馬券ネオメソッド(レース回顧編)
ジャパンカップの回顧
第36回ジャパンカップ
1着
キタサンブラック
2着
サウンズオブアース
3着
シュヴァルグラン
ラップ:
13.3-11.3-12.6-12.3-12.2-12.5-12.7-12.3-11.9-11.2-11.4-12.1
時計:2.25.8
東京芝コースの恐ろしさというか難しさというか、今週の東京芝は本当に把握しづらい馬場だったと思います。とりあえず内ラチ沿いが悪そうな印象は受けましたが、外から差して来る馬が届いたり届かなかったり、乗っている方々も作戦が立てづらかったのではないでしょうか。そんな状況だからこそ、『自分の型を持っている強み』が活きたという印象です。
控えても競馬はできるキタサンブラックですが、強力な同型がいないこのレースで、しかも最内枠まで引いて行かないという選択は現実的ではありませんし、何より、逃げて結果を出しているわけですから、ハナを切るという一貫した作戦で臨めたことは良かったのでしょう。各馬が位置取りとコース取りに苦心する中、キタサンブラックに騎乗した武豊騎手はコース取りだけに集中できたわけですから、そのアドバンテージは大きかったですね。
また、たとえば2013年(勝ち馬ジェンティルドンナ)に代表されるような、ジャパンカップらしい上がりの速い競馬にならず、スローながら上がりも掛かるというキタサンにとっては最も都合の良い馬場状態になったことも大きかったのでしょう。
もっとも、テンの3F37.2秒、5F61.7秒は楽をさせすぎですよね……全体的に消極的なレースになってしまったような気はします。リアルスティールを先行させたムーア騎手の手腕はさすがだと思いますが、結局そこで折り合いに集中してしまっては、逆に後続も動きが取りづらくなってしまいます。これはあくまで見た目の印象ですが、全体的にキタサンをマークしたリアルスティールを、他の馬たちがマークしていたという印象。その結果として、余計にキタサン向きの流れが出来上がりました。
もっとも、これはキタサンが展開利で偶発的に勝ったという意味ではありません。強い逃げ馬というのは、負かすのが難しいんですよね。捕まえに行ったら自分が潰される危険性がある以上、なかなか周りは動けないでしょうから。しかも、今回のようにリアルスティールのムーア騎手がキタサンをマークしてくれるという隊列が決まれば、自然と他馬の意識は『キタサンを捕まえた後のリアルスティールが最終的な的になる』という風に流れるのは自然の話でしょうから。まあ、これは競馬に乗ったことのない外野の見方でしかありませんが。
血統の話に関して、今回改めて指摘することはありません。もう何度も書いているとおり、キタサンブラックという馬は血統的に規格外の馬だと割り切った方がいいです。この馬をもって、ブラックタイドの適性を量ったり母父バクシンオーを理解しようと思う方が危険だと思います。ブラックタイドという種牡馬そのもののポテンシャルとして、これくらいの仕事ができる可能性があると考えることはできますが、だからといって、ディープインパクトと同等の繁殖牝馬が今後用意されるようになるとは思えませんし、ポテンシャルはポテンシャルのまま終わる可能性の方が高いはずです。
2着サウンズオブアースは冬場が合っているということもあるでしょうし、相変わらずの超相手なり。忘れないように書いておきますが、この馬、まだ2勝馬です。
3着シュヴァルグランは今後の展望が開けるレースだったと思います。今回は枠の分で戦法が制限されてしまった感じですが、それでも最後まで前との差を詰めているわけですから、これはもうGⅠに手が届くところまで来たと考えていいでしょう。
最後に、私が期待したディーマジェスティを含めたディープ産駒について。
過去の結果から、このレースにおいてディープの重要性が高いことは明らかですが、今年は全く圏内を賑わすことができませんでした。まさか1頭も来ないとは思わなかったので、この結果は驚きです。もうちょっと時計の出る馬場になった方がいいと思います。この秋の東京は、10月の開幕からずっと時計の掛かる設定になっていて、全体的にディープ産駒自体がふるわなかったというところも、今回の結果を示唆するものだったのかもしれません。
ディーマジェスティは……正直な話、パドックの映像を見た時に『ああ、ないな』と思いました。普段からパドックを見ているわけではありませんし、馬体を見る眼に自信があるわけではありませんが、そんな私ですら、全くデキがないことは分かりました。脚の運びも小さいし、全体的にコジンマりと映りました。稽古で新馬に遅れただの色々と状態面の不安を示唆する記事は平日から見てはいましたが、まあその通りだったということでしょう。
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