馬券ネオメソッド(レース回顧編)
新潟記念&小倉2歳S&札幌2歳Sの回顧
第55回新潟記念(GⅢ)
1着
ユーキャンスマイル
2着
ジナンボー
3着
カデナ
ラップ:
12.7-10.9-11.3-11.7-12.0-12.5-12.0-11.3-11.1-12.0
時計:1.57.5
まずは前半3F34.9秒、これは速いですね。しかも、この前半でありながら、後半も大きく失速せず、結局、前後半5F58.6-58.9秒のほぼ平均ラップで1.57.5秒ですから、意外にレースレベルは高いと言えるんじゃなしょうか。ちなみに、手元の計算だと日曜新潟芝の馬場差は+0.3秒。決して時計の出る馬場ではありませんでした。
それを考えれば、まず評価したいのは4着ブラックスピネル。ケレンミのない逃げを打って堂々と4着に踏ん張るのですから立派なもの。3走前の鳴尾記念で9頭立て5人気3着と穴を開けましたが、今後も重賞戦線を味付けする貴重な存在になると見ています。
次が2着ジナンボー。最後は勝ち馬に内をすくわれましたが、正攻法の競馬で重賞ウイナーと叩き合いに持ち込み、クビ差、後続に2馬身は立派な走りでした。さすがは超良血馬ですね。
勝ったユーキャンスマイルは、元々、操縦性に課題がある馬で、これまでの戦績を合わせてみても、どうやらサウスポーという個性があるのでしょう。左回りだと走りが段違いに良いですね。東京GⅠに万全の状態で出てくれば、かなり良い競馬をしてくれそうです。
また、今回は岩田騎手の馬場読みも冴えていました。今年の夏の新潟は例年ほど外一辺倒という感じではなく(開催途中にそんな時期はありましたが)、意外に馬場の真ん中より内でも勝負になる馬場設定。岩田騎手はこのレースに至るまでの芝レースで騎乗し、この馬場設定を読み切っていたのでしょう。道中は無理に位置を取らず、各馬が4角で外に固まることを想定した絶妙のコース取りを見せました。
私が期待したフランツは、勝ち馬とほぼ同じ競馬をした結果5着。ジリジリと伸びてはいましたが、今日の結果に関しては力負けを認めざるを得ません。前走の内容を少し過大評価してしまったかもしれず、反省の残る本命選択となってしまいました。
第39回小倉2歳S(GⅢ)
1着
マイネルグリット
2着
トリプルエース
3着
ラウダシオン
ラップ:
12.0-10.5-11.2-12.2-12.0-12.6
時計:1.10.5
2着トリプルエース、3着ラウダシオンともにガッツリ出遅れた2頭。それで上位に入るわけですから、能力的にはこの2頭が抜けていたと言えます。
ただ、それを上回ったのがマイネルグリットの経験値と完成度。いかにも2歳重賞らしい決着でした。
今週の小倉芝はなかなか難解で、内より外の方が馬場は良いが、内も壊滅してはおらず、意外に内を通しても勝負になるという複雑な馬場でした。上位3頭がそれぞれ違ったコース、戦法だったことがそれを証明しています。
人気を裏切る形になった7番カイルアコナは、馬場が堪えましたかね。初戦で特殊なラップを勝ち切っていて、重賞でも勝負できる能力は感じていましたが、重い馬場より軽い馬場で速力を活かした方が良いタイプなのでしょう。
私が期待したゼンノジャスタのコース取りは、小倉最終週の芝1200のセオリーに近いものだったので、何とかなるかと思った瞬間もあったのですが、結局、前を捕まえられず後ろにも交わされてしまっては……。
第54回札幌2歳S(GⅢ)
1着
ブラックホール
2着
サトノゴールド
3着
ダーリントンホール
ラップ:
12.3-11.5-12.2-12.3-12.3-12.5-12.5-12.3-12.5
時計:1.50.4
約2秒近い前傾ラップからの消耗戦。ゴール前、映像を見ていた方は「札幌の直線ってこんなに長かった?」と思われたのではないでしょうか。終い37.3秒とラストは完全に全馬がバテているという状況になりました。
基本的に、札幌2歳Sは上下動の少ない平坦ラップがデフォルト。その意味で、今年は例年より序盤の負荷が大きかったことで、より一層、底力とスタミナが問われることになりました。
そんな状況で、ワンツーを決めたのがゴールドシップ産駒というのは実に象徴的。既に優秀な後継種牡馬を輩出しているステイゴールドに、また1頭、楽しみな後継機が誕生したなという印象。この系統特有の個性として、コンスタントに走る馬を出すことはないでしょうが、今後も、底力とスタミナに秀でた大物を単発的に出してくると考えられます。
3着にダーリントンホール。レース振りだけ見ると、最内枠がアダになって勝負所でだいぶ踏み遅れたようにも見えますが、個人的には今日の流れを考えれば怪我の功名的なところもあったと思います。あのまま手応え通りに抜け出していたら、最後に差し馬の強襲を食らってさらに着順を下げたかもしれません。もっとも、内枠不利な状況が続く今の札幌芝で、これだけ走ればまずは合格点かなとも思います。今後の成長に期待です。
ちなみに、この馬は父がサドラーズウェルズ系ニューアプローチ。例年の血統通り、欧州性の強い血が活きた格好です。
人気を背負っていたゴルコンダは、どうやら落鉄(鉄がズレていたという表現が使われていたので、正確には“落ちて”はいなかったのかもしれません)があった様子。前走とは別馬のような走りでしたから、そのあたりに要因があったのでしょう。鉄は完全に外れてしまうより、ズレて残っていた方が走りにくいです。裸足で走るのと、靴の踵を潰した状態で走るのとどちらが走りやすいか、想像していいただければわかりやすいかと。
もっとも、この日の札幌芝の馬場差が+0.9秒。スピードが持ち味の馬ですから、そもそも今日くらい時計が掛かる馬場がマッチしていなかったという面はあったと思います。ネオウィズダム、エルゴレアと1400巧者が並ぶ母系。今後のローテは分かりませんが、まずは京王杯2歳Sあたりで適性を確認したいところです。
期待したディアセオリーは、さすがにこの流れで前付けから4角先頭では厳しすぎます。ああいう競馬が現状はベターだと思うので、乗り方は責められず、今回に関しては流れが不向きだったと割り切るしかありません。
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