うまスクエア

【境和樹・穴馬券ネオメソッド】

AM1422kHz・ラジオ日本【日曜競馬実況中継】にて『穴馬券ネオメソッド』の血統スナイパー・境和樹が10R～12Rのメイン解説を担当します。(14時40分頃より放送予定)

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中山11Ｒ　紫苑S(G2)(芝2000ｍ)


今年からG2に昇格する紫苑S。

このレースは、OP特別からG3に格上げされた段階でレースの性格が一変しました。今年、さらに格が上がることにより、その傾向がより顕著になることが想定されます。

格上げによる性格変化を端的に表せば、「レースレベルが急上昇した」ということです。

それをデータに基づいて解明していきます。

なお、データ対象期間は、今と同じ中山芝2000mで施行されるようになった2007年以降とします。



レースレベルが上昇した要因は、春の既成勢力が高いモチベーションで出走してくるようになったことです。

分かりやすい春の既成勢力である前走オークス組の成績を挙げました。上記表のとおり、同じレースとは思えないほど成績差が出ています。

OP特別時代の紫苑Sは、春の既成勢力にとっては単なる叩き台でした。それが、重賞昇格により、格、賞金の両面でこのレースを勝つことの意義が生まれます。

その結果、前走でオークスを使っていたような馬たちが、高いモチベーションを持って出走してくるようになりました。

つまり、実績馬がそれに応じた実力を発揮できる態勢で使ってくるということ。そして、その能力、経験値の差を見せ付けるケースが増えることになります。



そうなると、必然的に、前走で下のクラスを走っていた馬の好走率も減少します。

上記した「前走オークス組」のデータほど成績差がないようにも見えますが、重賞昇格後の連対馬4頭の内訳を見ると、16年2着ヴィブロス、17年1着ディアドラ、17年2着カリビアンゴールドに19年1着パッシングスルー。

17年の2頭は、夏に条件戦を挟んでいただけで、いずれもオークスに出走した馬でした。19年のパッシングスルーは、シンザン記念、フローラSでともに4着と春の時点で重賞路線を歩んでいました。また、16年2着のヴィブロスは、次走で秋華賞を制するほどの馬。

OP特別時代は、格下馬のチャンスレースという側面が強かった紫苑Sは、重賞昇格により明らかに実績馬たちの実力勝負に変貌を遂げたのです。



これは、本番である秋華賞の側から見てもハッキリします。

OP特別時代の紫苑S組は、1秒でオミットできる完全な消しローテでした。該当馬はチャンスレースに全力投球した格下馬ばかりだったわけですから、それも当然です。

しかし、重賞昇格後は見違えるように成績が上昇しています。昨年も、紫苑Sを勝ったスタニングローズが、そのまま秋華賞も制しました。

これも、紫苑Sのレースレベルが上昇したことを示す重要なデータです。

G3からG2に昇格したことで、既成勢力のモチベーションはさらにアップするわけですから、より一層、春の時点での実績は重要になります。

さらに、既成勢力の中から狙うべき馬を選別するにあたって、中山実績というテーマにも言及しておきたいところです。



最も相性の良い前走オークス組のほとんどが、過去に中山コースで勝ち鞍があった馬でした。

重賞昇格後、3着以内に入った前走オークス組12頭のうち、9頭はこのテーマを満たしていました。マストの要素とは言いませんが、選択の際に参考にする価値はあると考えています。

G2への格上げにより、より春の実績が重要になると考えられるため、候補馬の選定基準はオークス出走経験とします。

③ヒップホップソウル

⑤キミノナハマリア

⑮エミュー

まずはこの3頭が候補馬として挙がります。この中から、絞り込み要件とした中山実績を加味して、フラワーC勝ちなど中山3勝の実績を重く見て、⑮エミューに◎。

そのフラワーCが不良馬場。雨の影響を受けて渋化が残るようなら、さらに好走期待値は高まります。




中山9R
アスター賞(芝1600m)
◎⑤エコロマーズ

2021年以降、中山マイルで【9-3-6-26/44】勝率20.5％、連対率27.3％、複勝率40.9％と適性の高さを証明しているシルバーステート。単回率128％、複回率155％と馬券的にも注目の血統。今年のニュージーランドTを勝ったエエヤンも、やはりシルバーステートの産駒でした。

そのシルバーステート産駒が、⑤エコロマーズ。

前走の1.52.0秒は、当時の福島芝が馬場差+2.0秒とかなり時計が掛かる設定だったことを踏まえれば、新馬戦の時計としてはかなり優秀なものです。

額面だけ見ると平凡な時計が評価下げに繋がれば好都合。血統適性も加味すれば、馬券的な価値も出てきそうです。



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