うまスクエア

重賞戦略アドバイザー・平井雄二のBe The Winner

【アルゼンチン共和国杯】勝負気配が透けて見える!?ハンデG2で狙い目の2頭！

元調教師の平井雄二です。今週もよろしくお願いします。

現在は、長年競走馬を間近で育ててきた経験を生かし、重賞戦略アドバイザーとして予想家やファンの方とは違った視点で皆さんの馬券に貢献できるよう活動しています。

かなり昔の話ですが、サクラスターオーという管理馬で皐月賞と菊花賞を勝たせてもらいました。今は皆さんと同じように馬券になる馬を探す日々です。

後半ではアルゼンチン共和国杯(G2)の金言に合う馬をレビューしているので是非参考にしてください。

アルゼンチン共和国杯の金言
この時期のハンデG2を使う陣営の真意

毎年G1の谷間週に行われるアルゼンチン共和国杯(G2、東京芝2500m)ですが、ジャパンC(G1)や有馬記念(G1)、更には来年以降のG1戦線に向けて見逃せない大事なレースです。

近年だと20～21年オーソリティ、18年パフォーマプロミス、17年スワーヴリチャード、16年シュヴァルグラン、15年ゴールドアクターと勝ち馬が後のG1で好勝負を演じていることから“出世レース”として注目されています。

競馬に携わる関係者にとってはG1を勝つことが最大の目標で、期待馬がいるならそこから逆算しながらレース選びを検討していきます。

そこで「軽ハンデだし力試しをしたい」「G1出走の賞金を加算したい」という時に理想的なのがココというわけです。G2のハンデ戦は年間で3鞍(日経新春杯、目黒記念、アルゼンチン共和国杯)だけ。

もちろん、G1が目標ではなくても「相手が楽なG2で賞金を獲得したい」「復活のキッカケを掴みたい」という思惑もあります。G1で力負けを実感すると出てくる発想ですね。

馬主からの要望で強引にG1を使うことにならない限り、調教師としては条件や力関係を見極めながらレース選択をしないといけません。

このテーマをイメージしやすいのが前走クラス別成績でしょう。(過去10年)

前走クラス別成績
Ｇ１【4-1-1- 8】複勝率42.9％
Ｇ２【3-4-2-52】複勝率14.8％
Ｇ３【0-0-2-14】複勝率12.5％
Ｌ　【0-1-0- 4】複勝率20.0％
ＯＰ【1-2-1-36】複勝率10.0％
３勝【2-2-4-16】複勝率33.3％

G1を使ったことで秋の方針を決めてくる馬、3勝クラスで好走した勢いでチャレンジしてくる馬が活躍しているのが良く分かります。昨年も3勝クラスを勝ったばかりのブレークアップ(6人気)が勝利しましたね。

この傾向に沿っている2頭をレビューしてみます。

※ 11月3日(金)時点のレビューとなります。

1頭目 チャックネイト
前走の六社S組は、今の条件になった2017年以降で【1-2-2-3】と好相性。勝ち馬に至っては【1-1-1-0】と馬券圏内を外していません。

中3週で東京芝2400m→東京芝2500mの連戦は楽ではありませんが、他の馬たちが秋初戦だとすれば一度使った上積みや順調に使える調子の良さが結果に繋がっているわけです。

その前走は、中団外目で折り合って早めに動き出すタフな競馬。後方待機の2頭に迫られてからも押し切ったのは立派。勝ち時計も重馬場ながら2分24秒0で17年以降最速。ブリンカー効果や去勢効果も上手く噛み合っている印象です。

ゼッフィーロが除外ならモレイラ騎手だったことから堀厩舎も狙いに来ている一戦です。勢いそのままに好走となるか注目です。

2頭目 ヒュミドール
2020年秋以降は中長距離重賞に出走し続けて2着が3回とタイトルまであとひと押しのところまで来ています。

春はダイヤモンドSの2着から天皇賞春一本に絞って挑戦しましたが、ゴチャつくシーンがあったとはいえ10着まで。軽い骨折もあり、秋はいいイメージのある東京長距離戦に狙いを定めてきました。ハンデ56キロも恵まれましたね。

アルゼンチン共和国杯はペースが落ち着きやすく、直線勝負でもある程度は前目に付けたいレース。スタートを決めて好位を取れた2走前が理想的です。陣営は内枠を引いて喜んでいるのでは？今は折り合いに不安がなく、あの競馬ができればしぶとく伸びてくるでしょう。