東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2019年5月25日]

【日本ダービー】競馬の祭典はこの馬で…

古代ローマでは12月17日から7日間、サートゥルナーリア祭があった。農耕神サートゥルヌスを崇めながら、無礼講の日々がつづき、ローマ人が最も愛した年末の祝祭週間であった。

無礼講だからやりたい放題だったらしいが、今年のダービーにはそんな羽目はずしは通用しそうもない。皐月賞1~3着馬は僅差の同タイムであり、これら3頭は他馬より抜けているのではないだろうか。

さしもの居酒屋「青夷」の競馬有識者の面々も3強ムードには掉さすつもりはないらしい。でも、無敗の⑥サートゥルナーリアを脅かせるのは、⑦ダノンキングリーか⑬ヴェロックスか、議論は集中する。口撃機関銃ヤマは東京巧者の⑦に逆転の期待をかけるらしい。ギャンブル狂師ミノ先生もオークス馬ラヴズオンリーユーと同じ父と同じ母父をもつ⑦を狙うとか。穴狙いのマスターは皐月賞で後方から6着までよく差をつめた点に注目して⑯タガノディアマンテに注目するらしい。マンカフェ応援団長の熟女馬券師ワフさんは母馬がマンカフェ産駒の⑪レッドジェニアルに白羽の矢を当てる。数霊ピュタゴラス派の熟女占師コウさんは86回ダービーなのに本命⑥が入り、武豊騎乗の⑧メイショウテンゲンにも気をそそられるとか。日差しの強いダービーになりそうだが、居酒屋「青夷」の常連グループはダービーのスタート地点の芝地にシートを敷いて観戦する。

私は、⑥サートゥルナーリアの力はすこぶる抜けている、と思う。あくまでダービーが目標だというから、3か月半の休養明けで皐月賞を制したのは並々ならぬ資質を感じさせるのだ。

実のところ、私は皐月賞の同馬の単勝馬券100円を買い、払戻しせずに持っている。クラシック第1戦目から記念の単勝馬券を買ったのはディープインパクト以来であり、同馬の力はディープ級に近づきつつあると期待している。だから、勝負馬券とは別に、今回も⑥の単勝100円はまず手に入れるつもりだ。

あとの2頭⑦ダノンキングリーと⑬ヴェロックスとでは迷うに迷うが、ここでは東京コースの実績に注目。前者が2戦2勝なら後者は1戦着外。迷いは切れた。


日本ダービー

⑥-⑦ ワイド1点で勝負する

⑥-⑦2頭軸で3連複総流し16点で遊ぶ

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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