第888回~第890回
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【関西事情通のちょっとイイ?話】
●優先出走権は誰の手に!?●
今週は、ハッピーマンデー制度が導入されてから非常に多くなった3日間競馬。最終日の月曜日は、そのハッピーマンデーに行われる事の多い
セントライト記念。
ご存知の通り菊花賞トライアルではあるものの、例年は次週の神戸新聞杯に有力馬が揃うため、本番での好走馬を輩出することは多くない。
ただ今年の場合は、ダービー馬は既に引退、皐月賞馬も秋の天皇賞へ矛先を変え、ダービー2着馬はマイル戦線へと、クラシック上位入線馬で菊花賞出走を予定しているのはヴェロックスくらいで、牝馬戦線以上に混沌としてきている。
それがゆえか、今年は例年なら神戸新聞杯へ出走していそうな有力関西馬がこのセントライト記念の方に多く参戦してきており、2勝馬が抽選になるように全体的なレベルを押し上げている感がある。今年は本番での好走馬が出現するかも知れない。
そういう意味で、実績馬の走りは注目なのだが、やはりトライアルはトライアル、馬券的な注目で言えばまだ本番への権利が無い組。中でも…
抽選対象組には気になる馬が多い。
例えば
ルヴォルグ。新馬戦を圧勝した素質馬。ただその後は幼さが抜けず軌道に乗らなかったものの、休養を挟んだ前走はひと皮むけた内容で圧勝、成長が窺える。
抽選対象にも関わらずルメールが手綱を取るのだから、それだけの期待はあるのでしょう。
関西からはそのルメールのほか、ミルコ・川田・福永・池添騎手、そして藤岡佑介騎手と参戦するのだが、中でも藤岡佑介騎手の月曜日はこのひと鞍のみ。要はこのレースのためだけに遠征してくるという事になる。
その騎乗馬は、まだ2勝馬の
エングレーバー。そう、抽選対象であり、もし除外だった場合は騎乗馬が無くなり「お休み」となってしまうところだった。
普通、そんなケースでは遠征しないもの。それでも遠征するという事は「好勝負になる」という思いがあるからこそ。今回の藤岡佑介騎手もまさにそれだ。
このエングレ-バーには、今回と同じ中山に出走した2戦目で勝利を上げ、続く3戦目も騎乗、ここで恐らくこの馬の乗り味に感じるモノがあったのだろう。その後、手綱を取っていないがプリンシパルSでも2着し、世代上位馬と差は無い事も証明された。
休み明けの小倉で取りこぼしてのここではあるが、その小倉でも上手く立ち回っていたように、小回り向きの器用さもあるこの馬、今回の舞台でも大きな武器になるだろう。
藤岡佑介騎手と菊花賞と言えば、2年前のクリンチャーが記憶に新しいが、2008年にも2桁人気のフローテーションで2着がある。騎乗機会は5回しかないだけに、相性のいいレースと言っていいだろう。
その菊花賞出走へ向けてぜひとも優先出走権を得て欲しいものだ。
【競馬場から見た推奨馬券】
皆様、土曜、日曜の競馬はいかがでしたでしょうか?調子の良い方はもう一日楽しめ、負けが込んでる方はラストで一発逆転の可能性がありますね。
ただ、中山は日曜の夜からずっと雨予報。
まだ極端に悪くはならないだろうが、上滑りする芝状態になりそう。
ダートは更に早くなると思って良さそう。
まずは
中山4Rの障害戦。
中心は5番の
ラテールプロミーズだろう。
前走の初障害戦は無難な飛越を見せ、楽な手応えで来ていたが、3、4コーナー中間の障害で躓いてリズムが崩れた。あのままスムーズに行けていたら、勝つまでありそうな手応えだっただけに悔やまれた。
休み明けでプラス10キロだったことから、当然上積みが期待できる。
また中山替わりも良い。新潟より平地力が要求されるし、直線ダート。平地ダート4勝の実績がものを言うはずだ。
もう一頭食指が動くのが、6番ダイワスキャンプ。こちらも前走が初障害。こちらは初障害のせいか、向正スタートからスタンド前までかなり引っかかっていた。広い新潟で、外から2頭目の枠ということもあっただろう。ただ、飛越自体は巧いと感じられた。さすがに引っかかった分、伸びを欠いたが、初障害としては上々の内容。こちらも直線ダート替わりは歓迎だし、小回りでバンケットもある中山の方が、折り合いもつけ易い。
馬連 5-6
ワイド 5-6
自信度 B
