東大名誉教授が射抜くワイド1点

[2025年11月30日]

【ジャパンC】日本最強馬と欧州最強馬の評価と馬券は…!?

今年のJCはとてつもないレースになりそうだ。天皇賞(秋)を3歳馬が1・2着して同世代のレヴェルの高さを証明したばかりか、日本ダービーの最上位馬2頭が出走する。さらに、今年のヨーロッパ年度代表馬に選ばれた馬が参戦するのだから、ひょっとしたら、本年度の世界一のレースになるかもしれない。日本競馬の地位がほんとうに高くなったものだと思うと、感慨深い。じっさいイクイノックスが勝った一昨年のJCはその年の最高峰のレースと認定されているのだ。

居酒屋「青夷」は閉店しても、「あおい競馬同好会」はまだ生きている。手術後で声が出ない口撃機関銃ヤマさんだが、来週には退院が決まって嬉しいらしい。筆談が中心になるらしいから、このさい稿撃機関銃ヤマとよばせてもらおう。

その稿撃機関銃ヤマさんは、東京コース4戦3勝2着1回と相性抜群の⑮マスカレードボールは鬼に金棒とかで、本命。相手本線は⑭ダノンデサイル、⑱タスティエーラ、⑯シンエンペラーの外枠3頭にしぼり、馬連・3連複・3連単でいくらしい。

ギャンブル狂師ミノ先生は、今年の3歳馬はレヴェルが高いので、ダービー1・2着の②クロワデュノールと⑮マスカレードボールの2頭軸で3連複総流しでいくらしい。

元店主のマスター・ジュンは、⑱タスティエーラに注目、前走天皇賞(秋)は動くのがちょっと早すぎたとレーン騎手も反省しているし、ひと叩きして体調も上昇している今ならと狙いごろと単勝・馬連でと強気である。

久しぶりに熟女馬券師ワフさんも参戦、例の如くマンハッタンカフェの血筋を狙って⑤サンライズアースと⑱タスティエーラの複勝を買うらしい。

さてさて、今年のJCは、問題馬2頭。②クロワデュノール⑧カランダガンの取捨である。

②の前走凱旋門賞惨敗は、管見では、騎乗者の乗り間違いに尽きる。外枠発走で好スタートからいいポジションをとろうと狙ったのだろうが、フライング気味の発走で最後の直線に向かうまで先頭で走り、直線ではバテバテだった。ヨーロッパの騎手側からすれば、みすみす罠にはまったと思われているはず。世界競馬の最高峰、凱旋門賞は逃げ切れるほど楽なレースであるわけがない。惨敗馬の敗戦意識が残っていなければいいが。

⑧はたしかにヨーロッパ最強だが、3連勝後もJCを使うのは騙馬だからだと思えてしかたがない。種牡馬としての価値は云々されないから、気楽な立場であるはずだ。日本の高速馬場に適性がありそうだが。と、まあまあ、問題児2頭の取捨が判断基準なら、いっそのこと2頭を選ぶという大賭けもあってはいいではないか。日本最強馬と欧州最強馬とのゴール前接戦の夢をみながら、明日は現場で観戦する。


ジャパンC
②-⑧ ワイド1点で勝負する
②-⑧ 2頭軸3連複の総流し16点で遊ぶ

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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