境和樹の穴馬券ネオメソッド

馬券ネオメソッド(レース回顧編)

優駿牝馬の回顧

第79回優駿牝馬(GⅠ)
1着アーモンドアイ
2着リリーノーブル
3着ラッキーライラック

ラップ:
12.6-11.1-12.0-11.9-12.0-12.2-12.4-12.3-12.4-12.2-11.1-11.6
時計:2.23.8


レースの流れ自体は前後半差がほとんどない平均ラップですが、これはサヤカチャンが後続を離して担い手になっていたことからくるもので、実質はランドネがハナを切ったスローの上がり比べになっています。

その上がり勝負を中団から上がり最速の脚を使って後続に2馬身。アーモンドアイは決定的な強さを見せ付けました。

この馬が使った上がりがメンバー最速の33.2秒。2~4着馬が上がり2位タイで33.9秒。上がりの差0.7秒!ラスト3Fでケタ違いの末脚を使って差を広げていることが分かります。見た目通り、相当抜けた強さだったということができるでしょう。

血統的にはロードカナロアに母フサイチパンドラということで、母母父にヌレイエフを内包している形。予想コラムでも述べた通り、このヌレイエフの血でオークス適性は満たしていました。
まあ、正直な感想として、この馬が本質的に芝2400mの適性を持っているかは微妙だと思います。ただでさえ、オークスは本質的な距離適性が問われにくいレース。終わった直後なので色々な意見が出ると思いますが、この一戦でロードカナロアの長距離適性が証明されたとは思いませんし、この馬の本質はあくまで中距離馬だと考えています。
ロードカナロアという種牡馬は、現役時代のイメージ以上に距離の融通が利くことは間違いありませんが、さすがに2400向きだとは考えにくいんですよね。今回は同世代の牝馬同士のオークスらしく、距離適性を圧倒的な能力差で埋めた結果だと思います。

もちろん、アーモンドアイに対して否定的な感想を持っているというわけでは決してありません。歴代の牝馬の中でもかなり上位にランクされる馬でしょう。今後、無事に競走生活を続けて欲しいものです。

驚いたのは、2着リリーノーブルと3着ラッキーライラックの着順入れ替わり。阪神JF、チューリップ賞、桜花賞と、前で競馬しようが後ろで狙いを定めようが、どうしても変わらなかったこの2頭の着順が、まさかこの舞台で入れ替わるとはちょっと想像していませんでした。
しかも、リリーノーブルが自ら勝ちに動く競馬をしての結果。この一戦に関しては明らかにリリーノーブルの方が強い競馬をしているので、桜花賞から短期間で急成長したのか!? と思わず唸ってしまいました。

ルーラーシップとオルフェーヴルの比較で、確かに東京芝2400適性はリリーの方が上かな? とも考えられますが、先述の通り、コース適性よりも能力差が重要なオークスですからね。
しかも、リリーノーブルは母ピュアチャプレット、母父クロフネとクラシックでパフォーマンスを下げがちな配合でもあるので、諸々、この逆転には驚かされました。

私の本命馬レッドサクヤは4着。何の不満もない競馬はしてくれています。それでも、人気を大きく上回る走りは見せてくれているので、予想段階で指摘したこの馬のレース適性は間違っていなかったと自負しています。

レース全体の傾向としては、今年も差してメンバー最速の上がりを使った馬が勝利。もうこれはオークスの鉄板パターンと言っていいでしょうね。さらに、突発的に上がり最速を使う馬がおらず、あくまで近2走のレース振りにそのヒントが眠っているという点も、該当馬のアーモンドアイの勝利によって改めて裏付けられたので、来年以降も同じスタンスで考えていいと思います。

今年は、トーセンブレスが取り消したことで、上がり最速を使う候補はアーモンドアイ、レッドサクヤ、サトノワルキューレの3頭に絞られていました。意外と候補馬は多くならないということも隠れたポイントです。


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境 和樹

『東京スポーツ』や『競馬最強の法則』などで人気コラムを執筆。各メディアから最も注目されている新進気鋭の実力派予想家。合格率2.8%の司法書士試験を合格した頭脳が辿り着いた境地は「勝ちたければ、三複・三単は捨てろ!!」血統理論×ペース解析により導き出された必然の穴馬から『単複1点勝負』を敢行し驚愕の大幅黒字収支を叩き出す。

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