東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2019年8月17日]

【札幌記念】究極の狙いは…

2004年のダービーの東京競馬場、来賓室に招待されていたので、実兄を誘って競馬場に行った。同じころに競馬を始めたのだが、そのダービーのころ兄はガンの末期だった。まだ観戦に行く体力はあったが、来年のダービーは無理だろうという気がした。じっさい、60歳の兄が見た最後のダービー馬がキングカメカメハだった。翌年のダービー馬はディープインパクトである。両馬とも競走馬として卓越した名馬であったが、種牡馬としても類まれな実績を残している。まさしく日本の生産馬界の双璧であり、至宝だった。

その両馬が相次いで世を去ったのだから、競馬ファンにはいたたまれない喪失感がある。まだ18歳と17歳という若さだから、なおさら惜しまれてならない。

さて、夏競馬の華、札幌記念。かぎりなくG1に近いG2レースであり、いっそのことG1に昇格させたらという声も高い。口撃機関銃ヤマなんぞは、洋芝の競馬場であり、国際招待レースでもしたら、さぞかし盛り上がるにちがいないと旗振りせんばかりの勢いだ。たまには好い事を言うじゃないか、と私も同感である。

お盆休みもなく営業している居酒屋「青夷」。データ派のヤマの狙いは有馬記念の覇者①ブラストワンピース。パワータイプで洋芝問題なし、叩き3戦目、川田騎手とくれば、かなりの自信らしい。相手は⑨フィエールマン、⑫ワグネリアン、⑩サングレーザーを厚めにして馬連・3連単で勝負するようだ。ギャンブル狂師ミノ先生は札幌3戦3勝の⑩でこれまた大自信らしい。穴狙いのマスターはキンカメを偲んで②クルーガーの豪州G1の2着のパワーに賭けるという。

ここはキンカメとディープの弔い合戦とくれば、究極の狙いは昨年ダービー馬⑫ワグネリアンに行き着く。父ディープインパクト、母の父キングカメハメハであるから、文句なし。おそらく最強馬は⑨フィエールマンだろうが、ここは凱旋門賞前の前哨戦であるし人気にもなっているので割引して、昨年の覇者⑩サングレーザーを狙ってみる。

21日(水)の深夜には、ヨーク競馬場のG1・インターナショナルSシュヴァルグランが出走する。平坦な馬場で日本馬には走りやすいから好走を期待したい。

札幌記念

⑩-⑫ ワイド1点で勝負する

⑨を軸に①⑩⑫の3頭をからめて3連単18点で遊ぶ




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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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