東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2019年4月27日]

【天皇賞・春】分かっちゃいるけど やめられない

昭和30年代後半(1960年代前半)に一世を風靡した植木等の「スーダラ節」。

「チョイト一杯の つもりで飲んで いつの間にやら ハシゴ酒 ……」

は1番の歌詞だが、2番の歌詞は、

「ねらった大穴 見事にはずれ 頭かっと来て 最終レース

気がつきゃ ボーナスァ すっからかんのカラカラ

馬で金もうけした奴ぁないよ 分かっちゃいるけど やめられねぇ

ア ホレ スイスイスーダララッタ …… スーダララッタ スイスイ」

今週の水曜日、浅草寺主催の仏教文化講座で講演を頼まれ、「競馬」の話題でやってほしいとのこと。200人ほどの聴衆を前に、ひとわたり競馬の歴史や日本・世界の競馬事情を話した後、週末の天皇賞(春)を素材に馬券の買い方まで講釈した。講演の最後に「スーダラ節」を持ち出したのだが、ほかでもない仏教文化講座だったからだ。

コメディアン歌手の植木等は根っから真面目な人だったという。「スーダラ節」の話が舞い込んだとき、「こんな不真面目な歌を唄っていいものか?」と迷ったらしい。父親が立派な僧侶だったので相談したところ、歌詞を見た父親が「これは仏教の真髄だから、自信をもって唄いなさい」と励ましてくれたとか。とくに「分かっちゃいるけど やめられない」という科白は人類の煩悩の核になるのだ。なにやら聴衆に笑ってもらってホッとした次第。

「分かっちゃいるけど やめられない」では人後に落ちない居酒屋「青夷」の競馬常連組。なかでも煩悩組の親分格が口撃機関銃ヤマである。いつもは海外遠征組を敬遠するのに、菊花賞2着、天皇賞(春)3着の実績を持ち出し、⑫クリンチャーがそろそろ凱旋門賞惨敗から立ち直る頃だと妄想している。ギャンブル狂師ミノ先生は、阪神大賞典好走のハーツクライ産駒が実績ありとのデータから、⑥カフジプリンスを狙うらしい。穴党専科のマスターは、母馬が長距離メジロ系で菊花賞でも0.5秒差の5着だった⑦グローリーヴェイスの一発に賭けるとか。マンカフェ産駒応援団長の熟女馬券師ワフさんは、故馬となったシャケトラの悲劇に胸を痛めつつも、その分をマンカフェ産駒⑤メイショウテッコンで弔ってもらうことを祈願するらしい。

昨秋の菊花賞1着⑩フィエールマン、2着②エタリオウ、3着⑨ユーキャンスマイルが順当に出走して、長距離実力馬のいいレースが期待できる。他馬のつけ入る余地は少ないが、こんなときは、本命馬になったはずのマンカフェ産駒の弔い合戦という縁起をかついで、ワフさんにあやかり⑤メイショウテッコンを狙うのが人情だろう。相手は菊花賞好走組から、やはり筆頭格の⑩フィエールマンにするのが筋が通っている。勝てば凱旋門賞挑戦のプランもあるというから、ここも勝ってアーモンドアイの代役を担ってほしいものだ。

天皇賞・春

⑤-⑩ ワイド1点で勝負する

②⑤⑨⑩4頭の3連単ボックス24点で遊ぶ

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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