馬券ネオメソッド(レース回顧編)
セントウルS&京成杯AH&紫苑Sの回顧
第33回セントウルS(GⅡ)
1着
タワーオブロンドン
2着
ファンタジスト
3着
イベリス
ラップ:
11.9-10.3-10.8-10.8-11.3-11.6
時計:1.06.7
土曜日に続き、日曜日もかなり時計が速かった阪神芝コース。その馬場差は-1.7秒ですから、1.06.7秒のレコードは少し鵜呑みにしづらいところもあります。ただ、その時計以上に楽な勝ちっぷりが目を引いたタワーオブロンドン。ほぼ馬なりで後続に3馬身差ですからね。今日のメンバー相手では力が二枚くらい違ったということでしょう。
前走のキーンランドCが、外枠外回し勢優勢の馬場設定の中、真ん中枠から内目を通らされる不利な状況の2着。その時点で優秀なスプリンターだと見ていましたが、そこから中1週の今回で完全にベールを脱ぎましたね。
2着のファンタジストはかなり収穫のある競馬でした。マテラスカイとラブカンプーの雁行状態でペースが速くなる中、その外に併せる3番手追走から粘り込み。かなり負荷の掛かったレースをしており、よく2着に踏ん張ったというレース振り。前走は出遅れて競馬になりませんでしたが、やはり1200が良いんですね。これは今後も要注目です。
3着イベリスは、直線でモタれ気味になったミスターメロディに再三アタックを掛けられるタフな競馬ながら、それを撥ね退けて2着争いに加わる味な内容。この馬もまだスプリンターとして底を見せていませんから、やはり今後が楽しみ。
高松宮記念の覇者ミスターメロディは、ちょっと案外な伸びあぐね。左回りの方が良いことは今日の走りを見ても明らかですが、高松宮記念が当時のトラックバイアスに乗っかる完璧な競馬だっただけに、まだ絶対王者として君臨するまでの能力は備えていない印象を受けました。ひと叩きでどこまで変われるかでしょう。
一応、勝ち馬がネヴァーベンド系保持馬で、2、3着馬はストームキャット系内包馬(父ロードカナロア)。血統テーマに沿った決着だったと言えなくもありませんが、正直、ストームキャット系に関しては内包まで含めると該当馬がかなりいたので、この結果でオーライとはなりませんね。難しい決着になりました。
第64回京成杯オータムH(GⅢ)
1着
トロワゼトワル
2着
ディメンシオン
3着
ジャンダルム
ラップ:
12.3-10.6-10.4-10.9-11.2-11.4-11.5-12.0
時計:1.30.3
この日の中山芝は-1.6秒の高速馬場。ある程度速い時計は出るだろうなと思っていましたが、さすがにここまで速いとは……レオアクティヴが1.30.7秒の快時計で勝った2012年以来、久々に現れた中山の超高速設定。そういえば、そのレオアクティヴも横山典弘騎手の手綱でしたね。
勝ったトロワゼトワルは、思い切ったハナ切りの作戦がズバリ嵌りました。戦前の段階で逃げ馬不在が囁かれ、スローの決め手比べになるのではないかという見立てもあった中、それを覆すハイラップの前傾戦に持ち込んだ戦略が見事。アテが外れた馬たちも多かったのではないでしょうか。時計の出る流れだったとはいえ、馬場差を考えても相当速い時計での押し切りは完勝というほかありません。
ただ、個人的には2着ディメンシオン、3着ジャンダルム。この決着に改めてサドラーズウェルズ一族の中山マイル重賞適性の高さを感じました。今年の該当馬は、予想コラムでも指摘したとおりこの2頭だけ。ともに人気薄の立場でしっかり馬券になるわけですから、凄まじい条件適性です。今後も、絶対に忘れてはいけない血統テーマです。
第4回紫苑S(GⅢ)
1着
パッシングスルー
2着
フェアリーポルカ
3着
カレンブーケドール
ラップ:
12.2-11.1-12.2-12.3-12.7-11.8-12.0-11.5-11.0-11.5
時計:1.58.3
土曜日の馬場差は-1.5秒。昨年が-1.2秒で1.58.0秒の決着でしたから、馬場差を考慮して単純に決着時計を比較すると、昨年より0.6秒遅い決着ということになります。
レースの流れは、スローからの典型的瞬発力比べ。結果的に好位勢がゴッソリ残ることになりました。正直、やや淡泊なレースで秋華賞直結度という点では、重賞昇格以降、一番小さいかなと思われます。
まず、本命に期待したフィリアプーラについて。道中は内目を通ってコースロスを最小限に抑え、直線に向いたところでも手応え抜群。多少捌くのに手間取った場面もありましたが、概ね不満のない立ち回り。これで伸びを欠いたあたり、現状は2000でも長いのでしょう。アルフレードの下らしく、マイル路線でもう一度見てみたい馬です。
勝ったパッシングスルーは、母母父シアトルスルー。今年のメンバーで唯一のボールドルーラー系内包馬でした。予想コラムでも指摘した通り、かつてOP特別時代からこのレースと相性の良いボールドルーラー系。昨年に続き今年も好走馬に絡んだことで、来年以降も見逃せない血統となりました。
2着フェアリーポルカと3着カレンブーケドールは、ともにオークス出走馬で、これは重賞昇格後の紫苑Sらしい上位入線。ただ、上位入線というのは事実としても、イメージ的には最先着のカレンブーケドールが人気を裏切っていることを考えると、今年の紫苑Sは、OP特別時代に近いイメージで捉えた方がいいような気がします。
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