馬券ネオメソッド(レース回顧編)
プロキオンS&七夕賞の回顧
第24回プロキオンS(GⅢ)
1着
アルクトス
2着
ミッキーワイルド
3着
ヴェンジェンス
ラップ:
12.3-10.5-10.5-11.0-11.7-12.2-13.0
時計:1.21.2
まずマテラスカイの話から始めないといけないでしょう。
18年 11.9-10.7-10.9-11.2-11.6-11.2-12.8(-2.7秒)
19年 12.3-10.5-10.5-11.0-11.7-12.2-13.0(-2.2秒)
※カッコ内は馬場差
今年と昨年の馬場を比べると、0.5秒昨年の方が速かったわけで、それを考えれば今年の前半3F33.3秒は超が付くハイペース。マテラスカイにとっては昨年よりも負荷の掛かる逃げになったといえます。
要因となったのは、サクセスエナジーの存在。
昨年と同じ1枠1番を引いたサクセスエナジー。昨年はスタート直後の芝部分で隣の馬に前に入られ、結果、後手に回って4着まで。あの記憶があったのでしょう、今回はマテラスカイを負かすため、何としても番手をキープしようという意識があったのだと思います。昨年と違い、今年は序盤から積極的に出して行って番手をキープ、終始マテラスカイをマークする戦法を取りました。結果、マテラスカイは突つかれてペースを上げざるを得ない状況に。
3番手に構えたヴェンジェンスについても、やはり揉まれると良くない馬という個性から、あの位置から中途半端に出すわけにはいかず、結果的にハイペースを追走する形。これもマテラスカイにとってはプレッシャーになったことでしょう。
正直、世界レベルの先行争いを踏ん張ったマテラスカイなら、これくらいのペースでも踏ん張るのでは!? と思いましたが、さすがにラストで脚が上がってしまいました。
勝ったアルクトス、2着ミッキーワイルドはともに内目の絶好位で先行争いを見る形。アルクトスは抜け出すところで多少手間取りましたが、終わってみれば完璧な立ち回りが叶った勝利。
3着ヴェンジェンスは今の充実ぶりとボールドルーラー系らしい血統適性を発揮しての3着。表記上、勝ち馬のコーナー通過順が4-4で、こちらは3-3。あまり変わらない位置にいたと誤解されそうですが、実際に通ったコースや前との距離を考えれば、先行争いについていき、外目を回っていたこの馬の方が価値は高いでしょう。久しぶりの左回りに戸惑ったところもあったでしょうが、良い競馬はしてくれました。
第55回七夕賞(GⅢ)
1着
ミッキースワロー
2着
クレッシェンドラヴ
3着
ロードヴァンドール
ラップ:
12.2-11.0-11.1-11.9-11.8-12.1-12.0-12.2-12.3-13.0
時計:1.59.6
ミッキースワローがセントライト記念以来となる重賞制覇を果たした今年の七夕賞。まずは鞍上の菊沢一樹騎手にとっては嬉しい勝利だったことでしょう。大舞台を狙えるお手馬を失って以来、久々の手綱での重賞制覇。しかも、福島らしいマクりが決まるレース、すなわち、仕掛けのタイミングが最も問われるレースを制した騎乗は会心のものだったと思います。
そのミッキースワローにとっても、最近の競馬が不完全燃焼のものばかりでしたから、鬱憤を晴らす快勝。特に前走は直前の雨で不得手の道悪になったことに加え、レース自体が異例の超スローで何もできないまま終わった一戦でしたからね。
個人的には、トーセンホマレボシは高速耐性が高い血統だと思っています。今回は鞍上の好騎乗と能力で押し切っただけで、パンパンの良馬場でさらに良いパフォーマンスが見られるはず。今後がまた楽しみになりました。
2着クレッシェンドラヴは、母父サドラーズウェルズがキーポイントになったでしょうか。先週のラジオNIKKEI賞で3着したゴータイミングも母父サドラーズウェルズ系。福島芝中距離は母系サドラー系の好走率が高いコースですが、今週もまたサドラー系保持馬がコース適性の高さを利して馬券になりました。
ロードヴァンドールはマルターズアポジーの造るペースに幻惑されることなく、自分のリズムを守っての粘り腰。良い粘りを見せた3着と判断してよく、これからもローカル重賞では常に注目が必要になるタイプでしょう。
私が期待したエンジニアは10着。ただ、これはちょっと勿体無かったなと。道中は先行集団と後方集団の継ぎ目に位置する中団位。結果的に一番中途半端な位置に収まってしまったという見方もあると思いますが、個人的にはこれでダメなら仕方ないと言える競馬だったとは思います。
ただ、4角で上位馬がマクリを打ったタイミングで、直前を走るカフェブリッツが壁になって踏み遅れる形になってしまったことが誤算。加えて、直線入り口ではそのカフェブリッツが外に膨れ加減になり、さらに追い出しを待たされてしまいました。
競馬にタラレバは禁物ですが、4角で勝ち馬にくっついてポジションを押し上げることが出きていたら、結果は違ったものになっていたかなと。予想コラムでも指摘したとおり、この馬は瞬発力がある馬ではないので、余計に苦しい競馬になってしまいました。最後までジリジリと脚を使っていただけに、少し悔しさが残るレースになってしまいました。
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