うまスクエア

重賞戦略アドバイザー・平井雄二のBe The Winner

先週は2頭揃って激走！4年ぶりの中京戦で要注意の激走候補2頭

元調教師の平井雄二です。今週もよろしくお願いします。

現在は、長年競走馬を間近で育ててきた経験を活かし、重賞戦略アドバイザーとして予想家やファンの方とは違った視点で皆さんの馬券に貢献できるよう活動しています。

かなり昔の話ですが、サクラスターオーという管理馬で皐月賞と菊花賞を勝たせてもらいました。今は皆さんと同じように馬券になる馬を探す日々です。

後半では中京記念(G3)の金言に合う馬をレビューしているので是非参考にしてください。

先週の函館記念(G3)では、レビューしたルビーカサブランカ(4人気2着)とブローザホーン(2人気3着)が揃って好走してくれました。やはり洋芝巧者は見逃せませんね。

中京記念の金言
開催最終日特有の脚質傾向に注意

中京記念(G3、中京芝1600m)は、京都競馬場の改修工事に伴い、2020年が阪神芝1600m、2021,2022年が小倉芝1800mでの施行だったため、4年ぶりに本来の舞台に戻ってきました。

中京での中京記念において軽視禁物のポイントが脚質です。

まず、2021年以降の中京芝1600mでの脚質別成績をご覧ください。

中京芝1600mの脚質別成績
逃げ【3-2-1-12】 複勝率33.3％
先行【6-10-9-33】複勝率43.1％
差し【5-5-5-57】 複勝率20.8％
追込【3-0-2-58】 複勝率7.9％
※3勝クラス以上の古馬レースに限定

競馬ファンにも認知されているであろう“前有利”の傾向となっています。

最後の直線は412.5mと長く、中山競馬場に次ぐ勾配の坂が待ち受けています。そのため、道中は無理せず直線勝負に専念する立ち回りが多く、逃げ・先行馬がそのまま押し切るパターンが続出しています。

続いて、中京での中京記念の脚質別成績をご覧ください。(2012～2019年の8回)

中京記念の脚質別成績
逃げ【0-0-0-9】 複勝率0.0％
先行【2-4-0-22】複勝率21.4％
差し【2-3-4-41】複勝率18.0％
追込【4-1-4-31】複勝率22.5％

なんと、逃げ馬の馬券圏内は0回。2015年に1番人気のカレンブラックヒル、2018年には2番人気のウインガニオンも苦戦しています。

これに対して、条件戦では最も複勝率が低かった追い込み馬の好走が目立っています。差し・追い込み馬が馬券圏内24頭中18頭を占めているわけですから。

この要因として挙げられるのは

・開催8日目で荒れてきた馬場
・重賞メンバーによるペース

この辺りでしょう。

今回も過去7回も夏の中京開催の8日目。前半4日間がAコース使用、後半4日間がBコース使用というパターンも同様で、3mの内柵が設けられても外差し傾向が強まってくるタイミングです。

荒れた馬場＝内目と比較的綺麗な馬場＝外目とでは、スピードの出しやすさが違ってきます。

どの馬も重賞タイトルを目指してよりよいポジションを獲ろうと前掛かりの立ち回りになります。引き締まった流れで、最後に前が苦しくなったところを外から差し切るパターンが完成します。各陣営の作戦も見ものですね。

今回は、このパターンに合致しそうな2頭をレビューしていきます。

※ 7月21日(金)時点のレビューとなります。

1頭目 メイショウシンタケ
前走の米子Sでは10番人気の低評価を覆す完勝ぶり。時計の出やすい馬場、ペースだったにしても1分31秒7の勝ち時計は優秀です。

サマーマイルシリーズの1戦目を制したことで一躍、優勝候補に。近2年の同シリーズ優勝馬はいずれも米子Sを制していたように、出走機会が増えたり、選択肢に余裕が生まれたりと優位に立てています。

続戦してきたように好調をキープ。外回りの前走で見せた末脚はなかなか強烈で中京へのコース替わりも不安なし。

これまでのレースぶりから気ムラな面はあるものの、相手が強くなることで必死に、前向きに走るパターンもあり得ます。一気に重賞制覇があっても驚けません。

2頭目 サブライムアンセム
未勝利勝ち直後にフィリーズレビューを制覇と能力の高さを示しましたが、その後はなかなか結果が出せず。

主な要因はスタートで、今年も京都牝馬Sとヴィクトリアマイルで上手く出られず、流れに乗ることができませんでした。それでも、ポンと出られた時の強さは阪神牝馬Sでの2着で証明済み。直線でスムーズならもっと僅差だったはず。

この中間は、14戦目にして初めて坂路で最終追い切り。速い時計は出さず、陣営が落ち着き重視で臨んでいることが伝わってきます。スタートを決めれば最後の直線で切れ味が発揮できるでしょう。