うまスクエア

重賞戦略アドバイザー・平井雄二のBe The Winner

安田記念は推奨2頭が激走！今回はファンの盲点を突いて波乱を警戒！

元調教師の平井雄二です。今週もよろしくお願いします。

現在は、長年競走馬を間近で育ててきた経験を活かし、重賞戦略アドバイザーとして予想家やファンの方とは違った視点で皆さんの馬券に貢献できるよう活動しています。

かなり昔の話ですが、サクラスターオーという管理馬で皐月賞と菊花賞を勝たせてもらいました。今は皆さんと同じように馬券になる馬を探す日々です。

後半ではエプソムC(G3)の金言に合う馬をレビューしているので是非参考にしてください。

先週の安田記念(G1)ではレビューしたソングライン(4番人気)とシュネルマイスター(1番人気)が揃って好走してくれました。皆さんの参考になっていれば嬉しいです。

エプソムCの金言
G1シリーズから頭を切り替える

春の連続G1シリーズが終わり夏競馬らしさを感じる番組になってきました。今週はエプソムC(G3、東京芝1800m)が行われます。

このコースは、スタートしてから3コーナー入り口まで800m弱とかなり長いため、序盤に先行争いが起きにくく、流れが落ち着きやすい傾向にあります。

また、ダービー週から使われているCコース(内柵を6m外側に設置)も3週目で馬場の内目が荒れてくる頃合い。ジョッキーからすると、内を開けて走るとただでさえ広い東京コースで余計に外を回っている感覚になるでしょう。

これにより何が起こるかというと…脚質別成績をご覧ください。(過去10年)

エプソムC・脚質別成績
逃げ【1-1-3- 5】
勝率10.0％・複勝率50.0％

先行【5-4-0-29】
勝率13.2％・複勝率23.7％

差し【4-3-7-57】
勝率 5.6％・複勝率19.7％

追込【0-2-0-36】
勝率 0.0％・複勝率 5.3％

ゆったりとしたペースで、のんびりと中団で脚を溜めているようだと、いくら約525mの長い直線でも差し届かずに終わってしまいます。そんな差し馬たちを横目に、逃げ・先行のポジションで運んでいる馬がまんまと粘り込んでしまうわけです。

前目で走っていると、馬場の走りやすいギリギリ内目の所を選んで走れるメリットもあります。

逃げ・好走馬
20年3着トーラスジェミニ　(18人気)
19年2着サラキア　　　　　(7人気)
17年3着マイネルハニー　　(6人気)
16年3着マイネルミラノ　　(6人気)
15年1着エイシンヒカリ　　(2人気)

先行・好走馬
22年1着ノースブリッジ　　(4人気)
20年1着ダイワキャグニー　(9人気)
20年2着ソーグリッタリング(5人気)
19年1着レイエンダ　　　　(5人気)
17年1着ダッシングブレイズ(5人気)
17年2着アストラエンブレム(1人気)
15年2着サトノアラジン　　(1人気)
14年2着マイネルラクリマ　(4人気)
13年1着クラレント　　　　(4人気)

伏兵馬の激走が頻繁に起こっています。

人気薄＝競馬ファンの注目が低いわけですが、これにはG1シリーズ明けというタイミングも幾らか関係していると思います。

というのも、G1は自然と引き締まったペースになりやすく、メンバーレベルも高いため抜群の切れ味を持つ馬も多数出走しています。

そんな展開や末脚勝負の残像が残っているせいで、ついつい上がり勝負に強そうな馬に目が向いてしまいます。前走で上がり1～3位の馬は【1-5-2-41】と勝ち切れていないのが実情で盲点となっています。

今回は、一足先に抜け出して粘り込みが狙えそうな馬をレビューしてみます。

※ 6月9日(金)時点のレビューとなります。

1頭目 マテンロウスカイ
キャリア11戦のうち馬券圏内を外したのはセントライト記念での1度だけ。なかなか勝ち切れなかったためクラシック路線には乗れず、休養を挟みながら自己条件を戦ってきました。

松永幹厩舎の主戦の1人である横山典騎手が気に入って乗り続けており、1勝クラスと3勝クラスに格上挑戦した2走前で逃げ切り勝ち、前走も逃げて2着と強気に自分のリズム・ペースに持ち込むことで台頭してきました。

前走は1000m通過が58秒4とペースを緩めず、最後も盛り返そうと脚を使っており、タイム差なしの2着、1分44秒7の好時計。いかにもエプソムCの傾向とマッチしているタイプなので連続好走も期待できます。

2頭目 レインフロムヘヴン
東京コースを意識した使われ方で全4勝を挙げています。

かつてはテンションが高かったり、スタートでヨレたり、操縦性が今ひとつだったりと心身ともに課題がありましたが、前走では好メンバーを相手にそういった弱点を感じさせない内容で完勝。

秋を見据えて力試し、賞金加算という意味でもこのエプソムCは丁度いい番組です。

今ならポジションを取りに行っても折り合えますし、何より好調レーン騎手が連続騎乗。脚を余すことなくしっかり走り切れば結果も付いてくるのではないでしょうか。