馬券ネオメソッド(レース回顧編)
日本ダービーなど3重賞の回顧
第86回日本ダービー(GⅠ)
1着
ロジャーバローズ
2着
ダノンキングリー
3着
ヴェロックス
ラップ:
12.7-10.7-11.4-11.4-11.6-12.0-12.3-12.4-12.2-12.0-11.9-12.0
時計:2.22.6
勝ったロジャーバローズは、確かに人気が示す通り狙いづらい馬だったとは思いますが、レース運び自体は完璧でした。
個人的に唸ったのは、直線に入ったところでもう浜中騎手が逃げたリオンリオンを捕まえに仕掛けていること。さすがに体感でオーバーペースだということは分かっていたはずで、逃げ馬が放っておいても失速してくることは明らか。相手が自分より後ろの馬になる以上、普通なら後続をもう少し待って追い出したいところ、典型的持続力ディープだという馬の個性を把握していた浜中騎手は、真っ先に前を捕まえに動いたのです。結果的にこれが好判断。もし、あそこで後続を待っていたら、上位人気馬の決め手に屈して着順は下がっていたことでしょう。
「乗り替わりは勝てない」というジンクス(?)が囁かれていた日本ダービー。前走からの継続騎乗の騎手が勝ったことで、改めてそれが証明されたわけですが、今回に関しては、ジンクスではなく、本当の意味で前走の騎乗経験が活きた勝利だったんだと思います。
そのロジャーバローズは、ディープ×ダンチヒ系。以前から何度もお伝えしている、「東京芝2400GⅠのサンデー×ダンチヒ系」に該当する馬でした。
2着ダノンキングリーも完璧に乗っていますが、これは可哀想な敗戦。普通に考えて、前より後ろに意識が行くのは当然のことですから。
ディープ×ストームキャット。先週のオークスで人気薄カレンブーケドールを含みワンツーを決めた配合。今年もオークスとダービーの同時性は健在でした。
1人気サートゥルナーリアは4着。出遅れてプランが崩れてしまった印象。メンバー最速の上がりをマークして意地は見せましたが、今回は厳しいレースになってしまいました。力がある馬だということは紛れもない事実なので、立て直してまた良い走りを見せてもらいたいものです。
期待したリオンリオンは15着。さすがにオーバーペースではありましたが、中途半端な競馬はハナから期待していませんでしたから、こういう結果も納得。自分の競馬に徹して負けたのだから仕方ありません。
キングマンボ系保持馬が揃って圏外に敗れ、ダンチヒ持ちが人気薄で激走。昨年まで提唱していた予想テーマを裏切ったことを恥じるばかり。申し訳ありませんでした。
第133回目黒記念(GⅡ)
1着
ルックトゥワイス
2着
アイスバブル
3着
ソールインパクト
ラップ:
7.4-11.0-11.0-12.2-12.0-11.7-11.8-12.0-11.6-11.7-12.0-12.0-11.8
時計:2.28.2
前半で2度の11.0秒を刻み、なおかつ、中盤にまた2度の11秒台。さすがにこれは厳しい流れ。先行勢が総崩れになり外差し馬が殺到したのも頷けます。ハイペースで流れたダービーの直後(今年は、例年と違い間にレースを挟んでいませんでした)ということもあったのでしょうか。
勝ったルックトゥワイスは、少し出遅れて最後方に近い位置取り。今の馬場設定を考えれば普通はかなり厳しい位置取りですが、流れが味方してくれました。もちろん、過去に東京コースで強い競馬をした経験のある馬で、能力と東京適性があったことも見逃せません。
それにしても、見事だったのは手綱を取ったレーン騎手。日本ダービーで大本命馬に騎乗、人気を裏切る結果に終わった直後のレースでちゃんと挽回してきたのですから、その胆力には驚かされます。
2着アイスバブルは、東京芝2500重賞でよくある「前走条件馬」の激走パターン。年間に2鞍しか行われない特殊条件では、通常の条件で能力を出し切れていなかった馬のパフォーマンスアップが起こりやすく、条件戦で勝ったり負けたりしていた格下馬の激走が頻繁に起こります。今回はこの馬がそれに該当していたということですね。
雹による中止で予定していたレースを使えなかったという誤算があり、当日もプラス10キロの馬体増。そんな中でよく頑張った2着だと思います。
3着ソールインパクトも、ディープ産駒のわりに決め手が全くない、変則条件向きのB級ディープ産駒(ダービーを勝ったロジャーバローズと似たタイプです)。今回もその特性を存分に発揮して馬券圏内を賑わせました。
上位3頭はいずれも非トニービン。この結果はかなりショックなものでした。
これまで、激走例多数のトニービン保持・内包馬。今年もバリエーションに富んだ該当馬が出走しており、私が推したムイトオブリガードでなくとも何かしらは絡むだろうと考えていたのですが、まさか揃って圏外とは……。これまでの好結果を考えれば、そう簡単に見限るわけにはいきませんが、個人的にはダービー以上に驚きの結果となってしまいました。
第2回葵S(重賞)
1着
ディアンドル
2着
アスターペガサス
3着
アウィルアウェイ
ラップ:
12.4-10.7-10.9-11.2-11.2-11.6
時計:1.08.0
1枠の2頭が好スタートを切ったことで、1200にしては比較的整然とした流れになった葵S。その中でも、勝ち馬ディアンドルは卓越したレースセンスの高さを見せ付けました。こちらも好発からハナも狙えそうなダッシュを見せながら、前の2頭がやり合うと見るや、スッと控えて離れた3番手。折り合いもピタリと付いていて、3歳の短距離馬とは思えない大人びたレース振りを見せました。
これまで、相手の軽いところを狙って使っている印象があり、4連勝後でも今回が試金石を見ていましたが、見事にクリアしたことで、この世代の短距離路線ナンバー1を証明したと言えるでしょう。
2着アスターペガサスは、予想テーマに掲げた米国血統保持馬の1頭。父ジャイアンツコーズウェイがストームキャット系です。
函館2歳S以来の芝1200戦で復活といったところですが、個人的には函館2歳S以来、久々に血統適性に合致したレースを使ってきたという印象が強いですね。あと、夏場に強い個性でもあるのでしょう。
3着アウィルアウェイは、勝ち馬の直後でレースを進めましたが、時折狭いところに入ったり、前を走る馬がフラフラして進路を切り替えざるを得なかったりと、ちょっと勿体無いところはありました。短距離路線なら古馬に混じってもある程度やれるんじゃないでしょうか。
候補馬が多数いたので、そのうちの1頭アスターペガサスが来ただけではなんとも言えないところはありますが、そのアスターペガサスが13人気の人気薄。来年以降も、このレースはダートっぽさの重要性を意識して米国血統を中心とした予想をしたいところです。
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