馬券ネオメソッド(レース回顧編)
神戸新聞杯の回顧
第64回神戸新聞杯
1着
サトノダイヤモンド
2着
ミッキーロケット
3着
レッドエルディスト
ラップ:
12.7-11.4-12.2-12.8-12.3-12.7-12.8-12.6-11.6-11.5-11.4-11.7
時計:2.25.7
これは全くの余談なのですが、阪神芝2400というコースは、タフな設定で地力が問われる凄く良い舞台だと思うのですが、なぜGⅠはおろか、重賞競走もこの神戸新聞杯だけ。なぜ? 個人的に大きな謎です。
閑話休題。神戸新聞杯の話。
サトノダイヤモンドは辛勝の形にはなりましたが、まずは好発進といったところでしょうか。ルメール騎手の手綱が冴えていた印象ですね。今週の阪神芝コースはかなり特殊な馬場設定になっていて、特に日曜日は『時計は速いが、パワーが必要。馬場の真ん中より外は伸びない』という条件付きの状況になっていました。その中で、馬場傾向を本当に完璧に近い形で見切っていたのがルメール騎手。日曜日一連の競馬でルメール騎手はほとんど同じところを通そうとしていました。
ちなみに、ディープインパクト産駒は神戸新聞杯初勝利。ただ、これに関しては歴史が覆されたというより、来るべき時が来たかという感じで、そこまで騒ぎ立てるほどのことでもないと思います。
2着ミッキーロケットには驚きましたね。北海道シリーズの内容は確かに優秀だったと思いますが、阪神芝2400というタイプの馬ではないかなと見ていたのですが、サトノを徹底マークして開いたところで内に潜り込むという味な内容。最後は追い負けてしまいましたが、十分収穫のある内容だったと思います。もっとも、菊花賞はこの馬にとってさらに厳しい条件だとは思いますが。
3着レッドエルディストは、ゼンノロブロイにダルシャーン×アルザオという超鈍重配合が示す通り、本当に渋い馬ですね。最後は確実に伸びてくるのですが、どうしても位置を取りにいけないだけに前を捕まえるに至らないという感じ。それでも春よりマシになっているとは思いましたが、これは高速京都では致命傷になると思います。春の時点でも書いた気がしますが、いかにも長距離でパフォーマンスが上がりそうな血統背景だけに、少し気になってしまいますが、個人的には差し遅れて見せ場だけという結果になりそうな気がします。
5着に敗れたエアスピネルは、この結果を受けて距離不安だの成長力不足だの色々と言われそうですが、先述の通り、この日の阪神であそこを通ったらまず伸びません。2400以上の長距離がベストだとは言いませんが、少なくとも今回の敗因は通ったコースに尽きると思います。むしろ最後まで伸びているところに、距離OKが証明されたと考えた方がいいでしょう。本来はもう少し好位で立ち回れる器用さを持っている馬だと思うので、内枠でも引いて好位付けするようなら、本番でもウルサイ存在になると思いますよ。母エアメサイアも秋華賞勝ちを含め京都コースを得意にしていた馬でしたね。
4着カフジプリンスについては難しいところですね。ああいう競馬では絶対に差し遅れます。これは予想コラムで指摘したとおり、この馬はアクセルをベタ踏みの状態でハンドル操作しないといけない馬なので、馬群に突っ込んでしまっては良さが出ないんです。もっとも、この日の馬場を考えれば、2走前のように外をブン回してもやっぱりダメだったでしょうから、岩田騎手としてはこのコース取りが最良の選択だったんだと思います。つまり、今日の馬場設定では八方塞りだったということ。運がありませんでした。
上位は全て差し馬。前付けした組ではナムラシングンでしょうが、終始引っ掛かって直線は追い出してパッタリ。明らかに距離の負け方をしているので、さすがにこれは厳しいですかね。上位馬がダメという意味ではなく、今年の神戸新聞杯から菊花賞に繋がる穴馬はいなかったように思います。
同日に行われたオールカマーについて。
ロベルト系保持馬のゴールドアクターが勝って、母父トニービンのサトノノブレスが2着。おまけに3着が、先週のセントライト記念で主張したステイゴールド産駒。なんとなく血統を使えば簡単に獲れたレースのような気はしますが、穴馬の単複という私のスタイル的には、本当に買いづらいレースでした。ロベルト系保持馬で非根幹距離実績も豊富なゴールドアクターは鉄板級の馬だと思っていましたが、この馬から買うことはありませんし、第二グループのトニービン保持馬も、単複という視点で見ると一番行きにくい立ち位置……。このレースに関しては連系の馬券を買う人のためのレースであり、私のような単複派は観戦に徹するというのが正解だったと思います。
その中でも、マリアライトの失速は意外でしたね。元々叩き良化型であることはこれまでの戦績が示す通りで、昨年もこのレース5着からエリザベス女王杯を制しているのですから、特に問題ない始動戦だったとも言えるのですが、昨年はそのオールカマー5着の内容が秀逸だったのに対し、今年は“失速”という表現がピッタリの負け方。昨年が収穫アリの敗戦なら、今回はガッカリの敗戦。同じ5着でも随分中身が違うなという感想を持ちました。
叩いてどのくらい良化するかには注目しなければいけないでしょうし、エリザベス女王杯自体リピーター性のあるレースですから、なんだかんだでまた来てしまうのかもしれませんが、昨年、オールカマーの走りを大きな加点材料として本命にした身分としては、今年はあまり食指が動かないというのが本音(まあ、どうせ人気になるでしょうが)。穴馬探しの楽しみが増しましたね。
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