東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2018年07月28日]

【アイビスSD】日本唯一の直線重賞で狙うのは?

昨日の『日本経済新聞』夕刊の一面にある「あすへの話題」の拙稿(毎週金曜担当)を再録する。

「遊ぶからこそ文化が生まれる」とは歴史家ホイジンガの名言である。でも、サルのみならず犬や猫も遊ぶのに、なぜ文化らしきものがないのだろう。動物には賭けるという遊びがない。人間は賭けることで真剣に考える。頭を使って勝負すれば、切磋琢磨され、よりすぐれたものが出てくる。

カジノ法案成立で取沙汰される問題もあるが、「賭ける」という行為そのものは悪いことではない。もうほとんど半世紀間、競馬で馬券を楽しんでいる身には悪いはずがない。

競馬は春と秋にG1の大レースがある。夏競馬は今一つ盛り上がりに欠ける。だが、名物レースもあり、それはそれで夏の風情を感じさせる。

夏恒例の新潟競馬場。ここでは直線1000mのレースがある。ヨーロッパでは1マイル(約1600m)の直線コースでさえ珍しくはない。フランスのドーヴィル競馬場、イギリスのアスコット競馬場にもあり、競馬の聖地ニューマーケットにいたっては直線2000mのレースもある。

明後日のアイビスサマーダッシュは日本で唯一の直線コースの醍醐味ある重賞競走である。馬はまっすぐ走るだけだから、コーナーリングの有利不利、騎手の技量差などは少なくてすむ。

もっとも馬をまっすぐ走らせることだけでも技量がいるのだが。

直線だから有利不利は少ないと思ったら落とし穴がある。競走馬が走る内側は芝が痛みやすいから、芝がきれいな外側が有利なのは競馬ファンの常識である。このレースの必勝法(?)は外枠の先行力のある馬。疑うなら馬券を買ってご覧いただきたい。

というわけで、居酒屋「青夷」の競馬常連組も馬番発表前には予想し辛いと言いつつ、口撃機関銃ヤマは血統、重量、騎手から⑧ラブカンプーは鉄板とか。母はタイキシャトルを短距離で負かしたマイネルラブ牝馬、軽量51キロ、ミルコ・デムーロ騎乗でどうしようもないらしい。相手も同馬場・同距離の韋駄天Sの優勝馬⑮ダイメイプリンセスが絶好の外枠でかなり堅いと自信満々。ギャンブル狂師ミノ先生は韋駄天S2着と好走した同じ馬番と騎手で出走する⑬ノットフォーマルを狙うという。逃げ先行馬好きのマスターは⑫ナインテイルズが鞍上に戸崎を乗せて快走必至とか。

私は大外8枠に入った牝馬3頭のなかから⑮ダイメイプリンセスと⑰ペイシャフェリシタを狙う。夏場に強い牝馬の好走が馬券の不運を救ってくれそうだ。


アイビスSD

⑮-⑰ ワイド1点で勝負する

⑮-⑰2頭軸で3連複総流し15点で遊ぶ

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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