ったマリー・ヴェロン騎手にも言えることだが、海外で一線級の活躍を見せている女性騎手は、JRAの女性騎手たちと比べると足腰、下半身が強靭だね。

体格や筋肉はすぐに真似できるものではないけど、騎手として今以上の活躍を目指すなら、今回活躍したレイチェル・キング騎手のことは色々な面で見習ってもらいたい。

確かに今村聖奈騎手を筆頭に、女性騎手たちは活躍するようになってきた。ただ、これは今週学校のある教官と電話して話したんだけど、ちょっと今村にしても永島にしても、現状の成績や立ち位置で満足してるんじゃないかという印象があってね。

今年のWASJに一流の女性騎手を2人も呼んだのも、JRAから日本の女性騎手へのハッパだろうから、1つ勝ってニュースになって満足するのではなく、重賞やG1に普通に乗っているくらいの騎手を目指してもっと頑張ってもらいたいね。


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蓑田早人・プロフィール

卓越した騎乗技術を武器に、騎手として北海道などローカル開催を中心に活躍。引退するまで、日本騎手クラブ副会長を務めるなど騎手の地位向上にも尽力。その後、競馬学校の専任教官へ就任(石橋脩騎手ら第19期生より指導を担当)。川田将雅騎手、松山弘平騎手をはじめ、吉田隼人騎手、三浦皇成騎手、藤田菜七子騎手など教え子が多くいる。

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