うまスクエア

重賞戦略アドバイザー・平井雄二のBe The Winner

先週は5番人気1着を推奨！今週もコレさえ知っておけば大丈夫!?

元調教師の平井雄二です。今週もよろしくお願いします。

現在は、長年競走馬を間近で育ててきた経験を生かし、重賞戦略アドバイザーとして予想家やファンの方とは違った視点で皆さんの馬券に貢献できるよう活動しています。

かなり昔の話ですが、サクラスターオーという管理馬で皐月賞と菊花賞を勝たせてもらいました。今は皆さんと同じように馬券になる馬を探す日々です。

後半では関屋記念(G3)の金言に合う馬をレビューしているので是非参考にしてください。

先週のレパードS(G3)では、レビューしたライオットガール(5番人気)が勝利しました。スッと2番手を取れた時点でイイ予感がしましたね。

関屋記念の金言
長い直線勝負でも軽視は禁物

今週行われる関屋記念(G3、新潟芝1600m)は、最後の直線が国内最長の659mという見応えのある直線勝負が見どころです。

ただ、直線が長いからといって“上がり3ハロンの速い馬”や“追い込みを得意とする馬”にばかり目が向いている方は要注意です。

このレースの脚質別成績をご覧ください。

脚質別成績(過去10年)
逃げ【2-2-1- 5】複勝率50.0％
先行【3-3-3-26】複勝率25.7％
差し【3-2-4-61】複勝率12.9％
追込【2-3-2-39】複勝率15.2％

皆さんはこれだけ前が残っているイメージはありましたか？

逃げ馬は過去10年で5回も馬券圏内に粘り込んでいます。好走した馬の人気を見ると「まさかの激走」と思った方は多そうです。

逃げ馬の成績(過去10年)
22年2着シュリ　　　　　　(12人気)
20年2着トロワゼトワル　　(8人気)
18年3着エイシンティンクル(3人気)
17年1着マルターズアポジー(7人気)
15年1着レッドアリオン　　(2人気)

このような傾向になる主な要因として考えられるのは

・騎手の心理
・コース形態

です。

騎手心理に関しては、やはり、659mの長い直線勝負が待ち受けているので、「直線までできるだけ馬の体力を温存しておこう」という思考になりがちです。

ライバル馬どうこうよりも、まずは自分の馬のリズム、ペースを優先するわけです。

結果として、序盤で先手を取れた馬からすると、道中でそこまでプレッシャーをかけられることがなく楽なレース運びができます。

コース形態に関しては、新潟は平坦コースという認識だと思いますが、実は向正面の半ばから3コーナーの途中まで緩やかな上り坂になっています。

ここで全体のスピードが落ちてペースが落ち着くため、逃げ・先行馬もしっかり息を入れることができます。そうすることで最後の粘り強さが増してきます。

データだけ見れば前有利というのはすぐに分かると思いますが、その理由まで把握しておくと、他のレースにも応用できるはずです。

※ 8月11日(金)時点のレビューとなります。

1頭目 ロータスランド
21年に米子S1着→中京記念5着→関屋記念1着でサマーマイルシリーズを優勝。その後も京都牝馬Sで1着、高松宮記念で2着と重賞戦線で好走しています。

今年から別定戦の斤量ルールが変わり、収得賞金が反映されなくなったため、1億150万円を持つ同馬でも他と同じ55キロなのは恵まれています。

ヴィクトリアマイルでも逃げて6着というスピード、粘り強さは魅力的。逃げに固執せず2,3番手でも立ち回れる脚質で、7枠から内の様子を見ながらスッと好位に収まれそう。

リズム良く走ることができれば最後までしぶとく粘れるでしょう。

2頭目 ラインベック
サマーマイルシリーズの1戦目である米子Sで2着。ハイペースで超高速決着となったレースにおいて、先行策から粘り込んだ内容は評価できます。他よりも早く仕掛けていましたからね。

この中間は、坂路コースで徹底的に終い重視の調教を積んできました。長い直線勝負に対応するため、ビシビシ鍛えてきた内容はとても好印象です。

昨年、去勢をしてから半年以上が経って体に馴染んできました。落ち着きが出て、レース内容にも安定感があります。マイル戦も合っていたのでしょう。

こちらも外枠から内の様子を見ながら、揉まれずに先行策を取れれば、簡単には止まらないはずです。