もう一鞍は、雨でも問題ないダート戦。
中山10Rは、高速ダートで1番
アカネサスのスピードに期待する。
昇級後2戦も、スピード任せの競馬で好走しているが、3走前の1勝クラス勝ちが、翌日の2勝クラスの時計を上回っていただけに、当然の結果。2走前にハナ差敗れた2着馬は、次走で勝ち上がっており、同馬もそのレベルにあることは間違いない。
今回は距離延長となるが、1400mでも勝ち鞍があるし、脚抜きの良いダートだけに前半のリードで押し切れると見た。
単勝 1
馬連 1-9 1-16 1-15
3連複 1-9-16 1-9-15
自信度 B
【関西事情通のちょっとイイ?話】
●この後も注目になるか!?●
サマーシリーズも終わり、今週は気候も幾らか涼しくなり季節も秋を感じるようになってきた。今週は、その秋の大舞台、牡馬も牝馬も3冠最終戦となる菊花賞・秋華賞のトライアル戦が行われる。
日曜日は阪神で秋華賞トライアルの
ローズS。現時点での出走賞金ボーダーは、降級制度がなくなった影響もあってか、どうやら3勝以上の収得賞金1500万組が抽選になる可能性もあるほど高い様子。ゆえに、このトライアルに出走している中では、その賞金に満たない組の勝負度合いは当然高い。
そんな中で、夏の小倉で2勝目を上げた
ビックピクチャーは、話題的にも注目してみたい。
夏の小倉と言っても、夏真っ只中の8月、しかもその8月中に3走し、前走にいたっては連闘、半姉のGI馬ストレイトガールも4歳夏には函館で約2ヶ月の間に連闘を含み6走し、4連勝を挟んで6連続連対を果たしたが、父も馬格も違うものの同じ様な雰囲気は漂う。
手綱を取るのは引き続き岩田望来騎手。ご存知の通り今年デビューの新人、師匠はこのビックピクチャーを管理する、リーディング争いの常連である藤原英昭師。預かったからには育てなくてはという思いもあってか、岩田望来騎手のデビュー当時は、厩舎の成績を犠牲にしてでもチャンスを与えてきたように思える。それが実り、この夏から漸く結果が伴うようになり、同期の新人で一番勝ち鞍を伸ばしている斎藤新騎手に迫ろうとする勢いもある。
今回は重賞、しかもGIへの出走権利が懸かる重要な一戦を任された。
まだ特別勝ちさえ無く、重賞出走もこれが3回目、キャリア的にもまだまだだが、その夏を越して成長した勢いと、師匠への思い、さらに厩舎縁の血統馬での参戦ともあって、「期待に応えたい」という、このレースへの意気込みはかなり強い。
ここで権利を獲ることが出来れば、本人もまた自信になり、今後さらなる活躍が見込めるだろう。そしてもし勝つ事が出来れば、同期の新人では一番乗りとなり、一気に躍進するはず。その可能性も秘めているだけに、注目してみたい。
【美浦の『聞き屋』の囁き】
●昇がり馬はどこ!?●
今年の菊花賞は中心となる馬が不在の模様。
というのも、皐月賞馬サートゥルナーリアは来週の神戸新聞杯から距離適性を重視して、菊花賞ではなく古馬と対戦することになる天皇賞・秋やジャパンカップが濃厚。
ダービー馬ロジャーバローズはすでに引退。
皐月賞3着、ダービー2着のダノンキングリーは毎日王冠からマイルCSへ。
アドマイヤマーズは富士SからマイルCSか香港遠征とのこと。
つまり、今年のクラシック戦線上位組で菊花賞へと向かうのはヴェロックスだけ、ということになる。
こうなるとチャンスがあるのが、春のクラシックに間に合わなかった別路線組。
今年から降級制度がなくなったことで、夏競馬では斤量面で有利な3歳馬の勝ち上がりが例年以上に増加。そのため、以前で言えば準オープンの3勝クラスとなる馬が多くなり、それに伴って賞金ボーダーラインも上昇。
これまでは1勝馬でも出走できたセントライト記念だが、今年は2勝馬で3頭も除外が出るほど頭数も多く全体的なレベルも高かった。
古馬と戦ってきて勝ち上がった馬が菊花賞で活躍する例は過去にも多くあり、ここのメンバーの中にも面白い存在の馬が多数。
春のクラシックには間に合わなかった新勢力が現れることを楽しみにしたい。
【競馬場から見た推奨馬券】
中山は、日曜の夜から降り出すとの予報。土曜の朝に少々の降雨があったようだが、日曜の競馬には影響なさそう。
引き続き、芝、ダートともに高速馬場の決着と見て良さそう。
まずは
