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元教官・蓑田早人の蓑田塾

厳しい先生のはずが…

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こんばんは。蓑田です。

函館出身ということで、毎年北海道での騎乗には闘志を燃やしている丹内祐次騎手。

今週は土曜日に12鞍全てに騎乗していたし、今年もかなり準備を整えてきたようだね。

日曜日は函館スプリントSへの騎乗こそないが、8鞍に乗っている。

地元函館での今年初勝利に向けて、最もチャンスがありそうなのは6Rのシャノワールかな。ビッグレッドファームの馬で、新潟での前走から柴田大知騎手に替わって手綱を取っている。小回りの函館の方が良さそうだし、横山武史が乗るイルモンドさえ倒せば勝ち切れるレース。

丹内については、師匠を選ぶときのことで覚えていることがある。学校にいた頃はふわふわしているというか、ちょっと心構えの甘いところがある生徒だったので、厳しい先生のところに預けようと思っていたんだ。

そこで思い付いたのが清水美波さんだった。実はその時までほとんど話したこともない先生だったんだが、なぜかというと私が若い時に先輩の騎手から「お前は清水美波さんには近寄らん方がいいぞ。怖い人でお前みたいに生意気なヤツはすぐ殴られるからな。あの人ボクシングのアマチュアチャンピオンなんだ」と言われたから。

その話があって以来、本当に近寄りがたくなってしまって、向こうが調教師になってからもほとんど関わることがなかったんだ。

このことをずっと覚えていて、丹内みたいなタイプは清水美波先生に預けたら良いんじゃないかと閃いてね。それで先生のところに相談に行ったら、まともに話すのは初めてだなぁ、なんて言われてしまってね。

ちなみに、実際の清水美波先生は全然怒りっぽくもなければ厳しくもなくて、丹内のことも甘やかしていたよ(笑)。何十年も前に言われた勝手なイメージを引っ張り過ぎていただけだったんだね(笑)

日曜の騎乗一覧と評価

レース	条件	馬名	評価
函館2R	ダ1700m	フジシュウセツ	C
函館4R	芝2000m	ヴァンデスト	B
函館6R	芝1800m	シャノワール	A
函館7R	ダ1000m	ラインアルテア	C
函館8R	芝1200m	グレイトミッション	B
函館9R	芝1800m	エレフセリア	B
函館10R	ダ1700m	グリニッジシチー	B
函館12R	ダ1700m	センタースリール	C

春のG1がひと段落し、今週からは函館開催、つまりは夏の北海道シリーズが開幕する。

今の若い騎手や厩舎の人たちがどうしているのかは分からないが、私たちの時代といえば夏の北海道は誰もが行きたがる場所だった。夏でも快適だし、何より競馬以外にも楽しみなことが本当に多かったからね。

私が騎手の時に所属していた森末之助厩舎では、所属していた4、5人の騎手のうち、毎年2人が北海道で乗れることになっていたんだが、みんな北海道に行かせてもらいたいから、4月ごろから急に真面目に厩舎の仕事をやるようになっていたね。

もちろん楽しいだけじゃなく、北海道にいる間は調教や厩舎の仕事をやらないといけないし、テキには何かあってもお金は出せんぞ、自分の金は自分で稼いでこいよ、なんてことを言われていたけどね。

それで、1970年代のまだ私が若い頃、特に札幌ではずっとかわいがってくれていたのが、福永洋一さんだった…。洋一さんとの思い出は話すと長くなりそうだから、また札幌が始まった時にとっておこうかな。

洋一さんだけでなく『馬事公苑花の15期生』と言われている代の先輩たちには本当にかわいがってもらったんだ。私が北海道組で年長の立場になってからは、田原成貴や本田優を連れて遊ぶことが多かったかな。この辺りの話は思い出すと止まらなくなりそうだね。

さて、函館の開幕を飾る重賞は函館スプリントS。浜中が50キロで乗るナムラクレアで普通は鉄板だろうけど、追い切りの動きだけが少し気になった。もしかするとビアンフェの逆転があるかもしれない。

いずれにせよナムラクレアとビアンフェが大崩れするとは思えないし堅いレースになりそうだけど、3着の穴ならレイハリアとキルロードかな。

最後に安田記念についても少しだけ。シュネルマイスターは本当に良い馬だね。ハッキリ言って安田記念は太かったし、7分くらいの仕上がりにしか見えなかった。それでも最後にあそこまで差を詰めてくるのだから、今のマイル路線では地力が断然ということだと思う。しっかり体調を整えれば負けることはないんじゃないかな。


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