東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2013年10月20日]

【菊花賞】予想に時差ボケなし!!

凱旋門賞の翌日、パリからユーロースターでロンドンに移動した。パリ北駅ですでに英国の入国審査がある。カメラをデスクに置いたままパスポート番号などを記入したとき、不覚にもカメラを置き忘れてしまった。幸いにも、シチリア島などの古代遺跡調査の写真はパソコンにコピーしておいたので、研究上の実害はなかった。正直言って、かなりの高級品だったが、カメラ紛失の失意よりオルフェーヴルとキズナの敗戦の失意の方がずっと心に突き刺さると思うと、我ながら苦笑してしまった。1週間ほどロンドンに滞在。16日の午前中は台風が首都圏を直撃するので、ヒースロー空港を3時間遅れで離陸し、なんとか昼過ぎに帰国した。

さて菊花賞、皐月賞馬ロゴタイプもダービー馬キズナも参戦しないなら、両レース2着の[03]エピファネイアは準二冠馬として出走する。ここでも2着であれば、本物の準三冠馬になる。競馬に絶対はないことを痛いほど経験させられている。なのに、またしても絶対に3着ははずさないと思いこむのは、いかがなものか。それでも、やはり3着ははずすまい。

これほど軸が堅いなら、相手には人気薄を選ぶのが常道。

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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