境和樹の穴馬券ネオメソッド

馬券ネオメソッド(レース回顧編)

スプリングSの回顧

第66回スプリングS
1着ウインブライト
2着アウトライアーズ
3着プラチナヴォイス

ラップ:
12.6-11.7-12.1-12.2-11.7-11.8-12.1-11.8-12.4
時計:1.48.4

「ああ、ステイゴールドか」というのが、レースが終わった直後の第一感。今開催はステイゴールド産駒が中山芝で爆発していましたからね。最終的に勝敗を分けたのはその辺りだったかなと考えています。
レース自体は、前走とほとんど同じ形。中ヘコミのラップ(中盤で一度流れが速くなる形)で、4角手前から外を回ってひとマクリという競馬。さすがに相手が違う分、前走より手こずっているように見えましたが、最後はねじ伏せる感じで押し切りました。馬体重が-12キロ。いわゆる目一杯に仕上げてきたのかなという印象も受けたので、次は状態面がカギになりそうですね。あとは、東京のような大箱で脚を溜めるだけ溜める競馬でどのくらい弾けるかというのも課題のひとつ。個人的には、勝ちっぷりだけでなく、時計的にも前走の方がハイパフォーマンスだったと考えています。前走より今回の方が時計は出る設定ではありました。

2着アウトライアーズは、勝ち馬に上手く乗られた分の負けだったと思います。自分のスタイルに徹して最後まで脚は使っていますから、特に評価を落とす必要はないかなと。先々週のカデナに続き、これもフレンチデピュティ母系。NHKマイル向きの血統なので、皐月賞で凡走でもして方向転換してきたら有力になりそうです。

3着プラチナヴォイスは強気の競馬で権利獲りを狙った形。個人的には京都芝1800の特注種牡馬エンパイアメーカー産駒なので、前走で負けて今回来るという呼吸は捕まえられませんが、よく頑張っていると思います。4着サトノアレスは案外な内容でしたが、勝ち鞍はあるものの、やはりワンターンの競馬で目一杯末脚を伸ばす形の方がいいのでしょう。あと、今の馬場でディープというのもミスマッチだった気はします。

期待したエトルディーニュは6着。根本的な性能の差が出た負け方ですが、スタートで若干安目を打って想定より一列後ろからの競馬になったのは痛かった。そして、あの位置からの競馬になったなら、プラチナヴォイスくらいのタイミングで一旦先頭に立つくらいの積極的な競馬の方が可能性があった気はします。4角でチラチラ横を見ていましたが、もうあの時点でゲームセット。相手を待つ競馬をしても切れ負けするのがオチなので、周りの動き出しを気にする前に自分から動くべきだったのではないでしょうか。
『溜めても切れない馬』を本命にした際にいつも思うことですが、“切れないんだから早めに動いて雪崩れ込みを狙う”というのは外野の発想で、実際に乗っている人は“溜めても切れないんだから、もっと溜めないとダメだ”という考え方をするようです。このあたりは永遠に歩み寄れない部分です。

個人的には、中盤でラップが緩まない流れになったという点で、対皐月賞という視点で見る限り、弥生賞よりスプリングSの方が好きな形ではありました。

最後に阪神大賞典について。

配当が示す通り、多くの人が『こうなるだろうな』と想定した結果になりました。馬券的にはさておき、ガチンコ勝負に持ち込んであくまで勝利にこだわったシュヴァルグランと、それを横綱相撲で負かしたサトノダイヤモンド、さらに虎視眈々と漁夫の利を狙いに行ったトーセンバジルと、各馬がそれぞれやるべきことをやったという意味で、非常に見応えのある好レースだったと思います。
シュヴァルグランにとって惜しかったのは、昨年よりも1秒程度馬場が速くなっていたこと。結果としてディープ産駒に有利な馬場状態になったこともあり、適性差で能力差を埋めることができませんでした。昨年の馬場状態だったらあるいはもっと差は詰まり、ひょっとしたら逆転できたんじゃないでしょうか。


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境 和樹

『東京スポーツ』や『競馬最強の法則』などで人気コラムを執筆。各メディアから最も注目されている新進気鋭の実力派予想家。合格率2.8%の司法書士試験を合格した頭脳が辿り着いた境地は「勝ちたければ、三複・三単は捨てろ!!」血統理論×ペース解析により導き出された必然の穴馬から『単複1点勝負』を敢行し驚愕の大幅黒字収支を叩き出す。

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