第872回&第873回
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【関西事情通のちょっとイイ?話】
●ひとしお●
今週で函館・福島・中京の開催が終了する。特に北海道シリーズ函館はこの時期だけの開催、今週が終わると来年まで開催は無く最終週という雰囲気もひとしお。
その函館開催でリーディングジョッキーを争っているのが
藤岡佑介騎手と
池添騎手。
とりわけ藤岡佑介騎手は母方の地元が函館とあってこの開催への思いも強く、初めて迎える開催リーディングトップの最終週に力も入っている。
土曜日終了時点で13勝を上げトップ、2位の池添騎手は10勝なのでひとまず3勝のアドバンテージがある。
日曜日は9鞍に騎乗。最後騎乗は重賞の
函館2歳Sになる。
騎乗馬
ビアンフェは、新馬戦では2着に敗れたものの、デビュー前の栗東で調整されている頃から調教でも跨り、いい感触を掴んでいた1頭。
母ルシュクルは函館2歳Sは6着だったものの函館で新馬勝ち。そして姉のブランボヌールも母同様に函館で新馬勝ちし、そして函館2歳Sをも制したとあって、このビアンフェも函館デビューから函館2歳Sという青写真が描かれていた。
ただ新馬勝ちでは無いため、今年は抽選対象となってしまった。4分の2(確率50%)の抽選を見事クリアし出走枠に入ったものの、もし他に何か1頭でも回避が出るようならば、同オーナーで新馬勝ちしたゴッドスターを回避させる(そうすればビアンフェは抽選無く出走が叶う)のでは…と噂されていた。陣営としてもこのビアンフェに賭ける思いは強いようだ。
開催リーディングジョッキーを狙う藤岡佑介騎手、見事リーディングを獲得し、陣営の期待も高いこの馬で函館2歳Sを勝利すれば、リーディングに大きな花を添える事になる。こだわり続けた函館開催なだけに、やはりその思いはひとしおだろう。その騎乗振りには注目したい!
【美浦の『聞き屋』の囁き】
●夏は牝馬?それとも3歳馬?●
サマーマイルシリーズの第一戦目となる
中京記念。
古馬VS3歳勢の構図になっており、まずは古馬陣について。
ハンデどおり実績最上位なのが
プリモシーン。
前走のヴィクトリアマイルの後、早々に中京記念からというローテーションになったようだが、回復が遅ければ関屋記念へとスライドする、という2段構えで調整。
今週出走してきたということは、走れる状態にまで回復したということ。評価は落とせない。
ロードクエストはデムーロ騎手自身が乗りたいと、志願したとのこと。
昨年のスワンSでみせた末脚が鮮明に記憶に残っているようで、お気に入りの1頭。
このあとは順調ならサマーマイル第二戦目となる関屋記念、第3戦目となる京王杯AHまですでに予定を組んでいるようで、3戦ともにデムーロ騎手が騎乗してサマーマイル王者を本気で狙っているようだ。
3歳勢からは関東馬ではないが、
グルーヴィットに注目したい。
なぜかというと、前走で騎乗したレーン騎手にレース後話を聞いたところ、「前に進路ができるだろうとアテにしていたグランアレグリアとダノンチェイサーの後ろでゴチャついてしまい後手に回ってしまったのが痛かった。進路さえできていれば間違いなく上位争いに加われるだけの脚は残っていた」と、話していたのが忘れられないから。
3着だったカテドラルとの差は0秒4差だけ。
人気面を考えてもグルーヴィットの方に妙味がありそう。
ここを勝てばサマーマイル王者に加えて、秋のマイルCSがうっすらと見えてくる大事な戦いになる。
【競馬場から見た推奨馬券】
いよいよ福島も最終日。それなりに美味しい馬券もあったが、全般的にはやはり難しかった。特殊な馬場だったから仕方ないが、例年通りとも言える。
この週末は、急激に蒸し暑さも増しており、バテる馬も出てきそう。
馬券は、あまり無理しない方が良いかも。
とりあえず穴っぽいところで、
福島3R。
狙い馬は、13番
フィストバンプ。
前走の未勝利戦は、人気のアペタイザーが掛かり気味に逃げ、それをサウスブルーグラスとフィストバンプが追いかける速い流れ。前半4Fまでのラップが、同日の2勝クラスとほぼ一緒のものだっただけに、未勝利ではやはり速い。当然、アペタイザーは失速したが、早目に交わしに行ったフィストバンプは、なかなか渋太かった。直線半ばまで先頭で、内をすくって巻き返すサウスブルーグラスとマッチレース態勢。後方からきた 1、2着馬に差されはしたが、先行2頭の渋太さも目を引いた。
2頭の中では、内ラチをすくった3着サウスブルーグラスより、サウスの外に併せて先に動いた4着フィストバンプの方が、首差なら価値は上。
しかも、フィストは1カ月開いて+10kg
だっただけに、上積みも見込める。
先着したサウスブルーグラスが人気のようだが、馬券的にはフィストバンプを買う方が、賢い選択だ。
馬連 2-8 8-14 8-9 1-8
3連複 8の1頭軸 1.2.6.9.14に流し
自信度 C
もう一鞍もダート戦。
福島8Rは13番
ラージヒルが狙い目。
超ハイレベルの未勝利戦(レオンドーロ、サトノエルドール、ポルーニン、クラサヴィツァなど、すぐに勝ち上がって、上のクラスでも活躍している馬ばかり)を勝ったことで注目している馬だが、休み明けの昇級戦でも僅差の3着。初のダート戦の前走も、勝ったカフェクラウンは別格だけに、2着は価値が高い。
未勝利時も芝の重馬場で好走していたように、瞬発力勝負よりもパワー勝負型。それだけにダートは合うのだろう。
降級馬のいない今年度、下級条件は3歳馬を狙うのは鉄則。
4週連続、併せ馬でハードに追われているだけに仕上がりも良さそう。むしろ急激に暑くなった現状、使い詰めの馬よりも走れるのでは?
