東京大学名誉教授が射抜くワイド1点
[2020年4月18日]
【皐月賞】三冠馬の器
20世紀を代表する歴史家ホイジンガには名著『ホモ・ルーデンス』がある。ラテン語で「遊ぶ人」という意味だが、人間の本来的なあり方を語ったもの。1万年前の狩猟採集の時代まで人間は必要な時だけ働けばよかった。ところが、栽培牧畜の時代になると、一定期間働くことが義務のようになる。もともと人間は遊び心をもつ動物なのに、遊ぶことが余計な時間として脇へ追いやられてしまったのである。
今や自粛と我慢が強いられている時節だが、競馬をはじめ無観客でも開催しているギャンブル産業を快く思っていない料簡の狭い人々もいるらしい。でも、こんなときだからこそ、人間本来の遊び心を刺激する競馬の開催は大切な営みなのだ。競馬ファン諸君、娯楽が少ない昨今だから、大手をふって競馬と馬券を楽しもう。それが「遊ぶ人」本来の姿なのよ。
吉祥寺の居酒屋「青夷」はやはり5月6日まで休業することにしたらしい。密閉度70%、密集度50%、密接度80% ほどの準クラスターだから、賢明な判断だと拍手したい。
このところ在宅勤務の口撃機関銃ヤマはいじけ気味らしい。機関銃を炸裂させる場所がかぎられていて、聞かされっぱなしの愛妻ミナ姉御に睨まれているのが目に浮かぶ。それでも負けじと皐月賞の予想に余念はない。土曜日は終日雨だから、中山競馬場の明日の馬場状態は誰もが気になる。明日は晴れるらしいので、重に近い「やや重」程度だろう。さてヤマさんは政府から10万円支給でいささか気が大きくなっているらしい。データ派としては、2勝以上と芝1800m以上の勝利実績が必須(100%)だと自信たっぷり。①⑤⑦の三強人気を尻目に、潜在能力は三強よりは上と信じる⑰ヴェルトライゼンデに白羽の矢を当てるという。相手は①コントレイル、⑤サトノフラッグ、⑦サリオスであり、単勝・馬連・3連複でガツンと勝負するらしい。
ギャンブル狂師ミノ先生は、コロナの恐怖に夜な夜なうなされているというが、恐妻家が恐コロ家に変身しただけかも。4戦すべて2000mであり、前走は重馬場で勝っている⑤サトノフラッグを狙うが、それを捨ててあえて武豊が騎乗する⑫マイラプソディも大いに気になるらしい。⑤-⑫の馬連・ワイドで勝負するとか。穴党専科の休業店主マスターは、力のいる馬場状態ならヨーロッパの血が濃厚な外国産馬⑬ダーリントンホールというから、狙いが渋い。
ところで、昨秋の東京スポーツ杯2歳Sをレコードタイムで圧勝した①コントレイルを見たとき、ディープインパクトの再来か、同馬の最高傑作か、と私は直感した。三冠馬の器かと思うが、少なくとも皐月賞・ダービーの二冠はのがすまい、と今でも思っている。気になるとすれば最内枠がどう影響するかだが、先行タイプなので問題ないだろう。相手はマイル実績しかない⑦サリオスより、2000m4戦3勝の⑤サトノフラッグに魅かれるものがある。良馬場なら三強で決まりそうだが、馬場が渋って、とんでもない馬が3着までに来るかもしれない。
【皐月賞】
①-⑤ ワイド1点で勝負する
①-⑤の2頭軸で3連複総流し16点で遊ぶ
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『ワイドの凌』よりひと言
昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。
本村 凌二
1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』
「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。
ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。
伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。