中山3R。内枠有利の1800m戦、迷わず内枠の先行馬を狙う。
狙い馬は3番
ヴィアメント。厩舎の期待馬で、入厩当初から評価は高かった。そこでデビュー戦のパドックも期待していたが、確かに馬っぷりの良さは目を引いた。
ただ、ちょっと立派過ぎるように映ったことと、集中力を欠いている感じもあった。そのせいで手応えの割に伸びを欠いたようだ。当然このタイプは実戦を使われれば、肉体的にも精神的にもガラッと変わるはず。
そんな気配でも軽快な先行力を見せていただけに、今回は行きっぷりも更に良くなるはず。
馬場傾向、枠順を味方に、今回は勝ち負けの競馬になると見た。
単勝 3
馬連 3-12 3-15
3連複 3-12-15 3-12-14
自信度 C
残念ながら、日曜は他に食指が動く馬が見当たらず、月曜の競馬に期待することとする。
【美浦の『聞き屋』の囁き】
●2週連続の重賞制覇となるか●
先週行われた紫苑Sを制したパッシングスルーは戸崎騎手とのコンビで2連勝。
このあとは短期放牧で調整して秋華賞へ向かう予定。
その戸崎騎手は今週の
ローズSでオークス4着だった
ウィクトーリアに騎乗。
ウィクトーリアも順調ならこのまま秋華賞へと駒を進める。
となると、戸崎騎手はパッシングスルーかウィクトーリアか、どちらかを選ばなければいけないことになる。
どちらの馬もノーザンファーム生産なので、戸崎騎手の希望は通るかもしれないが、現時点では今週の結果にかかわらずウィクトーリアに騎乗することが濃厚とのこと。
つまり、パッシングスルーは乗り替わることになる。
ただ、もしウィクトーリアの結果がまったく振るわなかった時や、レース後に体調を崩すなどで回避となった場合には、パッシングスルーは戸崎騎手へと戻る可能性が大きい。
お手馬が2頭いることで、戸崎騎手とすれば保険をかけることができているので精神的な余裕が生まれる。
気持ちに余裕があれば、思い切った競馬がしやすく周りも良く見えることが多いはず。
そうなると、さらに好結果が生まれる好循環のサイクルへとなる。
関東リーディングを独走しており、年間100勝もすでに射程圏内。
秋には大物外国人騎手が短期免許で来日してくる予定だけに、その前に改めて存在感を示しておきたいところだろう。
【競馬場から見た推奨馬券】
先週の中山は超高速馬場。想像していたよりかなり速い時計が続出し、差し、追い込み馬は、かなり手こずった。
パサパサに見えたダートでさえ、イメージより1秒近く速かった。こちらも、やはり先行勢の活躍が目立った。
今週も、この傾向は大幅には変わりそうもなく、脚質、速い時計への適応性を重視して馬券を組み立てたい。
まずは
中山4R。現在の馬場状況を考えると、内枠有利の1600mで外枠や追い込みはかなりの不利。内枠である程度先に行ける馬の勝負と見た。
そこで狙い馬は4番
ハーモニーマゼラン。
新馬、2戦目は太目残りだったことと、うるさかったので行きっぷりが悪かったが、前走は落ち着きが出て、馬体もだいぶ締まった。その分、発馬がスムーズで楽に好位を取れた。早目に先頭に立って遊んだ分、1.2着馬に差しこまれたが、瞬発力の差もあったかも。
その点今回は、最後に急坂のある中山。早目先頭でも、パワーで押し切れると見た。
とにかく、一戦毎に馬体が絞れて、幼さも抜けて来ている。馬っぷりの良さからも、そろそろ勝たなくてはいけない馬だ。
単勝 4
馬連 3-4 2-4 1-4 4-10
自信度 C
中山12Rは、4番
ルイジアナママの先行力を重視。ただでさえ先行有利な中山の1800mだけに、現在の馬場状態を考慮すれば、好枠を引き当てた同馬の中心は当然と言って良い。
前走の新潟戦も仕上がりは良かったが、1.2着馬が強かった。勝ったシングフォーユーは、スイートピーSでカレンブーケドールとクビ差の接戦。2着のディグラージャも関西の評判馬で、新馬を1番人気であっさり勝ち、前走で500万も2着していた馬だ。
その2頭を相手に、放牧明けで0.2秒差の3着なら、評価できる内容。しかも前走は外回りでワンターンの2000m。決して先行有利とは言えなかった。
放牧明けを叩いた上積みと、コース替わりを考えれば、今回はかなり有力と見る。
馬連 4-7 4-14
3連複 4-7-14 4-7-12 4-7-13
自信度 B