馬券情報・最前線(栗東編)

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チャンピオンズC(G1)
少しの運でチャンスは巡る

師走競馬1週目、今週のG1は秋のダート王を決めるチャンピオンズカップ

長い間日本のダート競馬の上位を賑わせてきたゴールドドリーム、そして一昨年の勝ち馬で昨年も圧倒的1番人気に推されていたクリソベリルが引退し、東京大賞典を3連覇中、JBCクラシック4年連続2着と現役屈しのダート馬オメガパヒュームの参戦は無く、例年よりも若干レベルが下がってうかがえる今年のチャンピオンズカップ。

よって、昨年の覇者チュウワウィザードが自然と上位人気に、そして初ダートながら血統的に注目されているソダシ辺りが人気になりそうだ。

そんな中、8歳を迎えてもG1タイトルは無く、比較的地味な存在ながらも、このレースへ賭ける思いから注目したい馬がいる。

先週、京都2歳ステークスを制したジャスティンロックの父、リオンディーズと同期のエアスピネルだ。

間もなく9歳を迎えるこの馬、しかしながら今年もフェブラリーステークス2着、そして先日の武蔵野ステークスでも2着と衰えを感じさせない走りを披露している。

思い起こせば、2歳時にはあの朝日杯フューチュリティステークスで記録的なビッグタイトルを寸前で奪われ、翌年はクラシック3冠全てに出走し4着4着3着、さらに翌年のマイルチャンピオンシップでは、またもゴール寸前でハナ差交わされ涙を飲んだが、いつG1を勝ってもおかしくない実績は積んできている。

昨年の夏からダート戦線に矛先を変えたが、前述通り衰えなくG1でも好走、まだまだ可能性を秘める一頭に間違いない。

少しでも層が薄くなっている今のダート界なら、少しの運でチャンスは巡ってくるはずだ。

鞍上は、当初は前走で手綱を取った田辺騎手が、この日は中山で騎乗予定だったものをエアスピネルのために丁寧に断り入れ騎乗予定だった。

一方、ジャパンカップで来日したライアン・ムーアは、翌週は短期面免許を取得し日本で騎乗、その後に香港カップへ参戦の予定だった。そのムーアがチャンピオンズカップで騎乗予定だったのはウェスタールンド。しかし、そのウェスタールンドが収得賞金のボーダーライン上で出走が叶うかどうかが微妙なところだった。

もし除外なら浦和記念に回るという事で、浦和記念の投票ギリギリまで様子を見ていたものの、最終的にはチャンピオンズカップは断念し浦和記念へ矛先を変えた。

手の空いたムーアに打診したのがエアスピネルの陣営。なんとかビッグタイトルを手にしたいという思いからだろう。

当初はそのムーアで落ち着いていたのだが、ご存知の通りムーアは急遽私用で帰国することになり騎乗できなっくなってしまった。

再び田辺騎手陣営に打診はしたものの、再度中山で騎乗を決めた田辺騎手からは、さすがに2度のキャンセルはできないと断られた。

G1開催場とは言え中央場所ではないローカル開催、G1騎乗が決まっているジョッキー以外はなかなか難儀、騎手起用は難航したが、最終的に藤岡康太騎手でまとまった。

ただこれも簡単ではなく、もともと藤岡康太騎手は阪神で騎乗を予定していたため、その阪神で予定していた陣営に丁寧に了解を得て、その関係者の理解があって実現できた。

藤岡康太騎手は、初G1制覇は3年目、2回目のG1挑戦で制したものの、その後は勝ち運には恵まれずまだその1勝だけ。

急遽巡ってきたこのチャンス、もちろん力の入るところ。

このチャンピオンズカップは2年連続参戦中と、レースに対しての経験はある。

今週の調教にも跨り、感触も掴んだ。

馬にとってももちろん悲願のG1制覇、そして鞍上にとっても是が非でもモノにしたい一戦、エアスピネルと藤岡康太騎手、注目してみたい。


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