単勝 13
馬連 8-13 3-13 12-13
3連単 13の1頭軸マルチ 2.3.8.12に流し
自信度 C
【関西事情通のちょっとイイ?話】
●荒れる?サマーシリーズ●
今週で函館・福島・中京の開催が終了し、次週からはサマーシリーズも第二章、本格的な夏競馬へと突入する。
函館最終週のフィナーレは
函館2歳S、そして夏の中京最終週は、コース大改修後にこの時期に移設され距離もマイルになり、サマーマイルシリーズの第1戦として確立されてきた
中京記念が行われる。
ハンデ戦という事もあり、昨年こそグレーターロンドンが勝利を上げたが、近年は1番人気馬の凡走率が非常に高い波乱重賞のひとつ。
恐らく1番人気はヴィクトリアマイル2着のプリモシーン、そしてNHKマイルC3着のカテドラルが全国リーディングトップをひた走る川田騎手鞍上という事も手伝って人気になりそうだ。
GI好走馬が上位人気に推されるのは当然な事なのだが、そのGIの舞台で力を出し切れず評価が下がっている馬もいる。
例えば前述のNHKマイルCで10着と敗れた
グルーヴィット。確かに着順だけ見れば2桁の大敗なのだが、差は勝ち馬からコンマ5秒、それも直線では抜け出すスペースをなかなか確保できず、ほとんど目一杯に追われることの無いレースだった。
この時の鞍上は
ダミアン・レーン騎手。そう、ご承知の通り初来日にしてGI2勝を含む重賞6勝を始め、僅か2ヶ月余りの間に37勝、しかも勝率30.1%という驚異的な数字を残した名手。
その彼が、この来日中でも特に悔やまれるレースが、この時のNHKマイルCもそのひとつだと言う。スペースがあれば勝ち負けに加われたはずだったと、かなり悔しい思いをしたようだ。というのも、手綱を取ったグルーヴィットはその乗り味から勝ち負け出来る馬という感触があったからだろう。実際、レース後に彼は「GIレベルでも十分活躍できる」と話していた。
今回の舞台である中京コースは初芝だったファルコンSでいきなり結果を出しているコース。そして前走と舞台は違えど今回も同じ左回りのマイル戦、そこで先着されたカテドラルとは今回は斤量1キロのアドバンテージもある。唯一、鞍上の実績に差はあるものの、そのダミアンの話からすれば逆転する可能性は十分あるはずだ。人気を考えればむしろこちらに注目だろう。波乱の立役者となるのではないだろうか!
【美浦の『聞き屋』の囁き】
●若手の台頭●
藤田菜騎手は1年目が6勝、2年目が14勝、3年目の昨年が27勝。
そして今年は先週までの時点で18勝。
大きな怪我さえなければ昨年の勝ち星を上回る可能性はかなり大きい。
減量の特典が大きいとはいえ、日曜日の福島で11鞍に騎乗。特別競走での依頼も増えており、人気だけではないことも証明。
土曜日は中京へ遠征。
さすがに関西圏では2鞍しか集まらなかったが、お目当てのメインレースで
マイウェイアムールは無事に出走予定。続けて乗りたいと志願したとのことで、それだけ自信と期待がある、ということだろう。
夏競馬が始まって函館では横山武騎手、福島では野中騎手と木幡育騎手などが勝ち星とともに、人気薄の激走で穴を演出。
若手騎手の台頭なくして競馬は盛り上がらない。新しい力を応援していきたい。